SHURE Nexadyne 8をレビュー。最新技術を駆使した画期的なボーカル向けダイナミックマイク

黒色のボディを持つShure Nexadyne 8のハンドヘルドマイク本体を斜めから撮影した商品画像

ぎたすけ

SHUREのダイナミックマイクと言えば、SM58が有名だよな

たけしゃん

そうだね。Nexadyne 8は2024年発売のマイクで、SM58と比べると結構な差を感じたよ
黒色のボディを持つShure Nexadyne 8のハンドヘルドマイク本体を下斜めから撮影した商品画像
Nexadyne 8の評価
音質
 (5)
使い勝手
 (4.5)
コスパ(約44,000円)
 (4)
総合評価
 (4.5)
メリット
デメリット
  • 近接効果が抑制され、オンマイクでも明瞭なサウンド
  • EQ処理なしで自然なサウンドが得られる
  • ステージとライブ配信の兼用に最適
  • 価格がSM58の約3倍
  • ステージのみの用途だとSM58と違いを感じにくい

サンプルボーカル(Nexadyne 8C)

サンプルボーカル(Nexadyne 8S)

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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SHURE Nexadyne 8

Shure Nexadyne 8のハンドヘルドマイク本体をマイクスタンドに取り付けて横から撮影した商品写真

SHURE Nexadyne 8は2024年5月に発売されたボーカル向けのダイナミックマイクです。

SM58やBeta 58Aの実質的な次世代機という位置づけで、Revonic™デュアルエンジンテクノロジーを搭載しているのが最大の特徴。

2つのトランスデューサーが連携することで、従来のダイナミックマイクでは実現できなかった明瞭なサウンドを実現しています。

SHURE Nexadyne 8の外観。黒いグリルヘッドと円筒形ボディを持つハンドヘルド型マイクを撮影した商品画像

ラインナップはカーディオイドの8/Cとスーパーカーディオイドの8/Sの2種類。

nexadyne 8/Cとnexadyne 8/Sを並べた写真。
左が8/C、右が8/S
項目8/C8/S
タイプダイナミック型
指向特性カーディオイドスーパーカーディオイド
周波数特性50~20,000 Hz
出力インピーダンス300 Ω450 Ω
感度-54.0 dBV/Pa(2.00 mV)-51.0 dBV/Pa(2.81 mV)
質量258 g294 g
コネクター3ピン(XLR)、オス
外装仕様ブラック塗装のダイキャストアルミ

どちらも定価は変わらず、指向性の違いで選ぶことができます。

まずは、製品仕様から解説します。

仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<SHURE Nexadyne 8をレビュー>を参照ください。

Revonic™デュアルエンジンテクノロジー

黒色のボディを持つShure Nexadyne 8のハンドヘルドマイク本体を斜めから撮影した商品画像

Nexadyne 8は、Revonic™デュアルエンジンテクノロジーを搭載することで、以下のような改善がなされています。

  • 近接効果の抑制:マイクに近づいても低音域が膨らみにくい
  • ハンドリングノイズの低減:マイクを持ち替えてもノイズが出にくい
  • 周波数特性の最適化:2つのトランスデューサーで細かな音作りが可能
  • オフアクシス特性の改善:マイクからずれても音質変化が少ない

