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ワイヤレスマイクの選び方
最近は音楽ライブ、イベント、会議など色んな場面で使われているワイヤレスマイク。
個人でも導入してみたいという方は多いと思いますが、使い方や選び方がよくわからない人も多いはず。
たけしゃん
ただ、知っておくべきポイントを押さえておけば、意外と導入は簡単です。
まずは個人でワイヤレスマイクを導入する際の選び方、注意するポイントを解説していきます。
ワイヤレスマイクの選び方
送信機と受信機が必要
ワイヤレスマイクを使うには送信機と受信機が必要です。
送信機単品でも売っていますが、受信機がないと使えないため、セットの商品を選びましょう。
なお、基本的には送信機1台に対して、受信機1台必要です。
複数本のマイクで使う場合は同じ数の受信機が必要となります。
ただし、1台の受信機で2本のマイクを使えるデュアルタイプも存在します。
このへんは必要になる本数を想定した上で適した製品を選びましょう。
なお、よく製品仕様に書いてある「同時使用台数」は同時に使用できる送信機と受信機のセット台数です。
仮に6台なら送信機×受信機6セットまで同時に使用できるという意味になります。
受信機1台で送信機6台使えるわけでないので注意してください。
B帯と2.4GHz帯
ワイヤレスマイク選びで一番重要なのが、使用する帯域です。
ワイヤレスシステムには4つの帯域がありますが、音楽用途で使用するのはB帯か2.4GHz帯です。
帯域 | 概要 |
A帯 | 陸上移動局免許が必要な帯域 放送事業や大型イベントで使う |
B帯 | プロ仕様の製品で一般的な帯域 混信が少なく音切れしにくい |
C帯 | 音質は悪いが電波が遠くまで届く 音楽用途では使わない |
2.4GHz | Wi-FiやBluetoothでも使う帯域 音質はいいが、混信や障害物による 音飛びのリスクはやや高め |
僕はB帯と2.4GHz帯の製品を両方持っていますが、まず僕の結論は以下の通りです。
- 本格的なライブ活動に使うならB帯
- セッションやトークで使うなら2.4GHz
結論はこれですが、B帯と2.4GHz帯の違いを細かく解説していきます。
まず、2.4GHz帯ですが、メリット・デメリットは以下の通りです。
2.4GHz帯は安価で手軽に使える点がメリットです。
有線マイクに後付けする仕様のものが多く、普段使っているマイクをワイヤレス化できる点も良いです。
受信機もコンパクトかつ、ケーブル不要でミキサーに取付できるものが多いです。
また、2.4GHzだとデジタルが主流なので、有線と違いがわからないレベルの音質です。
一方でBluetoothやWi-Fiと同じ帯域を使用するため、混信などによる音飛びのリスクがあります。
実際にスタジオやライブハウスで使ってみると、数時間に1回程度は一瞬の音飛びが発生していました。
対して、B帯はやや高価で受信機に対応した専用の送信機(マイク)が必要となるものが主流です。
また、B帯の受信機は据え置きタイプが主流で、接続にはXLRケーブルと電源アダプタが必要です。
その分、混信などによる音飛びのリスクは低いです。
僕が使っている範囲では、B帯で音飛びが発生したことはほとんどないですね。
そのため、人前でのボーカルライブで使っていくことを考えると、B帯の製品をおすすめします。
新スプリアス規格
ワイヤレスは電波法によって、発生させる特定電波の許容値(スプリアス規格)が定められています。
その規格が新しい「新スプリアス規格」に近々変更される予定です。
そのため、新スプリアス規格に対応していない製品を買うと、いずれ国内では使用できなくなります。
大手メーカーの製品はほぼ対応していますが、昔の製品や海外の並行輸入品の中には非対応製品があるので注意しましょう。
アンテナと通信方式
ワイヤレスシステムは製品によって、アンテナと通信方式の仕様が異なります。
まずアンテナは内蔵タイプと外付けで付け替え可能なタイプに分かれます。
どこのメーカーも内蔵タイプのほうが安く、付け替え可能なタイプは上位モデルになっています。
付け替え可能だと、会場の広さや設置場所に合わせてアンテナを選べるので対応力は高くなります。
また、通信方式は下記2種類のどちらかが多いです。
通信方式 | 概要 |
ダイバーシティ | 2本のアンテナを搭載し 双方を利用して通信を安定させる |
トゥルー ダイバーシティ | アンテナ毎に独立した回路を使用 強い電波の回路を選択する方式 |
下位モデルが(アンテナ)ダイバーシティ、上位モデルがトゥルーダイバーシティになっているメーカーが多いです。
トゥルーダイバーシティ方式のほうが通信は安定しているようですね。
