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EON ONE Compact-Y3
コンサート会場や映画館などプロの現場で高い評価を得ているメーカーJBL PROFESSIONAL。
そのメーカーの低価格で買えるコンパクトPAシステムEON ONE Compact-Y3。
これ1台で小規模イベントの音響周りは解決できる優れものです。
やれることをザックリと箇条書きにすると、以下の通り。
- ダイナミックマイク、コンデンサーマイクを接続可能
- ギター、ベース、キーボードなど楽器を接続可能
- Bluetoothでスマートフォンなどを接続可能
- dbx/Lexicon PRO製エフェクトを内蔵
- ヘッドホンを接続可能
- スマホやタブレットから専用アプリでコントロール可能
- スマホなどをUSB充電可能
- 内蔵リチウム電池で電源なしでも最大12時間駆動可能
すごい多機能ですね…。
音作りも大分細かくできるし、まさに小型PAシステムって感じです。
音質面、機能面的に申し分ないものの出力が大きいこともあり、本体がでかくて重いです(7.7kg)。
正直、ギター弾き語りのシンガーソングライターが個人で持つようなものじゃないですね。完全にオーバースペックです(苦笑)。
個人のシンガーソングライターが路上ライブや自宅で使うなら、YAMAHA THR30ⅡA Wirelessのほうが良いです。
出力は1/5程度ですが、機能的には大体同じことはできますし、サイズも1/3くらいです。
逆にカフェ、小規模ライブスペース、ダンス・ヨガ教室などを経営されてる方やイベンターやってる人にはEON ONE Compact-Y3のほうが適してますね。
EON ONE Compact-Y3なら、下記のようなイベントは全部1台でいけるはずです。
- 音楽ライブ(弾き語りやアコースティックユニット)
- セミナー
- ダンスイベント
- パーティー
- カラオケイベント
多機能な上に出力も150Wとポータブルアンプにしてはかなり大きめなので、イベント系は一通りなんでもこなせます。
それでは、EON ONE Compact-Y3の製品仕様から解説していきます。
仕様を飛ばしてレビューを読みたい方は<EON ONE Compact-Y3をレビュー>を参照ください。
製品仕様 目次
入力端子
- XLR・LINE両対応のコンボジャック2基
- 標準フォーン端子(2P)
- ステレオミニフォーン(※)
- Bluetooth対応
本体横にずらっと入力端子が並んでいます。
XLR・LINE両対応のコンボジャックはファンタム電源(CH1のみ)にも対応しているため、コンデンサーマイクも使用可能です。
なお、ハイインピーダンスの機器はCH3の標準フォーン端子が対応となっています。
エレキギターやベースなどを直接接続する場合は標準フォーン端子に接続しましょう。
音量や各種設定については本体のボタンやツマミで調整できますし、iOS・Android端末から専用アプリからも調整可能です。
JBL Compact Connect
Harman Professional, Inc.無料posted withアプリーチ
専用アプリの方が感覚的に操作しやすいのでおすすめです。
イベントで使う場合はイベント管理する人がスピーカー近くにいることはほぼないと思うので、遠隔操作できるのは楽でいいですね。
また、ライブイベントで使う場合は「弾き語り」「アコースティックユニット」向けという感じですね。
路上ライブ、カフェでのライブイベント、結婚式の余興なら十分すぎる性能になってます。
内蔵エフェクト
内蔵エフェクト
- 6バンドEQ、8バンド出力EQ(dbx)
- リバーブ(Lexicon)
- コーラス(Lexicon)
- ディレイ(Lexicon)
- Ducking(喋ったらBGMを下げる機能)
本体には業界内でも定番のdbx / Lexicon Proのエフェクトが搭載されています。
エフェクトの調整については本体にはトーン・リバーブを調整できる簡易的なツマミが用意されており、細かい調整は専用アプリからとなっています。
EQの調整は入力チャンネル単位の6バンドEQ、出力に8バンドEQがついてます。
6バンドEQ(入力チャンネル用)
8バンドEQ(出力用)
かなり細かく音の調整ができるようになってます。
加えて出力EQ側はイベント用途に合わせてプリセットが用意されているので、よくわからない人でも使いやすいですね。
空間系エフェクトも有名なLexiconなので、いい感じにかかってくれます。
設定項目はそこまで多くはないですが、調整するには十分です。
逆にわかりやすいので、使いやすいですね。
最後はDucking機能です。
