SENNHEISER XSW 2-835をレビュー。手軽に使える安定したワイヤレスマイクシステム

SENNHEISER XSW 2-835 マイクとレシーバー

ぎたすけ

ワイヤレスマイクって設定とか難しそうだよな

たけしゃん

XSW 2-835はオートセットアップ機能があるから、初心者でも簡単に使えるから良いよ
補足

ゼンハイザージャパン様より、デモ機をお借りしました

XSW 2-835の評価
音質
 (3.5)
使い勝手
 (5)
価格(68,200円程度)
 (4)
総合評価
 (4)
メリット
デメリット
  • 通信が安定している
  • 設定が簡単
  • ルックスが良い
  • 高音域がやや物足りない
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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SENNHEISER XSW 2-835

ゼンハイザーXSW2-835
マイクタイプダイナミックマイク
指向性カーディオイド
周波数帯域50 to 16,000 Hz (–3 dB)
通信B型(免許不要)
重量マイク:245g
レシーバー:680g
公式HP

ゼンハイザーの手軽に使えるXSワイヤレスシリーズのハンドマイクタイプ XSW 2-835

初心者にも扱いやすいオートセットアップに加え、マニュアル設定で様々な現場にも対応できます。

プロのライブでも使用されるB帯を利用したワイヤレスシステムなので、通信も安定しています。

SENNHEISER XSW 2-835 レシーバー左側面 アンテナ取付済み

音楽ライブ、イベント、プレゼンテーションなど幅広い用途で活躍できる製品になっています。

まずはXSW 2-835の製品仕様から解説していきます。

仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<XSW 2-835をレビュー>を参照ください。

製品仕様の目次

免許不要のB帯

SENNHEISER XSW 2-835 レシーバー右側面 アンテナ取付済み

XSW 2-835は免許不要のB帯を利用したワイヤレスシステムです。

個人が使うワイヤレスマイクの帯域は基本、下記のどちらかです。

帯域概要
B帯プロ仕様の製品で一般的な帯域
混信が少なく音飛びしにくい
2.4GHzWi-FiやBluetoothでも使う帯域
音質はいいが、混信や障害物による
音飛びのリスクはやや高め

