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リフレクションフィルターの必要性と選び方
リフレクションフィルターはマイクが部屋の反響音を拾わないようにするためのアイテムです。
反響が強い部屋だと、マイクが部屋鳴りを拾ってしまい、肝心のボーカルがぼやけてしまいます。
そこでリフレクションフィルターでマイクへの混入を防ぐわけですね。
実際にどれだけ変わるのかサンプル音を用意しました。聴き比べてみてください。
リフレクションフィルターなし
リフレクションフィルターあり
聴き比べてみると、リフレクションフィルターありの音源は反響音がなくなっているのがわかります。
地味な変化ですが、mixしてみると、この差の大きさがよくわかります。
本章ではまず、リフレクションフィルターの必要性と選び方について解説していきます。
本章の目次
リフレクションフィルターの必要性
先ほどのサンプル音源を聴いて、たいして変わらないと思った人は多いはずです。
実際に口コミでも「リフレクションフィルターを導入しても効果を感じなかった」という書き込みは多いです。
ここは注意が必要で、リフレクションフィルターは録り音そのものを聴いてもそこまで違いはありません。
mixでエフェクトを色々かけていく過程で差が出てくるものなのです。
そのため、mixについての知識・経験がない人は「効果がない」と誤解しがちです。
mixでは音量を揃えるためにコンプレッサーというエフェクトを多段掛けするのが一般的です。
また、仕上げにはマキシマイザーというエフェクトで音圧を上げます。
この処理を行うと、小さい音と一緒に部屋の反響音もかなり大きくなってしまうわけです。
先ほどのサンプル音にコンプレッサーとマキシマイザーをかけた音源を聴いてみましょう。
リフレクションフィルターなし
リフレクションフィルターあり
この音源だと違いが明らかですよね。
リフレクションフィルターなしの音源は反響音が強く、リバーブなどがうまく載らなくなります。
特に最近のポップスやボカロ曲はかなり強いコンプレッサーがかかっています。
そのため、録音の時点でリフレクションフィルターを使って反響音はできるだけ抑えたほうが良いわけです。
リフレクションフィルターの素材
リフレクションフィルターはメーカーや価格帯によって、使用される素材が異なります。
基本的には高価な製品ほど、様々な素材を組み合わせた多段構造になっていきます。
例えば、昔から定番のsE Electronics Reflexion Filter PROは以下の構成になっています。
- 穴の開いたアルミの拡散層
- ウールによる音響吸収層
- アルミホイル被膜による拡散層
- 非対称のエアギャップ(空間)によるアイソレーション層
- ポリカーボネイトによる拡散層
- 特許取得のポリエステルファイバーボード層
価格も3万円程度するため、かなりの多段構成になっています。
逆に安いリフレクションフィルターは構成される素材が少なく、シンプルな構成です。
この違いは反響音の抑制よりは原音への影響度合いに出ます。
使い比べてみると、反響音の抑制は安い製品でも十分できています。
ただ、安い製品だと高音の伸びとか抜けの良さも若干なくなるんですよね。
高い製品は各帯域で効果にムラが出ないように様々な素材を多段構成にして調整しており、原音への影響が少ないです。
筆者の所感としては、バンドオケに混ぜる分には安い製品でも問題ありません。
歌とピアノなどシンプルな構成だと、素材をそのまま活かすのでReflexion Filter PROのような多段構成の製品をおすすめしたいですね。
マイクスタンドとの相性
リフレクションフィルターは1.5kg~3kgほどの製品が多く、かなり重たいです。
そのため、マイクスタンドも安定性の高いものが必要となります。
僕はリフレクションフィルターを使う方にはTAMAのマイクスタンドをおすすめしています。
レコーディングスタジオでも定番ですが、安定度抜群でリフレクションフィルターを付けても全然大丈夫です。
マイクアームでリフレクションフィルターを使いたい方は軽量で使いやすいEYEBALLにしましょう。
EYEBALLは軽いので、マイクアームでも余裕で使えます。
ちなみに他のリフレクションフィルターだとマイクアームで使うのは相当厳しいです。
まず、取付パーツがマイクアームに適合していない製品が多く、工作が必要です。
そして取付できても、ほとんどのマイクアームが1kg程度のリフレクションフィルターも支えられません。
なので、マイクアームで運用したい人はEYEBALLを強くおすすめします。
リフレクションフィルター おすすめ4選
