ぎたすけ
たけしゃん
本記事では実際の楽曲で使われてる221種類のフォームを紹介するよ
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分数コードとは
分数コードとは、コードの表記方法のことで右に記載した音をベース音にし、その上に左に記載したコードを鳴らすコードのことです。
分数コードはオンコードとも呼ばれます。
普通のGコードであれば、鳴らす音は下から「ソ・シ・レ」となりますね。
しかし、G/Bとなると鳴らす音は下から「シ・ソ・シ・レ」となるわけですね。
つまり、分数コードは通常のコードからベース音(最低音)だけ、他の音に差し替えたコードとも言えます。
曲中のコード進行を滑らかにしたり、おしゃれな雰囲気にしたりできる重要なコードです。
ギター弾き語りにおいても、何気ないコード進行の中で分数コードを上手く活用すると、グッと演奏の洗練度が上がります。
アコギ伴奏においては、分数コードの引き出しの多さはアレンジ力や演奏力に直結します。
なので、弾き語りにおいても極めて大事な知識と言えます。
本記事ではギターでよく使う分数コードを一覧で一挙に紹介し、その上で代表的なコード進行例も解説していきます。
ギターでよく使う分数コード一覧
それでは、具体的にギター用の分数コードを解説していきます。
ここで紹介する分数コードはギター弾き語りのアーティストを中心に508曲を調査して、曲中で使われている分数コード221種類です。
ぎたすけ
たけしゃん
それでも、使用頻度の差が激しいのでよく使うものは赤字にしてます。
まずは赤字になっているコードを優先的に覚えると良いでしょう。
コードの見方
ちなみに「#」「♭」の記載は曲のキー(調)で変化するものなので、使用されていた曲の調に合わせて記載しています。
また、コードトーンに含まれる開放弦が割と「×(ミュート)」になってます。
これも実際の演奏内容に準拠しているだけなので、自身の好みで好きなように弾きましょう。
C | C#(D♭) | D |
D#(E♭) | E | F |
F#(G♭) | G | G#(A♭) |
A | A#(B♭) | B |
分数コード C
調査楽曲内で登場した、Cの分数コードは16種類。
ローコードの分数コードはやっぱり使用頻度が多いですね。
C/D、C/E、C/B、C/B♭あたりはちゃんと押さえておきましょう。
分数コード C#(D♭)
C#(D♭)の分数コードは9種類。
バンド楽曲で使われてるコードが多くて、ギター弾き語りでは使わなそうなものが多いです。
ちなみにギター弾き語りで実際に登場していたのは「C#m6/A#」「C#m7/B」「C#m7/F#」の3種類だけでした。
分数コード D
Dの分数コードが最も多く、42種類。
アコギ演奏する上ではカポタストを使うこともあり、使用するキーは決まってますからね。納得の量です。
また、Dの分数コードはイントロやアウトロのフレーズ作りに使われることも多いので、フォームの種類も多彩なんですよね。
赤字のものはよく使うので覚えて、他はこのページをブックマークして作曲やギターアレンジのネタ帳的な使い方をするのが良いですね。
分数コード D#(E♭)
D#(E♭)の分数コードは7種類。
山崎まさよしさんが使ってるケースが大半です。
使用頻度が高いものはないので、参考程度に見ておくと良いでしょう。
分数コード E
Eの分数コードは16種類。
下図は多くないものの、使用頻度が高いものが多いです。
Eの分数コードはベースラインを繋げて滑らかにするために使用することが多いです。
ベースラインの繋ぎに意識を向けてる人の伴奏は聴きやすいので、赤字のものは覚えて活用できるようにしましょう。
分数コード F
Fの分数コードは16種類。
F/〇とFM7/〇は出番が多いですね。
また、赤字にしなかったもののFm/〇も複数曲登場するものばかり。
Fの分数コードは全体的に使用頻度高めですね。
分数コード F#(G♭)
F#(G♭)の分数コードは15種類。
#や♭が付くコードにしては種類が豊富で楽曲内で使われる頻度も高めです。
F#mやF#m7自体が登場頻度の高いコードなので、前後のコードとのベース音の繋がりなどの関係で分数コードの登場シーンも多いですね。
分数コード G
Gの分数コードは26種類。
アコギで使うメインのコードが多いので、分数コードも種類が多いです。
また、登場シーンも非常に多いです。
特にG/〇は初心者、上級者関係なく多用する分数コードですね。
G/AやG/Bは2種類のフォームを載せてますが、どちらも多用するのでチェックしておきましょう。
分数コード G#(A♭)
G#(A♭)の分数コードは12種類。
大半がEメジャーキーのG#m絡みで登場するか、最後のサビで半音上に転調することで登場するかのどちらかです。
なので、頻度的にはG#mやG#m7絡みの分数コードのほうが使うことが多いかなという印象ですね。
分数コード A
Aの分数コードはDについで多い30種類。
A関連のコードはそもそもアコギでは出番が多いので、分数コードが多いのも当然ですね。
Aの分数コードは種類も多いですが、登場する機会も非常に多いです。
特に「A/C#」「A/G」「A/B」「Am7/D」「Am7/G」はシンガーソングライターが作ってる楽曲ではほんとによく出てきます。
赤字になっているコードはほんとに使用頻度が高いものばかりなので、しっかり覚えましょう。
