評価:4
ぎたすけ
たけしゃん
用途 | 項目 |
---|---|
ライブ配信 | |
DTM | |
テレワーク |
本記事はUSBタイプのAT2040USBのレビュー記事です。
XLRタイプのAT2040のレビューを見たい方は下記を参照ください。
読みたい場所をクリック!
audio technica AT2040USB
マイクタイプ | USBダイナミックマイク |
指向性 | ハイパーカーディオイド |
周波数特性 | 80~16,000Hz |
サンプリング周波数 | 96kHz / 24bit |
寸法 | 145.3 × 52mm |
重量 | 約600g |
audio technicaのUSBタイプのダイナミックマイク AT2040USB。
配信などで人気のXLRマイク AT2040をUSBタイプにした製品ですね。
AT2040USBはUSBで電源供給できるため、色んな機能が追加されています。
実際に使ってみたところ、やはりコンデンサーマイクと比べて環境ノイズには強いですね。
自宅環境での配信、動画制作、テレワークといった用途ではかなり使いやすいです。
まずはAT2040USBの製品仕様から解説していきます。
仕様を飛ばしてレビューを読みたい方は<AT2040USBをレビュー>を参照ください。
ハイパーカーディオイド
AT2040USBは収音範囲が狭いハイパーカーディオイドを採用したマイクです。
収音範囲が狭いため、周辺のノイズを拾いにくい仕様となっています。
ちなみにUSBマイクでハイパーカーディオイドを採用したマイクはかなり少ないです。
そもそも、USBタイプだとダイナミックマイク自体が少ないので、AT2040USBは大分レアな製品ですね。
配信・撮影する場所がややうるさい環境の場合はAT2040USBを選ぶと有効です。
本体機能
AT2040USBは本体にミュートタッチセンサーとローカット機能が搭載されています。
ミュートタッチセンサーは本体前面についており、タッチするだけでミュートのON/OFFが切り替わります。
タッチセンサーなので触るだけで反応します。
押す必要がないため、切替時に「カチッ」といった音は鳴りません。
ローカット機能は本体下部の接続端子などが揃っている部分にスイッチがあります。
80Hz、18dB/octaveで機能するので、ONにすると振動ノイズや環境ノイズを抑制できることがあります。
なお、マイク入力を調整できるノブは付いていません。
そのため、マイク入力の音量はPCやスマホなどの接続端末側で調整しましょう。
ミックス可能なヘッドホン出力
AT2040USBには3.5mmヘッドホン端子がついています。
ヘッドホン端子を通して、マイクの入力音声とPCなどの端末からの音声をモニターできます。
そして、本体底面にはヘッドホンの音を調整するためのノブが2個ついています。
左のヘッドホン出力ノブはヘッドホンの音量を上げ下げするものです。
対して右のミックスコントロールはマイクの入力音とPCなど端末からの音のバランスを調整できるものです。
ミックスコントロールは回す方向で以下のように動作します。
回す方向 | 効果 |
マイクアイコン | マイク入力の音が大きくなる 端末の音が小さくなる |
PCアイコン | マイク入力の音が小さくなる 端末の音が大きくなる |
具体的には歌枠などで、自分の声とカラオケの音量バランスを調整する際などに使えます。
なお、ミックスコントロールもヘッドホン出力もヘッドホンの音量にだけ反映されます。
リスナーなど相手に聞こえる音量には影響しないため、注意しましょう。
また、AT2040USBのヘッドホン出力はかなり大出力になっています。
そのため、ハイインピーダンスのプロユースヘッドホンなどもしっかり鳴らせます。
また、音量をかなり上げてもノイズなどは載らずにクリアなままです。
他のUSBマイクと比べても、明らかに品質が良いですね。
付属品
AT2040USBの付属品はUSBケーブルです。
先端にはUSB Type-A to Cに変換できるアダプターがついています。
また、マイク本体側にマウンティングクランプ AT8487が装着されています。
更に本体にはポップフィルター・ショックマウントが内蔵されています。
そのため、このまま別売りのマイクスタンドやマイクアームに接続して使用できます。
マイクアームで使ってみた所感では、別売りのショックマウントやポップフィルターはなくても大丈夫ですね。
卓上スタンドで使いたい場合は別売りのAT8703を購入しましょう。
AT8703は高さもあって、ちょうど口元にマイクが来ます。
また、AT2040USBはショックマウント内蔵タイプですが、別売りのAT8458aも取付できます。
使ってみた感じはマイクアームやマイクスタンドなら、AT2040USB内蔵のショックマウントで十分ですね。
一方で卓上スタンドAT8703だとキーボードの振動ノイズを拾うため、AT8458aもあったほうが良いです。
自宅で使う方はAT8700Jなどのマイクアームで使うのが良さげです。
対して、色んな所に持ち運ぶ方は卓上マイクスタンドが便利ですね。
audio technica AT2040USBをレビュー
それでは、AT2040USBを細かくレビューしていきます。
はじめにメリット・デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。
やはり強みは環境ノイズを拾いにくい点ですね。
ダイナミックマイクかつハイパーカーディオイドなので、音を拾う範囲が狭いです。
レビューではサンプル音付きで他マイクと比較していくので、参考にしてください。
環境ノイズに強い
AT2040USBはハイパーカーディオイドなので、環境ノイズを拾いにくい仕様になっています。
カーディオイドのコンデンサーマイク AT2020USB-Xと比較してみましょう。