XSW 2-835はB帯ということもあって、通信は安定していますね。

僕もバンドリハやライブで使わせてもらいましたが、音飛びすることなく使えました。

2.4GHz帯のワイヤレスだと、たまに音飛びするので、ボーカルライブではB帯の製品が安心ではありますね。

Xvive XV-U3をSHURE BETA58Aに繋いだ
2.4GHz帯のXV-U3

なお、周波数の設定はスキャン、プリセット、チューン(マニュアル)に対応しています。

ゼンハイザーXSW2-835 受信機のディスプレイ

基本は簡単に設定できるスキャンやプリセットを使い、複雑な設定が必要な場合のみマニュアルのチューンで対応すると良いでしょう。

トゥルーダイバーシティ方式

SENNHEISER XSW 2-835 レシーバー正面

XSW 2-835は厳しいステージ環境に耐えられるトゥルーダイバーシティ方式を採用しています。

トゥルーダイバーシティ

2系統の受信回路を使って、安定した回路側を選択する方式

様々な電波が飛び交うステージ環境でも安定した通信を実現できます。

また、XSW 2-835は取外しできるアンテナが付いています。

SENNHEISER XSW 2-835 レシーバー背面 アンテナ取付済み

このアンテナは付属品の他に、別売りのオプション品に付け替えることもできます。

用途に応じたアンテナを選択できるため、拡張性も高いです。

最大7台まで同時使用可能

ゼンハイザーXSW2-835 ハンドヘルド送信機

XSW 2-835は最大7台まで同時使用できます。

使用条件

送信機と受信機の距離を5m以上、送信機同士の距離を20cm以上離すこと

そのため、グループやイベントでの使用にも適しています。

なお、送信機1台に対して受信機1台必要です。送信機だけ増やしても使えないので注意してください。

複数台使う際もスキャンモードでそれぞれに周波数を割り振ってくれるため、難しい設定は必要ありません。

送信機はe 835のマイクカプセル

SENNHEISER XSW 2-835 マイク 前斜め

XSW 2-835のハンドヘルド送信機はe 835のマイクカプセルが採用されています。

e 835はボーカル用途などでよく使われるダイナミックマイクですね。

ゼンハイザーe835
e 835

e 835は扱いやすい音なので、ボーカルでもスピーチでも使えるマイクです。

なお、マイクカプセルの交換は非対応となっています。

ハンドヘルド送信機はアルカリ単三乾電池 2本で約10時間駆動します。

SENNHEISER XSW 2-835 マイク 電池投入部分
自宅にあった充電電池を使用

また、マイク本体にはミュートスイッチと液晶画面が付いています。

SENNHEISER XSW 2-835 マイクディスプレイ

電池残量なども液晶ディスプレイで確認できるので便利ですね。

更にマイク内部には感度を調整できるスイッチも付いています。

XSW2-835 送信機側の感度調整スイッチ
0dB~-30dBまで選べる

公式マニュアルでは以下を参考に感度調整するよう記載されています。

dB使用例
0dBボーカル
-10dBラウドボーカル
-20dBインストルメント
-30dBブラス

僕はボーカル用途で0dBだと音割れしてしまったので、-10dBで使いました。

スピーチなら0dB、ボーカル用途なら-10dBでまずは使ってみると良いと思います。

付属品

ゼンハイザーXSW2-835 送信機
ハンドヘルド送信機
SENNHEISER XSW 2-835 レシーバー正面 アンテナ取付済み
受信機(アンテナ装着)
SENNHEISER XSW 2-835 マイクホルダー
 マイクロホンクランプ MZQ 1
SENNHEISER XSW 2-835 ACアダプタ
電源 NT 12-5 CW
ゼンハイザーXSW2-835 ラックマウントキット
ラックマウント
SENNHEISER XSW 2-835 マイクポーチ
ポーチ
  • 受信機 EM-XSW 2
  • ハンドヘルド送信機 SKM 835-XSW
  • マイクロホンクランプ MZQ 1
  • 電源 NT 12-5 CW
  • 単3電池 ×2
  • ラックマウントキット
  • ポーチ
  • マニュアル

XSW 2-835には豊富な付属品が同梱されています。

必要なものは一通り入っており、ラックマウントキットもあるのでラックに取付けることも可能です。

また、パッケージ自体がケースになっており、取っ手がついています。

少し大きいですが、付属品を全部パッケージに入れて持ち歩くことができます。

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SENNHEISER XSW 2-835をレビュー

ゼンハイザーXSW2-835 送信機と受信機2
XSW 2-835の評価
音質
 (3.5)
使い勝手
 (5)
価格(68,200円程度)
 (4)
総合評価
 (4)

それでは、XSW 2-835を細かくレビューしていきます。

はじめにメリット・デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 通信が安定している
  • 設定が簡単
  • ルックスが良い
  • 高音域がやや物足りない

