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編曲依頼の流れ
メロディー、歌詞を作って、曲を完成させる
作った曲をスマホに録音。DAWでちゃんとデモを作れるとベスト
編曲してくれる人を探す。知人に頼むか、ココナラで探すのが主流
編曲家さんと依頼内容・金額・制作物の権利など調整して正式に発注
本格的に詰める前のラフアレンジをもらって、方向性を再確認。低価格だとこの工程はカット
編曲された音源が納品される。修正は契約内容に沿って有料・無料が変わる
基本的な流れは以上になります。
本記事ではSTEP3からの話になるわけですが、主には下記の4点を解説していきます。
特に①の「編曲依頼するにあたって準備すること」が重要です。
準備が十分にできていれば、相場的に安い方に頼んでも比較的大丈夫です。
逆にお任せでお願いしたいという人は予算に余裕を持ったほうが良いですね。
編曲依頼するにあたって準備すること
編曲家さんから事前に提出を頼まれるのは、大体下記の4点です。
- デモ音源
- 歌詞
- コード譜
- イメージに近い参考曲(複数提示)
コード譜に関しては、最近は不要と言われることも多いですね。
ここではデモ音源と参考曲について掘り下げて解説していきます。
デモ音源
編曲依頼する際に意外と苦戦するのが、デモ音源です。
大半の編曲家が「一定のリズムで録音された音源の提出」を条件として出しています。
この「一定のリズム」というのはクリック(メトロノーム)に合わせて録音した音源を指します。
そのため、何かしらのDAWを使ってデモ音源を制作する必要があります。
iPhoneユーザーであれば、無料で入っているGaragebandを使うことでクリックに合わせて録音できます。
GarageBand
Apple無料posted withアプリーチ
Gargebandの詳しい使い方はサウンドオルビスさんのサイトを参考にするとよいでしょう。
また、人によっては一定のリズムでなくとも、メロディーがわかればOKの人もいます。
ココナラや個人だとかなり少数ですが、Super dolphinはメロディーがわかればOKになってます。
DAWでの録音はハードルが高い…という人は依頼先が限られることは覚悟しましょう。
イメージに近い参考曲
続いてはイメージに近い参考曲についてです。
編曲依頼で失敗しないためのコツは参考曲をしっかりと提示することです。
ここは手を抜いてはいけません。イメージに合う楽曲が見つかるまで頑張って探しましょう。
そして全体像で似てる楽曲を探しがちがですが、編曲家さんが知りたいのは楽器構成・音色であることが多いです。
あいみょんの曲を例に出して話しますが、下記の2曲を聞いてみてください。
この2曲はたぶん弾き語りなどのデモ音源はかなり似てたはずです。
編曲後は下記のような構成になっています。
曲名 | アレンジ |
ハート | 電子ドラム、シンセサイザーなど 打ち込み中心のサウンド |
裸の心 | 生っぽい王道のバンドサウンド |
大分違いますよね。
ここが大きな分岐点になるので、最初の段階で楽器構成の意識合わせをちゃんとしておきたいわけです。
なので、音色や楽器構成がイメージと近い参考曲をとにかく頑張って探しましょう。
ヒアリングで聞かれるのも、ほとんどが音色や楽器構成の話なので説明できるように準備しておくとベストです。
楽器構成のイメージが合致してれば、大きくズレたアレンジが上がってくることはほぼないです。
楽器の音色など全然わからないという場合
楽器の音色や構成など全くわからないという人は編曲家さんと一緒にイメージすり合わせするのが一番です。
ただ、予算が5万円くらいだと編曲家側もヒアリングに工数を割いていられません。
なので、自身がない人はSuper dolphinなど価格はそれなりにかかっても、ヒアリング含めてまるっと面倒みてくれるところを選びましょう。
契約の細かい内容について
続いては編曲についての契約のお話です。
一番大きいところ著作権ですが、納品データの種類、修正回数についても割と重要な話になってきます。
個人間だと契約書作ったり、きちっとやることは稀なんでメールのやりとりなど証跡をちゃんと残しましょう。
それでは、各項目について掘り下げて解説していきます。
著作権について
編曲にも著作権が存在します。
基本的に編曲依頼においては編曲家側に著作権を譲渡してもらうの一般的です。
譲渡してもらえない場合はどうなるのか?というと当初契約で定めた使用以外は許可が必要になります。
商用利用する場合も契約によっては、制作費とは別で都度使用料を払う必要がでてきますね。
音楽業界だと編曲は著作権譲渡が一般的なので、ここで揉めることはほぼありません。
ただ、書面あるいはメールなど文面で譲渡する旨の証跡を残しておくべきです。
Super dolphinはメールで契約文書が送られてきて、その中に譲渡する旨記載があります。