接続したマイクや楽器に音を入力すると、ステレオミニやBluetoothで繋いだ端末の音量を自動で下げてくれる機能です。
BGMを常時流しておいて、MCが喋ったらBGM音量が自動で下がるという使い方が一般的でしょうね。
専用アプリから音量の下げ幅や元の音量に戻すまでの時間を細かく設定することができます。
トークイベントなどでは、非常に便利な機能ですよね。
ちなみにアプリで設定した内容は本体に保存されるため、アプリと接続が切れても設定は保持されます。
またアプリ側のスナップショットというタブで作った設定を保存・呼び出し可能です。
さらには本体を縦置きするか横置きするかでチューニングを自動で最適化する仕組みも搭載されてます。
すごいですね…。
JBL Compact Connect
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駆動時間と出力
- 内蔵リチウム電池で最大12時間駆動
- リチウム電池の充電は急速充電で約2.5時間
- 出力150W
EON ONE Compact-Y3は電源アダプタでの電源供給以外に内蔵リチウム電池で駆動します。
内蔵リチウム電池は最大12時間の連続駆動ができる上に簡単に交換できます。
取手付きのネジを手で回すとフタが外れてリチウム電池が出てくる。
交換用のリチウム電池は1.2万円程度で購入可能です。
野外イベントなど電源がないところで活用する場合は予備電池も用意しておくと安心ですね。
あと、USB端子からスマホなどを充電できるようになっています。
定格出力2A、1Aの2つが用意されています。
コントロール用のスマホやタブレットが充電切れになったときは緊急で充電可能です。
また、パワーアンプの出力は150Wと小型にしてはかなり大出力です。
音量もかなりの大音量が出るので、イベント利用では音量不足の心配もなく安心です。
逆に自宅で使うと、音量絞らないとデカイので注意です。
付属品と保証期間
付属品は和文取扱説明書と電源コードです。
電源コードは三芯タイプなので、必要に応じて変換アダプタを用意しましょう。
和文取扱説明書についてはヒビノが制作しているものなので、サウンドハウスなどで購入した場合に付属するか不明です。
ヒビノ取扱製品は型番の最後にY3がつくので和文取扱説明書が必要な人はEON ONE Compact-Y3を購入しましょう。
また、EON ONE Compact-Y3については保証期間が3年(内蔵電池は2年)となっています。
購入先は自由ですが、商用として保有する方はサポートにも定評があるヒビノ取扱品が安定かなと思います。色んな用途で使うなら和文取扱説明書もあったほうがいいですしね。
EON ONE Compact-Y3をレビュー
それでは、具体的にEON ONE Compact-Y3をレビューしていきます。
最初にレビュー内容を箇条書きでまとめるとこちら。
- 路上ライブ用で個人が買うにはオーバースペック
- イベンターやカフェ・各種教室など小規模商用向け
- スピーカーの音質や出力は良好。小規模イベントなら万能に対応できる
- 内蔵電池で駆動するため、野外イベントにも向いてる
- 電車で持ち運びは辛いので車推奨
とまあ、こんな感じです。
僕自身、路上ライブ・結婚式の余興・カフェやレンタルスペースに機材持ち込んでの自主企画ライブなど一通りやってます。
その経験からいくと、個人が持つにはオーバースペックです。
一方で6.3万円くらいなので安いんですよね。
結局、余興やレンタルスペースでのイベント用にアンプ買うと4〜5万することが多いので、保管スペースや移動手段で問題ない人はオーバースペックでも買っちゃった方がいいんじゃないかと。
イベントで使うアンプや機材って大は小を兼ねますからね。
レビューの目次
個人が買うにはオーバースペック
EON ONE Compact-Y3は多機能で便利ですが、デカくて重いです。
そのため、普段の自宅での置き場所に困ります…(苦笑)。
※本棚の上にポンとおけるようなサイズではない…
また、出力も大きいため自宅で使うには音量もかなり絞る必要があります。
路上ライブで使うにしても、出力はもっと低くても問題ないので個人レベルだと完全にオーバースペックな製品です。
重量も7.7kgとそれなりに重いので電車移動で持ち歩くのはかなり辛いです。
特に路上ライブの場合はギターやマイク、マイクスタンドなども一緒に持ち歩きますからね。
一方でバックパックタイプの専用ケースが別売りで用意されているので、楽器ない人なら担げば問題なさそうではあります。
一方でカフェとかレンタルスペース、野外イベントなどにはちょうどいい製品です。
出力や機能面で申し分ないですし、リチウム電池で動くので電源がないところでも使えます。
