USBマイクとオーディオインターフェイスの仕組みを解説。XLRマイクとの違いを理解しよう

AT2020USB+とAT2020

ぎたすけ

USBマイクとオーディオインターフェイスって、ただ接続して使うだけなんじゃないの?

たけしゃん

USBマイクはオーディオインターフェイスに接続できないんだよね。このへんをちゃんと理解したほうがいいね
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音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

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ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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USBマイクとオーディオインターフェイスとは

HyperX DuoCast LEDブルー

まず、USBマイクとはUSB接続できるマイクを指します。

普通のマイクはXLRという端子が採用されています。

USB端子とXLR端子

ミキサーやオーディオインターフェイスといった音響機器はXLRが標準なので、USBマイクは使えません。

逆にUSBマイクはマイク単体でPCやゲーム機と接続できます。

続いて、オーディオインターフェイスはXLRマイクや楽器をPCなどに接続するための機械です。

Universal Audio Volt 476P

楽器の接続以外にも、機種によって様々な機能が搭載されています。

そして、USBマイクの仕組みをザックリ言うと「マイクとオーディオインターフェイスを一体化したもの」になります。

例えば、YAMAHAのUSBマイクAG01はXLRマイクYCM01とAG03MK2を一体化させたような製品です。

YAMAHA AG01 BK 正面
YAMAHA AG01
YAMAHA AG03MK2 ブラックとYCM01
YCM01とAG03MK2

USBマイクは内部にオーディオインターフェイスが入っているため、直接PCに接続できるわけですね。

一方で二重接続となるため、USBマイクは別のオーディオインターフェイスには接続できません。

補足

後半の章で変換して接続する方法も解説しますが、あまりおすすめしません

USBマイクは手軽で便利ですが、音響機器に接続できないため、拡張性がありません。

なので、購入する際は用途を明確にする必要があります。

ここからはUSBマイクとオーディオインターフェイスの違いについて掘り下げて解説していきます。

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USBマイクとオーディオインターフェイスの違い

audio technica AT2020USB-X 通常時

まず、箇条書きでUSBマイクとオーディオインターフェイスの違いを書くと以下の通りです。

USBマイク
オーディオ
インターフェイス
  • 省スペースで使える
  • 単体でPCに接続できる
  • 機能面はシンプル
  • 音質はそこそこ
  • プロレベルの製品もある
  • 機能や拡張性が優れている
  • マイクと別売り
  • 設置スペースを取る

ザックリ言うとUSBマイクは手軽で便利に使えます。

対して、オーディオインターフェイスは音質や機能面で充実しています。

用途に合わせた選び方だと、下記のような選び方が良いでしょう。

タイプおすすめの用途
audio technica AT2020USB-XをAT8455でマイクアームに取付
USBマイク
テレワーク
雑談配信
ゲーム配信
YAMAHA AG03MK2 ブラック
オーディオ
インターフェイス
歌ってみた
音楽制作
歌配信
高度な配信