設定が簡単で、通信も安定しているので良いです。

あとはコスパの面でXSW 1-825と悩むところかなと思うので、そのへんも触れていきます。

レビューの目次

音飛びなどなく、安定した動作

ゼンハイザーXSW2-835 送信機と受信機

XSW 2-835をライブハウスやリハーサルスタジオで使用してみました。

B帯なのもあって長時間の使用でも音飛びすることなく、安定した通信状態を保っていました。

2.4GHz帯のワイヤレスシステムと比べると、ノイズや音飛びに対する耐性は大分強いと感じました。

Xvive XV-U3をSHURE BETA58Aに繋いだ右側面の写真
2.4GHz帯のXV-U3

一方で音質面は有線のe 935などと比べると、どうしても高音域の抜けや透明感では劣るかなと感じました。

ゼンハイザー e 935
e 935

音質だけで言うとe 935に2.4GHz帯のXSW-D XLR BASE SETを付けたほうが良かったですね。

XSW-D XLR BASE SETをe 935に取付けた4

XSワイヤレスシリーズでもe 935のマイクカプセルを選択出来たら良かったな…と感じました。

とはいえ、XSW 2-835もボーカルマイクとして十分に使える音質です。

ゼンハイザーXSW2-835 ハンドヘルド送信機

僕も先日、ボーカルとしてライブで使いましたが、ワイヤレスでも十分良い音でした。

このへんはさすがゼンハイザーというところですね。

セットアップは非常に簡単

ゼンハイザーXSW2-835 受信機のディスプレイ

XSW 2-835の良いところはセットアップが非常に簡単なところです。

機械が苦手な人でも簡単に設定できます。

一通りの手順を解説すると以下の通りです。

PRESETを選択

送信機の電源をオフにし、受信機を起動。上下ボタンで「PRESET」を選択

ゼンハイザーXSW2-835のセットアップ方法。PRESETを選択
プリセットバンクとCHを選ぶ

点滅状態のプリセットバンクを上下ボタンで選択し、SETボタンを押す。

ゼンハイザーXSW2-835のセットアップ方法。プリセットバンクとチャンネルを選択
まずは両方とも1を選択してみよう

プリセットバンクを選んだら、チャンネルも同じやり方で選択する

注意

既に利用されているCHだと、RF受信メーターが振れているので別CHを選択すること

送信機のSYNCを押す

送信機を起動し、底のSYNCボタンを長押し。受信機のSYNC表示が点滅する

ゼンハイザーXSW2-835のセットアップ方法。送信機の底のボタンを押す
受信機のSYNCを押す

受信機のSYNC表示が点滅していることを確認し、SYNCボタンを押す

ゼンハイザーXSW2-835のセットアップ方法。受信機のSYNCを押す

以上でセットアップは終了です。

1度設定してしまえば、次回からは電源を入れるだけで勝手にSYNCされて使えます。

なので、ライブやイベントで使用する場合は事前に設定しておきましょう。

また、SCANモードでは空き周波数を自動検出することができます。

他の演者さんがB帯ワイヤレスシステムを使用する場合はスキャンを実行して空き周波数を探すと良いですね。

XSW 1-825との違い

SENNHEISER XSW 1-825 マイクとレシーバー
XSW 1-825
SENNHEISER XSW 2-835 マイクとレシーバー
XSW 2-835
最大同時使用台数7台7台
オートスキャン
設定モードスキャン
プリセット
スキャン
プリセット
チューン
アンテナ内蔵アンテナ外付けアンテナ
受信方式アンテナダイバーシティトゥルーダイバーシティ
ラックマウントキットなし付属
マイクカプセルe 825e 835
実売価格4万円程度6.8万円程度

XSW 2-835の下位モデルになるXSW 1-825との違いにも触れておきましょう。

主な違いは受信方式とマニュアル設定への対応ですね。

SENNHEISER XSW 1-825 マイクとレシーバー
XSW 1-825

XSW 1-825は内蔵アンテナでアンテナダイバーシティ方式なので、XSW 2-835のほうが通信は安定しています。

また、XSW 1-825はスキャン・プリセットでの周波数設定ですが、XSW 2-835はチューン(マニュアル)での周波数設定にも対応しています。

ゼンハイザーXSW2-835

そのため、XSW 2-835のほうがシビアな現場での安定力・対応力に優れています。

ただ、僕がスタジオやライブハウスで使った範囲ではXSW 1-825で全く問題ありませんでした。

バンドでライブをやるとか、貸し会議室でイベントをやるといった用途ならXSW 1-825で大丈夫です。

SENNHEISER XSW 1-825 マイク下部

XSW 2-835はもう少し難しい現場でも柔軟に対応できる製品になっています。

SENNHEISER XSW 2-835 まとめ

ゼンハイザーXSW2-835 送信機と受信機3
  • オート、マニュアルの両設定に対応したワイヤレスシステム
  • B帯を使うため、通信が安定している
  • 7台まで同使用可能できるため、拡張性も高い

ぎたすけ

手軽に使えるようで、プロ仕様って感じの製品なんだな

たけしゃん

そうだね。使い方はすごく簡単だけど、シビアな現場でも安心して使える仕様になってるね

SENNHEISER XSW 2-835のレビューでした。

設定は簡単ながらも、様々な現場で対応できる仕様なのが良いですね。

個人で所有する分にはXSW 1-825で十分と感じましたが、様々な現場環境で使いたい人はXSW 2-835を選択すると良いでしょう。

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