僕もレビュー用でお借りしたものの、この製品は僕じゃないな…と思っちゃいました(苦笑)。
店舗を持っている方やサークルなど運営されるイベンターさんが検討すべき製品ですね。
音質は低音域強めでパワーがある
スピーカーの音質は低音域がちゃんと出ていて、パワーがあります。
中高音域もちゃんと出ているので、バランスも良いし、スマホから音楽を流すと聴き心地も上々です。
本体で音量調整するときは回すと緑の量が変化するので、緑の量で音量を確認します。
本体側での音量調整も微妙にわかりづらいので、スマホかタブレットで音量調整したほうが良いですね。
一通り使った感じは本体操作しなければいけないものは電源のON/OFFくらいです。
逆にアプリじゃないと設定できない項目は結構多いので、基本はアプリ操作中心にするのが良さげですね。
ちなみに出力が大きいので、8畳の自室だと音量を7割くらいまで上げると結構な爆音になってました。
7割くらいまで上げた感じでは音が歪んだり、割れることなくキレイに出力されてたのでカフェとか広めの会議室程度なら音量的には楽勝だと思います。
また、EQの調整もいい感じですね。
入力用のEQの他に出力用のEQも用意されているので、チャンネルごとの微調整から出音丸ごとの調整まで簡単にできます。
小規模イベント用のスピーカーとしては音質・機能面的に申し分ないですね。
価格も6.3万円程度なので、かなりいい感じです。
スマホ・タブレットの遠隔操作が便利
EON ONE Compact-Y3はBluetooth経由でiOS、Andorid端末からコントロール可能です。
用途的にもスピーカーをコントロールする人はスピーカーから離れていることが多いと思うので、遠隔操作できると便利なんですよね。
専用アプリのUIもキレイでiPhoneでもiPadでも見やすい作りになっています。
iPhone
※iPhoneは横表示のみ対応
iPad
JBL Compact Connect
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iPadの方が画面が大きいので、コントロールは楽ですが、iPhoneでも全く問題ないです。
ちなみに複数端末での同時接続はできません。
1つの端末が接続していると、他の端末ではEON ONE Compactを認識できなくなります。
また、接続したスマホ・タブレットから音楽を流す際はEON ONE Compactの音量とは別で端末側の音量調整機能も有効になってます。
CH4の入力音量、出力のマスターボリュームを上げても小さいと感じる場合は端末側の音量が小さくないか確認しましょう。
8畳の部屋だと、70%くらいの時点で爆音レベルにはでかいです。
あと、本体上部に端末を設置できるくぼみが作られています。
スマートフォンやタブレットを設置できるようになってますが、9.7インチのiPadは大きくて設置できませんでした。
iPad設置できないのは残念でしたね…(苦笑)。
まあ、店舗やイベントスペースでは管理者の側に端末置いとくだろうから設置できなくても、あまり問題はありません。
多目的イベントを開催する人向け
EON ONE Compact-Y3は音楽ライブも含めた、多目的イベントを多数開催する人向けです。
もしくはダンス・ヨガインストラクターなど日常的にスピーカーが必要な人とかですね。
入力端子やエフェクトなど音楽ライブで活躍するのはもちろん、喋るとBGM音量を自動で下げるDuckingとかはセミナーやトークイベントで大活躍しそうな機能なんですよね。
Bluetoothでスマホと接続できるため、店舗で日常的にBGM流すスピーカーとしても使い勝手がいいです。
教室や店舗経営でスペースを持っている人、サークルなどでイベントやる人は1台持ってると、何かと便利そうな製品です。
EON ONE Compact-Y3 まとめ
- 多目的イベントに使えてリチウム電池でも動くポータブルPAシステム
- iOS、Androidの専用アプリで遠隔操作可能。エフェクトも優秀
- 個人が所有するにはでかいし、オーバースペック。イベンターや店舗向け
ぎたすけ
たけしゃん
EON ONE Compact-Y3のレビューでした!
今や6万円くらいで、こんな多機能かつ出力でかいPAシステムが売ってるんだなと驚きました。
しかも、リチウム電池で充電して使えますし。
選択肢が増えている分、購入ユーザーは自身に必要なスペックがどのくらいかをちゃんと考える必要がありますね。
高性能なの買っとけば間違いはないものの、普段の置き場所とか移動手段とかに制約が生まれるので、その辺も考慮して買う製品を考えましょう。
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