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L.R.Baggs Para Acoustic D.I.

エレアコ用プリアンプ兼DIのベストセラー、L.R.Baggs Para Acoustic D.I.。通称パラアコです。
エレアコ用プリアンプといえば、これ!というくらいに定番の製品ですね。

原音のままキレイに音を増幅してくれるため、パラアコがあるだけで安定感が大分違います。
エレアコでのライブが多い人はぜひ、持っておきたいアイテムですね。
まずはパラアコの製品仕様と使い方を細かく解説していきます。
飛ばしてレビューを読みたい方は<パラアコをレビュー>を参照ください。
製品仕様と使い方の目次
EQ(イコライザー)

パラアコは4バンドのEQを搭載しています。
それぞれのノブが担当する帯域は以下の通りです。
名称 | 帯域 |
LOW | 85Hz |
MID | 400Hz to 1.6kHz ※ノブで担当帯域を変更可 |
PRES | 5kHz |
TREB | 10kHz |
MIDだけ、別のノブで担当する帯域を変更できるようになっています。

パラアコのEQは効きもよく、使いやすいですね。
各帯域の調整について、公式マニュアルや筆者の経験をもとにざっくり書くと以下の通りです。
名称 | 主な用途 |
LOW | 低音域が膨らむときにカットする 筆者は10〜11時にすることが多い |
MID | エレアコの設定で一番大事 .4をブーストすると暖かい音になる .8~1.2を少しカットすると有効なことが多い |
PRES | 高音域がうるさい時はカット 鳴りが弱いときはブースト 筆者はあまりいじらない |
TREB | エアー感を調整する帯域 筆者はあまりいじらない |
自身のエレアコや会場によって、色々試してみましょう。
筆者の経験上ではLOWとMID(.8から1.2の間くらい)を少しカットすることが多いかなという印象です。
逆にブーストはあまり使いません。
また、ライブ会場ではPAさんがミキサーでもEQを調整するため、パラアコのEQ設定をいじるときはPAの方に伝えましょう。
ノッチフィルター

ノッチフィルターは主にハウリング対策で使うノブです。
98Hz〜247Hzの帯域をブースト・カットできます。
右上のADGBノブは調整する帯域を選択するものです。

ノッチフィルターは以下の手順で使います。
NOTCHのタブを+方向に振り切る

ADGBノブを回して、ハウリングが最大になるポイントで固定する

NOTCHを-方向に絞って、ハウリングが収まるポイントを探す

ちなみにハウリング対策以外にも、普通にEQとして活用することも可能です。
ただ、筆者はEQとしてはほとんど使っていません。
フェイズスイッチ

パラアコのINVERTスイッチは位相を反転させるフェイズスイッチです。
位相を反転させることで、低域部分のフィードバックを抑えてハウリングを抑制することができます。
NOTCHより手っ取り早くハウリングを対策できますが、音も少し変わってしまいます。
ただ、バンド編成の時は位相を反転させることで音が埋もれにくくなったりもするので、割と有効だったりします。
GAIN

パラアコのGAINを設定するつまみです。
このGAINの設定が地味に重要なので、ちゃんと設定しましょう。
GAINはギターからの入力信号をどれだけ増幅するかを決めるパラメーターです。
GAINが低すぎると音量を上げた際にヒスノイズが目立ちやすくなり、GAINを上げすぎると音が歪みます。

そして、ピックアップによって最適なGAINは異なります。
そのため、予めよく使うピックアップに合わせて、GAINを設定しておくことが大事です。
公式マニュアルにピックアップ別のGAIN設定が記載されているため、確認して設定しましょう。

他社製のピックアップを使うときも、この表を参考に微調整すると良いでしょう。
DI

パラアコはプリアンプだけでなく、DIを兼ねる製品です。
DIは楽器をミキサー(コンソール)などに接続する際に、インピーダンスを合わせるアイテムです。
インピーダンスを合わせることで、高音域の減衰やノイズの抑制を抑えることができます。
ライブハウスでは必ずと言っていいほど、エレアコ用にDIが設置されています。
ライブハウスで定番のDI
パラアコもDIなので、インピーダンス変換やバランス接続に変換する機能がついています。
具体的にはパラアコをライブハウスで使う際は下図のように接続します。

ミキサーへの接続がXLR端子になることでバランス接続に変わり、長い距離ケーブルを這わせてもノイズに強くなります。
もちろん、1/4″アウトの端子でアンバランス接続のまま、ミキサーに送ることもできます。

また、XLRアウトと1/4″アウトは同時使用できるので、XLRをミキサー、1/4″をギターアンプに送ることも可能です。
なお、DIは二重接続できないため、パラアコを使う場合は会場の備え付けのDIは外してもらいましょう。
PAさんに自分のパラアコを使うと言えば通じます。
ちなみにパラアコは9V電池で駆動し、ファンタム電源も供給できます。