ココナラ、個人取引では証跡が欲しい場合は相手にお願いしましょう。
納品データの種類
続いては納品データの種類です。
主には下記の2項目について決めます。
- サンプリングレートとビットレート
- パラデータかまとまったデータか
サンプリングレートとビットレートは音の解像度のようなものです。
基本的には48kHz/24bitで納品されることが多いです。
特にそれで困ることはないですが、特定の事情で指定したい人は事前に伝えておきましょう。
パラデータかまとまったデータかは納品データの単位のようなものです。
項目 | 内容 |
パラデータ | 各音色をバラバラのデータで納品 ドラムはパーツ単位で1データ |
ステムデータ | 構成パート単位でデータを納品 ドラムならドラム全部で1データ |
まとまったデータ | 伴奏全体を1つのデータで納品 |
まず、エンジニアさんにミックス・マスタリングを依頼する場合はパラデータでもらっておくべきです。
逆にラフにミックスするなら、まとまったデータでも問題ないですね。
ちなみにココナラだとまとまったデータでの納品が標準で、ステムとパラ納品は有料オプションが多いです。
Super dolphinはまとまったデータとパラデータの両方が納品されます。
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修正回数
修正回数は伴奏完成後の修正依頼できる回数のことです。
多くは特定の回数までは無料で、回数超過した修正依頼は有料対応となっています。
ただ、最初の打ち合わせの楽曲イメージと異なる修正は不可となっていることが大半です。
ちなみに10万円未満の低予算で依頼している場合は妥協も大事です。
低予算の場合は主にイメージすり合わせの工数が減るので、ドンピシャの伴奏制作は厳しいです。
編曲依頼の相場価格
編曲の相場価格は率直に言うとあってないようなものでピンキリです。
その中でザックリまとめると、下記のような相場になってます。
項目 | 内容 |
ココナラ | 3万~5万円 |
Super dolphin | 一律 88,000円 |
プロに個人で依頼 | 7万~10万円 |
制作会社に個人で依頼 | 10~20万円 |
10年くらい前はプロの編曲家に個人で編曲依頼すると10万円くらいが相場だった印象です。
ただ、ここ10年のアイドルブーム、ボカロPブームで編曲家が爆発的に増えて値崩れしてます。
そんなわけで、最近は2~3万円でもやってくれる人はいくらでもいます。
また、プロでもヒアリングやすり合わせの工数を減らして、5万円くらいでやってくれる人も増えました。
一方で打ち合わせなどちゃんと要件詰めて制作となると、やっぱり今でも10万円くらいが相場かなと思います。
詳しくない人ほど予算に余裕を持つこと
編曲依頼で失敗しないコツは最初の打ち合わせでイメージをすり合わせることです。
一方で編曲家が格安で受けるためにはコミュニケーションコストをいかに下げるかがポイントになります。
そのため、低価格ほど発注者側が要望を具体的に提示する必要があります。
なので、色々相談しながら要件を決めたい人はココナラのような低価格帯は向いていません。
色々相談したいという人はSuper dolphinに依頼するのがいいでしょう。
編曲を依頼する人の探し方
最後は編曲を依頼する人の探し方です。
基本的には下記の4パターンがあります。
サービス名 | ココナラ | Super dolphin | 知り合いに依頼 | 制作会社 |
クオリティ | 人による | プロレベル | 人による | プロレベル |
相場価格 | 3~5万円 | 88,000円 | 7~10万円 | 10~20万円 |
曲の権利 | ほぼ譲渡 | ほぼ譲渡 | ほぼ譲渡 | ほぼ譲渡 |
納品形式 | まとまったデータ ※パラは別料金 | まとまったデータ パラの両方 | 交渉次第 | まとまったデータ パラの両方 |
契約書 | 基本なし | メール | 交渉次第 | 会社による |
キャンセル | 基本不可 | 可能 ※3,300円 | 基本不可 | 基本不可 |
やり取り | 直接 | 仲介 | 直接 | 仲介が多い |
基本的には低予算なら「ココナラ」。
予算が確保できれば、Super dolphinがおすすめです。
編曲家の知り合いがいる場合は知り合いに頼むのも有効ですね。
僕はココナラ、Super dolphin、知り合いは発注経験があるので、細かく解説していきます。
ココナラ
クオリティ | 人による |
相場価格 | プロだと5万円程度 アマだと3万円程度 |
曲の権利 | ほぼ譲渡 |
契約書 | なしがほとんど |
納品形式 | まとまったデータが多い ※パラは有料オプション |
発注後のキャンセル | 基本不可 |
一番、編曲を頼んでいる人も多いであろうココナラです。