ただ、アンテナも通信方式も異なる仕様の製品をそれぞれ試しましたが、どちらでも安定していました。
僕も内蔵アンテナ・ダイバーシティ方式のSHURE BLX24を使っていますが、数百人キャパの会場で使っていても全く問題ないです。
なので、イベント業務などの用途でもない限りはあまり意識する必要はないと思います。
設定方法の違い
ワイヤレスシステムは周波数を設定し、受信機・送信機をシンクさせて使用します。
その周波数設定の方法が主に下記3種類に分かれます。
通信方式 | 概要 |
プリセット | 周波数設定されたプリセットの なかから選択する方式 |
スキャン | 使用可能な周波数を 自動でスキャンする方式 |
マニュアル | 使用する周波数を手動で設定 |
基本はプリセットとスキャンで設定する仕様になっており、マニュアルは中堅モデル以上のみ対応となっているメーカーが多いです。
僕も今のところはプリセットとスキャンだけで困ったことはないです。
大量のワイヤレスシステムを使うなど、高度な現場で使用するわけでなければ、マニュアルが必要になることはほとんどないと思います。
マイクカプセル
ワイヤレスマイクはハンドヘルド送信機にマイクカプセルが付いています。
どこのメーカーも高価なマイクカプセルは、上位のワイヤレスシステムのみ選択可能となっています。
なお、マイクカプセルを交換できる送信機もあり、マイクカプセル単品でも販売されています。
ただ、7万円くらいまでのワイヤレスシステムだと、カプセル交換できない送信機が多かったです。
ちなみにSHUREはシェア率が高いのもあり、他メーカーからもSHUREワイヤレス互換のマイクカプセルが販売されていたりもします。
ワイヤレスマイク おすすめ 5選
それでは、おすすめのワイヤレスマイクを5製品紹介していきます。
全部、実機をリハーサルスタジオやライブハウスで試したので、その所感も解説します。
選出基準は「ボーカルが個人で所有するワイヤレスマイク」という観点で選んでます。
もちろん、トークやプレゼンテーションなどのイベントでも使えます。
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SHURE BLX24/B58
マイクタイプ | ダイナミックマイク |
同時使用台数 | 6台 |
到達距離 | 91m ※使用環境による |
通信 | B型(免許不要) |
電池寿命 (送信機) | 単三電池 2本 最大14時間 |
重量 | マイク:218g(電池含まず) レシーバー:241g |
ライブ用ワイヤレスで定番のSHUREからBLX24/B58。
B帯ワイヤレスの中では安価ながらも、プロでも定番のBETA58Aのマイクカプセルを選択できる点が強いです。
通信はB帯を利用しているため、非常に安定しています。
加えて、オートスキャンで設定できるため、初心者でも簡単に取り扱えるようになっています。
マイクカプセルはBETA58A、SM58、PG58から選択可能です。
型番 | 実売価格 |
BLX24/B58 | 58,000円程度 |
BLX24/SM58 | 47,000円程度 |
BLX24/PG58 | 39,800円程度 |
業界標準的なマイクであるSM58に加えて、上位モデルのBETA58Aを選択できるのが良いですね。
僕もBETA58Aを使用したBLX24/B58を使ってますが、高音域の抜けが良くて歌いやすいです。
なお、BLX24の送信機はマイクカプセルの交換はできないため、購入時にしっかり検討しましょう。
また、マイクを2本使う方は受信機1台で送信機2本使える、BLX288シリーズを選択しましょう。
定番のSHUREだけあって、非常に使いやすく、品質も良いです。
初心者の方から、本格的なライブ活動に使用する人までおすすめできる鉄板のワイヤレスマイクです。
SENNHEISER XSW 1-825
マイクタイプ | ダイナミックマイク |
同時使用台数 | 7台 |
指向性 | カーディオイド |
周波数帯域 | JB: 806 – 810 MHz |
通信 | B型(免許不要) |
駆動時間 (送信機) | アルカリ単三電池2本 約10時間 |
重量 | マイク:245g レシーバー:340g |
SHUREと並んでワイヤレスマイクで定番のゼンハイザー。
そのエントリーモデルがXSW 1-825です。
B帯の中では、低価格で設定も非常に簡単です。
また、XSW 1シリーズはSHUREのBLX24と比べて、やや機能面が豊富です。
例えば、BLX24だとマイクの感度は0dB、-10dBのどちらかですが、XSW 1-825は-20dB、-30dBも選択できます。
dB | 使用例 |