従来のダイナミックマイクは、1つのトランスデューサーで構成されていましたが、Nexadyneには2つのトランスデューサーが搭載されています。

この2つを逆位相で接続することで、ハンドリングノイズなどを抑制しつつ、声などの音声信号は強調するという仕組みになっています。

逆位相

波形は同じだが位相が180度反対の波のこと。イヤホンなどのノイズキャンセリングにも活用されている

特に、近接効果の抑制は従来のSM58やBeta 58Aと比べて明らかに優れています。

BETA58とSM58
左がBeta 58A、右がSM58

録音した音源を聴き比べてみたら、Nexadyne 8のオンマイクでの明瞭さとバランスの良さには驚きました。

指向性

マイクの指向性 カーディオイド・スーパーカーディオイド・ハイパーカーディオイドを説明した図解

Nexadyne 8には、指向性が異なる2つのモデルが用意されています。

Nexadyne 8/Cは、カーディオイドが採用されており、正面の音を拾うオーソドックスなタイプ。

収音範囲は、やや広めに作られているので扱いやすいモデルと言えます。

単一指向性の図解

Nexadyne 8/Sは、スーパーカーディオイドが採用されており、8/Cよりも収音範囲は狭くなっています。

スーパーカーディオイドの図解

周辺ノイズの混入を抑制し、ハウリングにも強いモデルです。

一方、口元がマイクから外れると音量もガクンと下がるので、歌唱時に動き回る方などは注意が必要。

どちらを選ぶか迷う場合は、汎用性重視なら8/C、ハウリング対策を重視するなら8/Sという選び方が良いでしょう。

個人的には、8/Cでも十分ハウリングに強かったので、特段理由がなければ8/Cが安定だと感じました。

付属品

SHURE Nexadyne 8本体を専用のハードケースに収納した状態を上から撮影した商品画像。マイクとケース内部の形状が分かる構成

Nexadyne 8の付属品は以下の通りです。

  • マイクホルダー(ソフトフレックス)
  • ジッパーケース
  • 3/8インチ-5/8インチ変換ねじ

マイクホルダーはSHUREおなじみのソフトフレックス。

Shure Nexadyne 8付属のマイクホルダー

しっかりとマイクを固定でき、着脱もスムーズです。

中には3/8インチ-5/8インチ変換ねじが入っており、マイクスタンドにあわせて、ねじサイズを調整できます。

ジッパーケースはセミハードタイプで、持ち運びにも安心。

Shure Nexadyne 8付属のジッパーケース
SHURE Nexadyne 8本体を専用のハードケースに収納した状態を上から撮影した商品画像。マイクとケース内部の形状が分かる構成

質感もしっかりしていて、価格相応の作りになっていますね。

SHURE Nexadyne 8をレビュー

Shure Nexadyne 8のハンドヘルドマイク本体をマイクスタンドに取り付けて斜め横から撮影した商品写真
Nexadyne 8の評価
音質
 (5)
使い勝手
 (4.5)
コスパ(約44,000円)
 (4)
総合評価
 (4.5)
メリット
デメリット
  • 近接効果が抑制され、オンマイクでも明瞭なサウンド
  • EQ処理なしで自然なサウンドが得られる
  • ステージとライブ配信の兼用に最適
  • 価格がSM58の約3倍
  • ステージのみの用途だとSM58と違いを感じにくい

それでは、Nexadyne 8を詳しくレビューしていきます。

レビューにあたって、ステージでのライブパフォーマンスとライブ配信の両方で使ってみました。

自宅環境での録り比べでは、SM58やBeta58Aと明らかに差があったので驚きました。

近接効果の抑制が素晴らしい

SHURE Nexadyne 8のマイクヘッド部分を正面から撮影した画像。金属製グリルと本体上部の形状が分かるクローズアップ写真

Nexadyne 8の最大の特徴は、オンマイクでも低音域が膨らまない明瞭なサウンドです。

オンマイク

マイクと音源(口)を近距離まで近づけること。離すことはオフマイクと呼ぶ

サンプルボーカル(Nexadyne 8C)

サンプルボーカル(Nexadyne 8S)