AT2040USB
AT2020USB-X
AT2040USBで録音した音声のほうが車の走行音は小さいですね。
周辺道路や隣の部屋からの雑音が心配な方はAT2040USBを選んだほうが良いです。
なお、AT2040USBは収音範囲が狭いため、口元に持ってきてきたほうが良いです。
口元から距離を離して使うこともできますが、その場合はAT2040USBの強みを発揮しづらいですね。
なので、基本はマイクアームとの併用をおすすめします。
音の解像度はコンデンサーマイクに劣る
AT2040USBはダイナミックマイクなこともあり、音の解像度はコンデンサーマイクより劣ります。
こちらもサンプル音を聴き比べていただくと、よくわかります。
AT2040USB
AT2020USB-X
AT2020USB-Xの音に比べると、AT2040USBはややこもっているのがわかります。
AT2020USB-Xは音が鮮明で立体感がありますね。
そのため、環境ノイズがあまり気にならない部屋ならAT2020USB-Xのほうが良いです。
AT2020USB-XはUSBマイクの中でもトップレベルの音質なので、AT2040USBと比べてもワンランク音が良く感じますね。
ヘッドホン出力の音が良い
AT2040USBは高出力のヘッドホンアンプを内蔵しています。
USBマイクのヘッドホンアンプの中ではかなり高音質です。
そのため、AT2040USBならハイインピーダンスのモニターヘッドホンをしっかりと鳴らすことができます。
また、普通のヘッドホンやイヤホンでも、出力に余裕があり、サーというホワイトノイズが出ません。
USBマイクのヘッドホン端子だとイヤホンで音量を上げると、ホワイトノイズが気になるものは多いです。
AT2040USBはヘッドホン端子の音質が良いため、普通のリスニング用途でも活用できますね。
SHURE MV7との比較
最後は同じUSBタイプのダイナミックマイク SHURE MV7との比較です。
比較した印象を箇条書きでまとめると以下の通りでした。
- 環境ノイズ対策はMV7のほうがやや優れている
- ヘッドホン端子の音質はAT2040USBのほうが優れている
- マイク入力の音量はAT2040USBのほうが大きい
- 機能面では専用アプリがあるMV7のほうが優れている
とまあ、お互いに良いところがあり、どっちが良いと評価するのは難しいです。
ここからは上記の4項目の評価理由を掘り下げて説明していきます。
環境ノイズ対策
まず、環境ノイズ対策ではMV7が若干勝ってるように感じました。
こちらはサンプルボイスを聴き比べてみてください。
AT2040USB
MV7
どちらも低ノイズですが、MV7のほうが若干車の走行音が小さいです。
MV7は指向性はカーディオイドですが、独自のボイスアイソレーション・テクノロジーで環境ノイズの混入を抑制しています。
また、音質もやや異なり、MV7はAT2040USBより中低音が充実している印象を受けます。
声が低い方はMV7のほうが魅力は出しやすいように感じました。
逆に高い声を活かしたい方はAT2040USBのほうが抜けが良いので明るく聴こえそうです。
ヘッドホン端子
続いでヘッドホン端子ですが、こちらはAT2040USBのほうが優れています。
MV7だとハイインピーダンスのヘッドホンは音量が不足気味です。
また、イヤホンでも音量を90%以上にすると「サー」というノイズが目立ちます。
対して、AT2040USBは出力に大分余裕があります。
また、ヘッドホンアンプの質も良く、MV7のMAX相当まで音量を上げてもノイズはほとんど聞こえません。
マイク入力の音量
マイク入力についてもAT2040USBのほうが音量は大きいです。
サンプルボイスもAT2040USBは音量 67%で録音していますが、MV7は85%で同じくらいでした。
MV7だと人によっては音量が足りないかもしれません。
AT2040USBはコンデンサータイプとあまり変わらないレベルまで上がるため、音量不足の心配はないかと思います。
機能の豊富さ
最後は機能面ですが、アプリがあるMV7のほうが断然多機能です。
MV7は専用アプリを介してEQ、コンプレッサー、AUTO LEVEL(音量自動調整)が使えます。
また、MV7はXLR/USB両対応なので、オーディオインターフェイスやミキサーを挟んでも使用できます。
その分、AT2040USBと価格差があります。
AT2040USBは2.1万円程度ですが、MV7は3.3万円程度なので価格的にもワンランク上のモデルです。
筆者の個人的な意見では、下記のように選択肢を変えるのが良いと思います。
- 雑談・ゲーム配信・動画制作ならAT2040USB
- 歌枠やDTMもやるならMV7
- 音響機器の取扱に自信がない人はMV7
まず、動画制作・配信用途ならAT2040USBで十分です。
MV7は音楽用途など、もう少し音の調整をシビアにやりたい場合に有効です。
また、MV7はAUTO LEVELがあるため、音量調整などに自信がない人にもおすすめですね。
その分、値段も高いので配信や動画制作用途ならAT2040USBにしてマイクアームなどに予算を回すほうが総合的にプラスになりますね。
audio technica AT2040USB まとめ
- USBで珍しいハイパーカーディオイドのダイナミックマイク
- 収音範囲が狭く、環境ノイズに強い
- 大出力ヘッドホンアンプ搭載で音も良い
ぎたすけ
たけしゃん
audio technica AT2040USBのレビューでした。
USBタイプでは珍しいハイパーカーディオイドマイクです。
収音範囲を狭めて、ピンポイントで音を狙いたい人におすすめですね。
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