電池駆動なので、どこでも手軽に使えます。
パラアコをレビュー

それでは、パラアコを細かくレビューしていきます。
初めに箇条書きでまとめると以下の通りです。
僕も長年パラアコを使っていますが、非常に良いです。
弾き語りだといろんな環境で演奏するため、パラアコを持っておくと安心です。
一方で最近はエレアコ用プリアンプも大分増えたので、違いをちゃんと理解しておくといいですね。
レビューの目次
パラアコがあると出音が安定する

パラアコを導入する1番のメリットは出音の安定です。
弾き語りで活動していると、色んな環境で演奏するため、場所によってはペラペラな音になったり、低音が膨らんだりと結構大変なんですよね。

そこでパラアコを間に通すだけでも、大分出音は安定します。
また、スタジオや自宅での配信などでもパラアコがあると安心ですね。

スタジオでもミキサー距離が遠い場合など、ミキサーで音量をガッツリ上げるとノイズが気になることがあります。
パラアコを間に挟んで音量を上げつつ、バランス接続でミキサーに送ると音が大分安定します。
また、自宅でエレアコを繋ぐ際もヒスノイズが気になる場合はオーディオインターフェイスの前にパラアコを挟んでみましょう。

パラアコ側で十分に音量を稼いで、XLRでオーディオインターフェイスに送るとヒスノイズを抑えられます。
EQの効きが良い

パラアコのいいところはEQの使い勝手が良い点です。
各帯域でしっかり効いてくれる上にMIDで効かせる帯域を細かく選べるので使いやすいです。

また、弾き語りの場合は音響担当がいない現場も多いので、足元でEQを調整できると安心です。
ピエゾのハウリングもEQやノッチフィルターを調整することで大体対応できます。

パラアコを挟んでおくと、自分でなんとかできることが多くなるので対応力が上がります。
なお、ピックアップにEQ調整機能がついている場合はピックアップ側はフラットにしましょう。

ピックアップ側とパラアコ側の両方でEQを変えると、わけがわからなくなりがちです。
パラアコ側だけで設定した方が安定します。
原音を大きく変えることはできない

パラアコは原音を忠実に増幅するタイプのプリアンプです。
シミュレート系のプリアンプのような原音を大きく変える機能はありません。
出音のばらつきや音痩せであればパラアコで解決できることも多いですが、ピエゾ臭さの払拭など原音を変える対応は厳しいです。

原音を変えたい場合はシミュレート機能が付いているプリアンプを選択しましょう。
同じL.R.BaggsだとVOICEPRINT DIがシミュレートした音に大きく変えるプリアンプです。

サンプル音の通りでVOICEPRINT DIはかなり強力に音が変化します。
ピエゾやマグネットでいかにもエレキギターっぽい音になる場合はVOICEPRINT DIを試してみましょう。
逆に原音をそのままキレイに増幅させたい場合はパラアコのほうが適しています。
あなたの用途に合わせて、適切なアイテムを選択しましょう。
L.R.Baggs Venue DIとの比較

最後は後から発売された、L .R .Baggs Venue DIとの比較です。
Venue DIはパラアコから以下の点が変わった製品です。
- クリーンブースターの追加
- チューナーの追加
- ミュート機能の追加
- センドリターンの追加
- グランドリフトの追加
- 5バンドEQになり、更に細かく調整可能
なかなかに多機能になっています。
主にはギタリストの方が喜びそうな機能が追加されていますね。

パラアコだとセンドリターンはFX LOOP端子にYケーブルを使う必要がありましたが、Venue DIはセンドリターンの端子がついてます。

空間系のエフェクターを使う人はVenue DIの方が便利ですね。
また、シンガーソングライターにとってもチューナーとミュート機能の追加はありがたいです。

バンド編成でやる場合などはクリップチューナーだと安定しないので、ペダルチューナーは持っていたいですからね。
このように基本的には後発のVenue DIの方が便利です。

昨日の追加以外でも、つまみの調整など基本的な作りもブラッシュアップされています。
一方で価格もパラアコは22,000円程度、Venue DIは39,000円程度とそれなりに差があります。

弾き語りだと、Venue DIにするメリットはミュート・チューナー機能くらいなので、コスパ的には微妙なところです。
僕自身もチューナーを別で買って、それで事足りています。

予算があれば、Venue DIの方が便利ですが、弾き語り中心の方はパラアコで問題ない人が多いですね。
L.R.Baggs Para Acoustic D.I. まとめ

- 長年売れ続けているエレアコ用プリアンプ
- 原音を忠実に増幅してくれる
- EQの使い勝手もよく、1台持っておくと安心
ぎたすけ
たけしゃん
パラアコのレビューでした。
僕も長年使ってますが、カフェやスタジオなどでも出音が安定するので重宝しています。
エレアコでライブする機会が多い人は1台持っておくと安心です。
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