分数コード A#(B♭)
A#(B♭)の分数コードは12種類です。
使用されている曲のキー(調)の関係で全てB♭表記になってます。
頻出コードはないものの、使う場面は割とある気がしますね。
僕もセッションとかで、B♭/C、B♭/Aあたりは結構使ってる気がします。
分数コード B
Bの分数コードは20種類です。
Bもよく出てくるコードの割に種類は少ないですね。
代わりに「B/A」「Bm/A」「Bm7/E」など、分数コードの中でも使用頻度が高いものが揃ってます。
赤字になっているものは、どれもよく出てくる上にコード進行を洗練させるのに役立つので覚えましょう。
分数コードを使ったコード進行例
分数コードを一挙に紹介したところで、分数コードを絡めたよく使われるコード進行例を6つほど紹介していきます。
分数コードを使うパターンというのは、大体目的が決まっていて下記のどれかです。
- ベースラインを繋げて滑らかにする
- コードの雰囲気を変える
- ベースラインは変えずにコードに変化を持たせる
- ベースラインだけ変えて、コードに変化を持たせる
分数コードを絡めると、聴きやすくて洗練されたサウンドになり、演奏にプロっぽさも生まれます。
各コード進行例には実演した音もつけているので、実際に音を聴いてみて自分でも弾いてみましょう。
C-G/B-Am7-Am7/G
分数コードをつかった定番コード進行です。
分数コードを使うことで、ベースラインをC→B→A→Gと滑らかにしています。
アコギだと、ストローク・アルペジオ共に非常によく使う進行なので、実際に弾いてみてベースラインの繋がりを感じてみましょう。
G-D/F#-Em7-Bm7
これまた、ベースラインを繋げる分数コードの定番コード進行です。
G→F#→Eとベースラインを繋げることで、滑らかな流れを作っています。
このコード進行では「D/F#」を「D」にして、あえてベースラインを繋げないパターンも定番なので、使い分けるようにしましょう。
実際に調査した楽曲の中でも、曲中で「D/F#」のコード進行パターンと「D」のパターン両方が出てくるケースは割とありました。
A-C#m7-Bm7-Bm7/E
今度はコードの雰囲気を変えるパターンの定番コード進行です。
上記のコード進行はAメジャーキーになるので、Bm7はⅡm7にあたります。
なので、Bm7/EはⅡm7/Vとなるわけですが、このⅡm7/Vという分数コードは登場頻度が非常に高いです。
例えば、「Am7/D」とか「Dm7/G」とかの定番分数コードは大抵はⅡm7/Vという形で登場します。
なので、普段V7ばかり弾いてる人はたまにⅡm7/Vに置き換えてみると違うニュアンスを作ることができます。
ちなみにですが、僕はBm7/Eは下記のフォームを使うことが多いです。
このコードフォームは開放弦を使わないので、フレットを平行移動させて色んなコードに変換できます。
今回の調査楽曲内では登場せず、意外でしたが覚えておくと便利なフォームです。
C-Em7-FM7-F/G
もう一つ、V絡みの分数コードを使ったコード進行例です。
今度はF/Gなので、Ⅳ/V(ⅣM7/Vもよくある)ですね。
Ⅳ/Vも活用シーンはかなり多いです。
また、下記のコードフォームは開放弦を使ってないのでフレット平行移動で色んなコードに変換できます。
実際に分数コード一覧でも、平行移動させたフォームがいっぱい出てきてましたよね。
なお、フレット平行移動させるときは、1弦をミュートするケースが多いかなという印象です。
G-A/G-F#m7-Bm7
G→A/Gという部分で分数コードを使い、ベースラインを変えずにコード感を変えてるコード進行です。
A/G部分はGをそのまま弾いていても、成立します。
G-F#m7-Bm7の場合
ただ、A/Gを入れると結構雰囲気変わりますよね。
この雰囲気の違いがメロディーを引き立ててくれるので、重要なんです。
ローマ数字で表記にすると「ⅣーⅤ/Ⅳ」になりますが、他のキーでも「ⅣーⅤ/Ⅳ」の進行はよく出てきます。
実際に分数コード一覧でも「Ⅴ/Ⅳ」の分数コードはいくつか出ているので、このコード進行も覚えておくと役立つでしょう。
G6(9)-Dadd9/F#-Dmadd9/F-Dadd9/F#
分数コードを上手く使って、ベース音のみを動かしていくコード進行です。
ロック調の曲によく使われており、最近だとVaundyの「怪獣の花歌」でも使用されてますね。
ベース音だけ動かすコード進行はギターのアルペジオで使いやすく、メロディーを際立たせる印象的なフレーズになります。
ギター弾き語りでも、非常に使い勝手のいいコード進行なので覚えておきましょう。
終わりに
ぎたすけ
たけしゃん
このページを辞書代わりにブックマークしておくと良いね
分数コードについての紹介・解説でした!
僕も調べていて、知らない分数コードがこんなにたくさんあるだなーと勉強になりました。
丸暗記というよりは、色んなコード進行やメロディーを経験していく中で覚えていくものなので、辞書的な使い方で本記事を繰り返し使ってください!
また、弾き語りすとLABOでは通常のコードについてもフォーム一覧ページを用意しています。
ギター弾き語りの方向けに実践的なフォームを選別して、掲載しているのでぜひ活用してください。
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