それでは、おすすめのリフレクションフィルターを4製品紹介していきます。
スペックや価格帯を一覧表にしたものがこちら。
製品名タップで解説に飛びます
EYEBALL以外はマイクスタンドで使用しましょう。マイクアームは厳しいです。
EYEBALLならマイクアームでも使用できます。
Classic Pro CAR900
リフレクションフィルターなし
CAR900あり
サウンドハウスのプライベートブランド Classic ProのCAR900です。
6,300円程度とリフレクションフィルターの中では安価ですが、吸音性能はなかなかよいです。
CAR900は手の力で開閉できるバーンドアタイプになっています。
そのため、使用しない際は畳んでしまっておくことができます。
僕もCAR900を10年くらい使ってましたが、開閉を繰り返しても頑丈で壊れることはありません。
安価な割によくできています。
反響がかなり強い部屋だと、効果が薄いものの、それなりに反響音の混入を防いでくれます。
低予算でリフレクションフィルターを導入したい人におすすめですね。
sE Electronics RF-X
リフレクションフィルターなし
RF-X
リフレクションフィルターに定評のあるsE Electronicsの安価モデル、RF-Xです。
プロの使用者も多い、Reflexion Filter PROを安価にしたモデルです。
RF-Xのフィルターは4段構成のマルチレイヤー構造が採用されています。
そのため、全帯域でフィルター効果を実現しており、ドライで自然な音が録れます。
Reflexion Filter PROに比べると、やや音がこもりますが、それでもかなり良い音で録れますね。
また、造りも頑丈で見た目もしっかりしています。
安定感や耐久性もかなり良い感じなので、CAR900に比べるとハードに使っていけそうです。
リフレクションフィルターに定評のあるsE Electronicsらしく、低予算で質の良い製品になっています。
KAOTICA EYEBALL
EYEBALL 未使用
EYEBALL 使用
マイクをすっぽり包むタイプのリフレクションフィルター KAOTICA EYEBALL。
軽いため、マイクアームでも使えるところが非常に便利な製品です。
見た目通りで、反響音を防ぐ能力はかなり高いです。
一方でやや音がこもり気味にはなりますので、部屋鳴りがうるさい環境のほうが恩恵は大きいですね。
また、EYEBALLは直径1.5~2.75インチ(38~70mm)のマイクに対応しています。
一般的なラージダイアフラムタイプのコンデンサーマイクであれば使えます。
ちなみに特殊形状のマイク向けには別の製品も販売されています。
製品名 | 特徴 |
EYEBALL | ラージダイアフラム向け 直径38~70mmに対応 |
FATBOY | ラージダイアフラム向け 直径63mm-95mmに対応 |
Live | フロントアドレスマイクと ショットガンマイクに対応 |
7B | SHURE SM7Bなど ストレートタイプに対応 |
800C | Sony 800Gなどに対応 |
大半の方はEYEBALLでOKですが、購入前にマイクのサイズを確認しておきましょう。
たけしゃん
マイクアームで使えるため、自宅レコーディングではEYEBALLが一番便利な製品ですね。
sE Electronics Reflexion Filter PRO
リフレクションフィルターなし
Reflexion Filter PRO
最後は昔から定番のsE Electronics Reflexion Filter PROです。
プロの使用者も多く、リフレクションフィルターの代名詞的な存在ですね。
色んな製品で比較テストをしていましたが、やはりReflexion Filter PROが一番自然な音で録れます。
6層からなるマルチレイヤー構造で、原音への影響が少なく、反響音を抑制してくれます。
リフレクションフィルター本体は頑丈で作りも良いです。
ただ、3.6kgと非常に重いため、マイクスタンドはTAMAをおすすめします。
個人的にはReflexion Filter PROは仕事で歌録りする人向けかなと感じます。
歌ってみたなどを趣味でやる分には、下位モデルのRF-Xで十分かなと思いました。
リフレクションフィルター まとめ
ぎたすけ
たけしゃん
リフレクションフィルターについて紹介でした!
自宅環境で使える音で録るためには、かなり重要なアイテムです。
個人的にはEYEBALLが設置や取り回しが楽なので、おすすめです。
歌ってみたをガッツリやる人は、ぜひ購入を検討してください。
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