0dB | ボーカル |
-10dB | ラウドボーカル |
-20dB | インストルメント |
-30dB | ブラス |
他にもマイク側にミュートスイッチやディスプレイがついています。
そのため、イベント用途ではBLX24よりは使い勝手が良いですね。
マイクカプセルはエントリーモデルのダイナミックマイクe 825が採用されています。
高音域の解像度などが、BLX24/B58などと比べると弱いですが、ボーカルマイクの及第点は十分取れています。
価格の割に機能面が充実しているため、イベントやプレゼン用途などでも便利です。
SENNHEISER XSW 2-835
マイクタイプ | ダイナミックマイク |
同時使用台数 | 7台 |
指向性 | カーディオイド |
周波数帯域 | 50 to 16,000 Hz (–3 dB) |
通信 | B型(免許不要) |
駆動時間 (送信機) | アルカリ単三電池2本 約10時間 |
重量 | マイク:245g レシーバー:680g |
XSW 1-825の上位モデルに当たる、XSW 2-835です。
主な変更点はアンテナが外付けになり、通信方式がトゥルーダイバーシティになった点です。
通信方式 | 概要 |
ダイバーシティ | 2本のアンテナを搭載し 双方を利用して通信を安定させる |
トゥルー ダイバーシティ | アンテナ毎に独立した回路を使用 強い電波の回路を選択する方式 |
XSW 1-825に比べて、現場での対応力が強化されています。
また、スキャン、プリセットの他にマニュアルで周波数設定できるチューンモードが追加されています。
プリセットにない周波数を指定したい場合に手動で設定できます。
マイクカプセルはe 835が採用されているため、音質はXSW 1-825とほとんど変わらないです。
そのため、音質は変わらず、高度な業務にも対応できる仕様になったという感じです。
個人で所有する分にはXSW 1-825で十分と感じましたが、業務用途で使う人はXSW 2-835のほうが安心です。
SENNHEISER XSW-D XLR BASE SET
最大伝送距離 | 75m (最適な条件の場合) |
レイテンシー | <4 ms |
使用周波数帯域 | 2.4GHzデジタル伝送 |
駆動時間 | 約5時間(フル充電時) |
コンパクトでスタイリッシュなワイヤレスシステム XSW-D XLR BASE SET。
有線マイクに後付けするタイプなので、手持ちのマイクをワイヤレス化できる便利アイテムです。
ペアリングは工場出荷時に設定されているため、電源を入れるだけで設定が完了します。
受信機もワイヤレス仕様になっており、ミキサーにそのまま挿せば使える点も良いですね。
2.4GHz帯なので、B帯と比べると音飛びリスクはやや高いです。
実際にスタジオで使っていても、数時間に1回程度は一瞬の音飛びが発生していました。
その分、B帯よりは安価で手軽に使えるので、用途によっては非常に便利なアイテムです。
Xvive XV-U3
チャンネル数 | 6チャンネル |
最大伝送距離 | 27m(使用環境による) |
レイテンシー | 5ms未満 |
使用周波数帯域 | 2.4GHz ISMワールドワイド |
駆動時間 | 約5時間(フル充電時) |
重さ | トランスミッター:約90g レシーバー:約90g |
最後は1万円台で買える、リーズナブルなワイヤレスシステム Xvive XV-U3です。
安いですが、音も良く、通信の安定度も良好で普通に使えるアイテムです。
XV-U3も有線マイクに送信機を後付けできる仕様になっています。
XLR端子なら使えるため、マイク以外にもスピーカーなどでも使えます。
ワイヤレスの設定は送信機・受信機のチャンネルを合わせるだけです。
ただし、オートスキャン機能はないため、混信でノイズなど入る場合は別チャンネルに手動で変更しましょう。
混信しないチャンネルであれば通信の安定度もなかなかよく、数時間に1回音飛びする程度でした。
ルックスがいまいちですが、安価で手軽にワイヤレス化するには一番コスパが良いアイテムです。
ワイヤレスマイク まとめ
ワイヤレスマイクについての解説でした。
ライブ用途では、やはりB帯のワイヤレスマイクをおすすめします。
また、基本的にはSHUREかゼンハイザーをおすすめしています。
ボーカル用途のワイヤレスはこの2メーカーのシェア率が圧倒的で、現場に持ち込むときも安心だからです。
最近はアマチュアの方も積極的にワイヤレスマイクを導入しています。
気になっている方は、ぜひ本記事を参考に導入検討してみてください。
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