プロからアマチュアまで色んな方が編曲サービスを出品しています。
ココナラの良いところは何と言っても安いところです。
5万円前後で出品している人のデモ音源を聴くと、かなりハイクオリティです。
また、やり取りや決済はココナラのシステムを使えるので楽なのも良いところですね。
一方で細かいヒアリングや意識合わせなどなく、参考曲と簡単なメール打ち合わせだけで作るケースが多いです。
発注未経験の人はまずはSuper dolphinで依頼して流れを掴むのが良いかなと思います。
一方で、メールできちんと要望を言語化して伝えられる人はココナラは安いのでおすすめです。
Super dolphin
クオリティ | プロレベル |
価格(税込) | 88,000円 |
曲の権利 | ほぼ譲渡 |
契約書 | メールで届く |
納品形式 | まとまったデータ パラの両方 |
発注後のキャンセル | 可能 ※手数料 3,300円 |
2022年に誕生した匿名編曲家チーム、Super dolphinです。
Frekulなどのアーティスト支援サービスを提供しているワールドスケープ社が運営しています。
Super dolphinでは下記の3つのシステムで誰でも安心して編曲依頼できるようになっています。
- 契約の条件が基本決まっている
- イメージのすり合わせは仲介がいる
- 発注後のキャンセル可能(手数料3,300円)
発注後にキャンセル可能なのはすごいですね。
キャンセルにならないように事前の打ち合わせもオンラインミーティングでしっかりやってくれます。
また、参画している編曲家もプロなので、クオリティが高いです。
僕も1曲編曲してもらいましたが、非常に良いアレンジでした。
編曲してもらった僕の曲
一方で至れり尽くせりな分、価格はやや高めです。
こだわりたい曲はSuper dolphinを利用し、オーソドックスな曲はココナラと使い分けるのが良いかなと思います。
また、編曲依頼したことない人は最初はSuper dolphinに依頼するのが安定です。
打ち合わせから納品までの流れを経験しておくと、ココナラでも失敗する確率が大分減ります。
知り合いに頼む
クオリティ | 人による |
価格 | プロだと7~10万円程度 |
曲の権利 | ほぼ譲渡 |
契約書 | 基本なし |
納品形式 | 人による |
発注後のキャンセル | 基本不可 |
昔からオーソドックスな依頼方法である知り合いに頼むです。
一番融通が利く一方で、頼む人は選ばないと失敗するので何とも難しいですね。
お互いある程度、経験があってわかってる場合は今でも一番有効な選択肢だと思います。
ちなみに職業作家の方々と知り合いになる方法は主に以下のパターンがあります。
- 仮歌など仕事を通じて知り合う
- 専門学校、音楽教室に習いに行って知り合う
- 音楽関連の友達からの紹介
僕は仮歌の仕事を通じて知り合った方に頼んでました。
その知り合いの方々に聴くと、専門学校・音楽教室の生徒さんから編曲依頼されるケースは割と多いらしいです。
一方で今はココナラ、Super dolphinなど便利なサービスがあるので、無理に知り合いに頼む理由もないかなと感じます。
価格も別に安くはありませんしね。
ただ、直依頼は他社にマージンを取られないので、リピートしてくれるよう打ち合わせ含めて丁寧にやってくれる方が多いです。
制作会社
クオリティ | プロレベルが多い |
価格 | 10~20万円程度 |
曲の権利 | ほぼ譲渡 |
契約書 | 会社による |
納品形式 | パラデータが多い |
発注後のキャンセル | 基本不可 |
最後は制作会社です。
最近は編曲家の増加に伴い、個人の依頼を請け負う制作会社も爆発的に増えたように思います。
正直なところ、個人のシンガーソングライターだと制作会社に依頼するメリットはほとんどないかなと思います。
企業間同士だと、契約や納期などのリスクヘッジも兼ねて制作会社を通すメリットはあります。
個人であればココナラとかSuper dolphinを利用したほうがリーズナブルですし、クオリティもほとんど変わらないです。
編曲依頼に関するまとめ
- DAWを使ってクリックに合わせたデモ音源を作ろう
- 参考曲は似ている楽曲よりは音色や楽器構成が近いものを探そう
- 低予算ならココナラ、安心感があるのはSuper dolphin
ぎたすけ
たけしゃん
オリジナル曲の編曲依頼についての解説でした!
最近は個人でもハイクオリティなMVをYouTubeをアップする人も大分増えました。
なので、ミュージシャンにおいても編曲・ミックス・MV作成などを適切に制作依頼するスキルはかなり重要になっています。
専門家に丸投げしたいと思っちゃいますが、低予算だとそうもいかないので勉強する姿勢が大事ですね。
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