ぎたすけ
たけしゃん
サンプル音(Gibson J-45)
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L.R.Baggs Anthem
アコースティックギター用のピックアップ L.R.Baggs Anthem。
ピエゾとマイクをブレンドすることで、アコギらしい音を出力できるデュアルタイプのピックアップです。
Anthemを付けたギターはサウンドホールにコントローラーが出ます。
そのため、Anthemを採用しているギターはすぐわかりますが、かなり多くの有名アーティストが使用していますね。
Anthemはピエゾとマイクの音量バランスを調整できるので、弾き語り・バンドなど編成に合わせて音色を調整できるのが良いです。
まずはAnthemの製品仕様から解説していきます。
仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<Anthemをレビュー>を参照ください。
製品仕様 目次
マイクとピエゾのデュアルタイプ
Anthemはマイクとピエゾの両方で収録した音を出力するデュアルタイプのピックアップです。
ギター内部にマイク・ピエゾのそれぞれを取付します。
マイクであるTru-Micは250Hz以上の帯域をカバーしています。
そして、アンダーサドルピエゾであるElementは下から上までの帯域をカバーしています。
そのため、ピエゾ側の音量を絞っても、200Hz以下の音だけは残る仕様になっています。
逆に250Hz以上の帯域はピエゾとマイクのバランスを自由に調整できます。
プリアンプ
Anthemはプリアンプが内蔵されたアクティブタイプのピックアップです。
プリアンプを介してマイクとピエゾの音をブレンドして出力することができます。
プリアンプのコントローラーはサウンドホールに取付され、ボリューム以外にも様々な機能が付いています。
バッテリーチェッカーもついており、スイッチを長押しするとバッテリー残量に応じてランプが点灯します。
なお、プリアンプの電池は9V電池です。
ライブの頻度がよほど多くない限りは数年持ちます。
適当な電池を使うとノイズの原因になるので、楽器用電池で定番のデュラセルを使うことをおすすめします。
Anthem SLとの違い
Anthemには機能を一部簡略化したAnthem SLという製品があります。
Anthem SLになると以下の2点が変わります。
- プリアンプコントローラーの調整できる項目が減る
- ピエゾが200Hz以下のみ担当となる
まず、Anthem SLはプリアンプコントローラーが「ボリューム」と「Tru-Micレベル」の2つのみになります。
ボリュームはピエゾとマイク全体のボリュームです。
Tru-Micレベルはマイクだけのボリュームで、設定を変えるにはプラスドライバーが必要です。
また、Anthem SLは200Hz以下はピエゾ、250Hz以上はマイクと担当が完全に分かれています。
そのため、Anthem SLだとマイクを絞ってピエゾ中心に調整するのは厳しいです。
マイクの音量をゼロにするとピエゾの低音域だけ残り、酷くこもった音になります。
そのため、バンド編成などハウリングしやすい環境で使う人はピエゾ中心でも使えるAnthemにしたほうが良いですね。
逆に弾き語りや小規模編成でしか使わない人はAnthem SLでも大丈夫です。
取付工賃の相場
Anthemの取付工賃の相場は8,000円~15,000円程度です。
デュアルピックアップなので、普通のピックアップよりはやや高いです。
ただ、楽器店に取付をお願いする場合はピックアップ本体を同じ店で買うことで工賃が安くなることもあります。
なお、Anthemはアンダーサドルピエゾなので、サドルが特殊だと取付できません。
例えば、GibsonのアジャスタブルサドルやMartinのロングサドルだと、サドルの換装が必要です。
ちなみに秦基博さんのGibson J-45はサドルを換装して、Anthemを取付しています。
J-45は一部ビンテージ仕様のものだと、サドルの換装が必要となります。
L.R.Baggs Anthemをレビュー
それでは、Anthemを細かくレビューしていきます。
はじめにメリット・デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。
まず、音はすごく良いですね。
マイクの出力を上げれば、エアー感も出てアコギらしい音になります。
デメリットは取付工賃も含めると、6~7万円してしまうことですね。
レビューの目次
アコギらしいエアー感ある音になる
Anthemの強みは音の良さですね。
マイクも入っているため、アンダーサドルピエゾでは実現できないエアー感ある自然なサウンドが作れます。
サンプル音(Gibson J-45)
このサンプル音はライン録りした音ですが、なかなか良いです。
ライブハウスなどでアンプから出せば、もっと自然で心地よい音になります。
ちなみにFISHMANのアンダーサドルピエゾはこんな感じの音です。
ピエゾだけだと、どうしてもエレキっぽい感じの音になりますね。
また、比較としてマイク&マグネットタイプのSKYSONIC WL-800JPのサウンドも聴いてみましょう。
Anthemと聴き比べて見ると、Anthemの音の良さがよくわかります。
アコギ用ピックアップの中でも、かなり良質なサウンドです。
ピエゾとマイクをブレンドできるのが便利
Anthemの良いところはピエゾとマイクを任意にブレンドできるところです。
編成によって、ブレンド比率を変えることで最適なサウンドを得ることができます。
弾き語りでは生音に近いサウンドが良いので、マイクを優位にすると雰囲気が出ます。
逆にバンド編成では、マイク優位だと音が埋もれる上にハウリングしがちです。
そのため、ピエゾの比率を高めて、バンド内でもアタック音はちゃんと出るようにすると良いですね。
シンガーソングライターだと弾き語りとバンドの両編成やるので、Anthemのように編成に合わせて音を変えられると非常に良いです。
なお、Anthemはピエゾの音をゼロにはできません。200Hz以下は残る仕様となっています。
そのため、マイク側に全振りしてもピエゾ感はそれなりに残ります。
また、パラアコなどのプリアンプでEQやNotchを調整すると、バンド編成でも割とマイク優位でいけます。
例えば、アコギだけでスタートしてサビからバンドサウンドになる曲では、マイク優位にしつつパラアコで調整すると良い感じになりますね。
アコギの状態で影響を受けやすい
筆者もAnthemを何年も使ってますが、普通のアンダーサドルピエゾと比べて、アコギの状態で影響を受けやすい印象があります。
気候の変化などでネックの状態が変わると、生音以上にピックアップの音が変化するんですよね。
生音は問題ないのに、ピックアップを通すと特定弦がビビったり、低音が回ったり…みたいなことが割とよく起きます。
なので、僕もピックアップの音が気になって、ギターを調整に出す機会が増えました。
アンダーサドルピエゾのときはそこまで気にしたことがなかったので、Anthemのほうがアコギの状態を正確に反映しているんだと思います。
もちろん、調整すると症状は直ります。
デメリットなのか微妙なところですが、Anthemを使う場合はギター本体を定期的にメンテナンスしたほうが良いですね。
L.R.Baggs Anthem まとめ
- Anthemはピエゾとマイクのデュアルピックアップ
- コントローラーでピエゾとマイクのブレンド比率を変えられる
- バンドでも弾き語りでも使える万能な製品
ぎたすけ
たけしゃん
L.R.Baggs Anthemのレビューでした。
プロの使用者も多いだけあって、音質や使い勝手はすごく良いピックアップです。
あいみょん、秦基博さん、星野源さん、miwaさんなどGibsonにAnthemを付けている人が多いですね。
アコギ用のピックアップを探している方はぜひ検討してください。
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