従来のSM58やBeta58Aでは、マイクに近づくほど低音域がブーストされる「近接効果」もあり、音がこもり気味でした。

SM58をマイクスタンドに取り付けたところ
SM58

Nexadyne 8では、この近接効果が大幅に抑制されており、マイクをゼロ距離で使っても明瞭でバランスの取れたサウンドになっています。

自宅環境で、SM58やBeta58Aと録り比べたところ、Nexadyne 8の明瞭なサウンドに驚きました。

左がBeta58 A、右がNexadyne 8/C
左がBeta58 A、右がNexadyne 8/C

そして、ベースとなるサウンドの特性はクリアで抜けが良く、声の輪郭がはっきりとしています

高音域の伸びも自然で、ゼンハイザーのe 935とSHUREのBeta58Aの良いとこ取りしたような印象です。

ちなみに、個人的にはカーディオイドの8/Cが使いやすいと感じました。

nexadyne 8/Cとnexadyne 8/Sを並べた写真。
左が8/C、右が8/S

8/Cでも十分ハウリングに強く、音被りを回避できてましたし、収音範囲も標準的で扱いやすいです。

何かしらスーパーカーディオイドにしたい理由がある人以外は、8/Cで良いのではないかと思いました。

EQ処理なしでも使える自然なサウンド

SHURE Nexadyne 8をマイクスタンドに取り付け、斜め方向から撮影した外観画像。ライブ使用時の設置状態が分かる構図

Nexadyne 8をライブ配信で使ってみましたが、EQ処理をせずとも自然で明瞭なサウンドが得られました。

SM58だと、音がややこもり気味になるのでEQで補正することが多いのですが、Nexadyne 8はそのまま使ってもスッキリと明瞭に聴こえます。

左にSHURE SM58、右にNexadyne 8を並べて配置し、形状と外観の違いが分かる商品比較画像
左がSM58、右がNexadyne 8/C

マイク距離が変わっても比較的音質の変化が少ないので、初心者でも扱いやすいマイクです。

ライブ配信やリハーサルスタジオなど、音の調整も自分でやらないといけない場合でも安心して選べるマイクだと感じました。

ハンドリングノイズの抑制も優秀

SHURE Nexadyne 8を正面から撮影した商品画像。マイクヘッドからグリップ部までの全体形状とシルエットが分かる構図

ステージでハンドマイクとして使う場合、気になるのがハンドリングノイズ。

マイクを持ち替えたり、グリップを握り直したりするときに「ゴソゴソ」というノイズが入ることがあります。

Nexadyne 8はRevonic™デュアルエンジンテクノロジーのおかげか、このハンドリングノイズが気にならないレベルで抑制されています。

黒色のボディを持つShure Nexadyne 8のマイク本体を撮影した商品画像

筆者は、パフォーマンス中に右手と左手でマイクを持ち替えることが比較的多いのですが、録音を聴きなおしてもノイズっぽい音はなく良好でした。

ライブで動きながらパフォーマンスする方にも、安心しておすすめできるマイクです。

ライブでの利用だけならSM58でいいかも

左にSHURE SM58、右にNexadyne 8を並べて配置し、形状と外観の違いが分かる商品比較画像
左がSM58、右がNexadyne 8/C

最後は、微妙だなと思った点も触れておきます。それはコスパです。

Nexadyne 8の価格は44,000円程度で、SM58(約16,000円)の3倍近い価格です。

音質面では確実に進化しているものの、ステージでのライブパフォーマンスのみの用途であれば、SM58やBeta 58Aでも十分だなと感じたんですよね。

SHURE BETA58A-X

ライブハウスのように、ラウドな環境でエンジニアの方が調整してくれるサウンドとなると、正直なところステージ上でも客席でも違いをほとんど感じられないです。

たけしゃん

エンジニアさんはもちろん違いを感じているとは思いますが…

なので、そこに数万円のお金を払う価値があるか?と言われると、結構厳しいなと感じてしまいました。

SM58やBeta58Aも十分に良いマイクですからね…。

一方で、ライブ配信やレコーディングでも使いたい場合は、Nexadyne 8の価値は十分あります

オーディオインターフェイスに直で挿してヘッドホンで聴くと、SM58やBeta58Aと比べて明らかに明瞭でクリアなサウンドに聴こえます。

RME Babyface Pro FS
RME Babyface Pro FSで試しました

ステージとライブ配信の兼用マイクとして考えると、Nexadyne 8は非常に魅力的な選択肢だと思いました。

なので、どれだけ幅広い用途で使うかを考えて、Nexadyne 8まで頑張るか、SM58やBeta58Aにしておくか決めると良いでしょう。

SM58をマイクスタンドに取り付けたところSHURE SM58をレビュー。業界標準の超定番ダイナミックマイク SHURE BETA58SHURE BETA58Aをレビュー。スーパーカーディオイドの定番ボーカル用マイク

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SHURE Nexadyne 8 まとめ

SHURE Nexadyne 8の外箱を撮影した画像。段ボール製パッケージにマイクの写真と製品名が印刷されている様子が分かる構図
  • Revonic™デュアルエンジンテクノロジーでオンマイクでも明瞭なサウンド
  • EQ補正なしで使える自然な音質で、ステージと配信の兼用に最適
  • 価格はSM58の約3倍。ステージのみならSM58でも十分

ぎたすけ

近接効果が抑えられてるのは確かに便利そうだな。配信もやるなら良さそう

たけしゃん

そうだね。ステージと配信を兼用したい人にはベストな選択肢だと思ったよ。

SHURE Nexadyne 8のレビューでした。

ダイナミックマイクも、確実に進化しているんだなと感じられる製品でした。

個人的には、ライブ配信はコンデンサーマイクがいいなとずっと感じていましたが、Nexadyne 8なら十分使えるなと感じました。

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