音楽系の用途だと、やはりオーディオインターフェイスのほうが優れています。

逆に会議や雑談なら、USBマイクで十分です。

ここからはUSBマイクとオーディオインターフェイスの差を具体的に解説していきます。

音質差

Babyface Pro FSの入出力端子

まず、USBマイクとオーディオインターフェイスを比べると、音質に差があります。

AD/DAコンバーターやマイクプリアンプといったアナログパーツの品質に差があるためです。

Universal Audio Apollo Twin MKII

やはり、オーディオインターフェイスのほうが優れたパーツを使っている製品が多いです。

価格もUSBマイクは数千円から数万円程度ですが、オーディオインターフェイスは高いものだと数十万円するものもたくさんありますからね。

ただ、ここ数年でパーツの質が良いUSBマイクも登場しています。

audio technica AT2020USB-Xなどは1万円台ですが、かなり音もいいです。

audio technica AT2020USB-X

最近だと予算1~2万円であれば、USBマイクでもオーディオインターフェイスでもあまり差はないかなと感じます。

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機能面の差

YAMAHA AG03MK2 ブラック

続いて、機能面の差です。

USBマイクは簡素に作られているものが多く、ボリューム調整しかできない製品も多いです。

対して、オーディオインターフェイスは機能面も豊富な製品が多いです。

配信でスタンダードなYAMAHA AG03MK2はエフェクトやループバックなど、色んな機能がついています。

YAMAHA AG03MK2 ブラックの下部
ループバック

PCで再生したBGMなどを配信に流せる機能

また、オーディオインターフェイスは接続端子も多数用意されており、拡張性が高いです。

マイク、楽器などをたくさん接続できますし、製品によってはヘッドセットやオーディオプレイヤーも接続できます。

MOTU UltraLite mk5 背面
高級製品などは端子がものすごく多い

あとから色んなことをやりたくなったときに対応できるのは、やはりオーディオインターフェイスです。

ただ、最近ではYAMAHA AG01のように機能面だけなら、オーディオインターフェイスと変わらないUSBマイクも登場しています。

YAMAHA AG01 BK 背面

とはいえ、マイク一体型なので、操作性や拡張性はどうしてもAG03MK2より劣ります。

YAMAHA AG03MK2 ブラック
AG03MK2は手元で調整しやすい

配信中に設定を色々いじりたい人はオーディオインターフェイスが安定ですね。

ASIOドライバ

MOTU UltraLite mk5 使っているところ

ASIOドライバは主にWindowsで使うオーディオ機器とOSを繋ぐソフトウェアのことです。

USBマイクはOS標準ドライバを使いますが、WindowsのOS標準ドライバは音の遅延やノイズの混入などイマイチなんですよね。

そこでWindowsの音楽制作用途では、音の遅延が少ないASIOドライバを用いるのが一般的です。

補足

MacはOS標準ドライバが優秀なので問題ない

このASIOドライバは楽器メーカー毎に独自に開発し、提供しています。

多くのメーカーはオーディオインターフェイスを買うと、メーカー公式HPから専用ソフトウェアをダウンロードできるようになっています。

Steinberg UR22C

対して、USBマイクでASIOドライバを用意しているメーカーは非常に少ないです。

そのため、WindowsではUSBマイクで歌ってみたなどの音楽制作をするのはかなり厳しいです。

Cubaseのミキサー画面
OS標準ドライバは認識しない音楽制作ソフトが多い

なので、歌ってみたや音楽制作で使う場合はオーディオインターフェイスをおすすめします。

ただ、最近はASIOドライバが用意されているUSBマイクも登場しています。

例えば、YAMAHA AG01はUSBマイクですが、専用のASIOドライバが用意されています。

YAMAHA AG01 BK 正面

そのため、WindowsでもUSBマイクで音楽制作できるようになってきてはいますね。

DTMをやっている環境ASIOを理解しよう。オーディオインターフェイス選びでよく失敗するドライバの罠を解説

USBマイクをミキサーやオーディオインターフェイスに繋げる方法

YAMAHA AG03MK2で録音しているところ

最後はUSBマイクをミキサーやオーディオインターフェイスに接続する方法です。

まず、本来の使い方であるUSB端子での接続はできません。

そこで選択肢は主に以下の2つです。

  1. 変換ケーブルを使って繋ぐ
  2. USBとXLR両対応のUSBマイクを買う

正攻法は②です。

①は無理やり接続する感じなので、紹介はするもののあまりおすすめはしません。

変換ケーブルを使って繋ぐ

3.5mm-6.3mm変換ケーブル

USBマイクはミキサーやオーディオインターフェイスに通常接続できませんが、変換ケーブルを使って無理やり接続することはできます。

まず、用意するのは3.5mm-6.3mmの変換ケーブルです。

変換ケーブルの3.5mm側をUSBマイクのイヤホン端子に接続します。

audio technica AT2020USB-Xのイヤホン
補足

安価なUSBマイクはイヤホン端子がないため、この接続方法は使えません

6.3mm側をオーディオインターフェイス側のコンボジャックもしくはLINE端子に接続します。

AG03MK2の入力端子
どっちでも大丈夫

音量が極端に小さい場合はインピーダンスがあっていないので、Hi-Zボタンを押してインピーダンスを変えます。

AG03MK2のHI-Z

あとはUSBマイクの電源を入れれば、AG03MK2側に音が送られます。

ただ、この接続方法はノイズに弱いので、環境などによっては電磁ノイズが入ります。

なので、できればXLRマイクを買って、ちゃんとXLRで接続することをおすすめします。

USB・XLR両対応のUSBマイクを買う

SHURE MV7

USBマイクの中にはUSB・XLRの両接続に対応した製品があります。

代表的な製品はSHURE MV7ですね。

SHURE MV7 横から
SHURE MV7のXLR端子とUSB端子
USBとXLRの両端子がある

このタイプの製品はXLR端子を利用することでミキサーやオーディオインターフェイスと接続できます。

普段のテレワークや雑談配信はUSBで接続し、音楽制作や歌配信はオーディオインターフェイスに繋ぐといった使い分けができます。

SHURE MV7 斜めから

XLRならミキサーにも接続できるため、リハーサルスタジオなどでも使用できます。

USBマイクとオーディオインターフェイス まとめ

HyperX DuoCast
  • USBマイクはマイクとオーディオインターフェイスを一体化したもの
  • 音楽制作や歌配信はオーディオインターフェイス、雑談・ゲーム配信ならUSBマイクがおすすめ

ぎたすけ

なるほど。高度なことやりたいならオーディオインターフェイスがいいんだな

たけしゃん

そうだね。ただ、以前に比べるとUSBマイクも高機能化してるから、USBマイクで十分なことが多いね

USBマイクとオーディオインターフェイスについての解説でした。

購入する段階で違いを理解しておかないと、後から買い直しとなるので注意が必要です。

迷ったら、XLRマイクとオーディオインターフェイスが間違いないです。

配信関連ならAG03MK2を買っておけば、大抵のことはできますからね。

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