ぎたすけ
たけしゃん
アコギのナット

ギターのナットはギターヘッドとネックの間に付けられたパーツです。
素材はプラスチック、牛骨、TASQなどが用いられます。

ナットは、音に影響を与えるパーツなので、素材を変えるとギターの音が少し変化します。
また、ナットの幅や溝の間隔は各ギターメーカー毎に仕様が異なります。

特に、ナット幅はギターの演奏性に大きく関わるものなので、ギターを選ぶ際の重要なポイントとなります。
ここからは、アコギのナット幅について掘り下げて解説します。
アコギのナット幅

アコギのナット幅は、ギターによって異なりますが、主に下記のような違いがあります。
ナット幅が狭いと、押さえる面積が狭くなるため、セーハ系のフォームが押さえやすいです。

ナット幅が異なるギターを弾き比べて見ると、明らかに押さえやすいのがわかります。
そのため、初心者にはナット幅が狭いギターを進めることもよくあります。
加えて、親指で6弦を押さえる場合も、ナット幅が狭いほうが楽です。

そのため、ストローク中心のギターボーカルは、ナット幅が狭いギターを好む傾向にあります。
対して、ナット幅が狭いと弦と弦の間隔が狭くなります。

そのため、ジャズコードなど指を4本使って押さえるようなフォームだと、やや窮屈に感じます。

また、高速なアルペジオでは、弦の間隔が狭いと右手も弾きにくく感じます。
なので、フィンガースタイルが中心の方は、ナット幅が広いギターを好む傾向にあります。
ちなみに、フィンガースタイルが前提のクラシックギターは、通常のアコースティックギターと比べてナット幅がかなり広いです。

つまりは、演奏スタイルによって最適なナット幅が変わるということです。
ギターボーカル同士で話していると、ナット幅は狭いほうが良いと思いがちですが、そうでもないというわけですね。
アコギの標準的なナット幅

ナット幅 | 数値 |
狭め | 42mm程度 |
標準 | 43mm前後 |
広め | 44.5mm程度 |
アコギのナット幅の標準値は43mm前後です。
正確には、Martinが採用している42.9mmが最も一般的ですね。

ちなみに、Martinは1 3/4″(44.5mm)のギターが主流です。
ただ、日本人だと44.5mmは広くて押さえづらいと感じる人も多く、42.9mmを選択する人が多い傾向にあります。

続いて、大手楽器メーカーの標準的なナット幅を見てみましょう。
メーカー | ナット幅 |
Martin | 42.9mm、44.5mm |
Gibson | 43.8mm |
Taylor | 42.9mm、44.5mm |
YAMAHA | 43mm、44mm |
43mm前後、44mm前後のツーラインナップ用意しているメーカーが多いですね。
弾き語りやギターボーカルの方は、まずは43mm前後のアコギをおすすめします。

44mmだと、セーハが押さえづらいと感じる人は割と多いです。
逆に、フィンガースタイル中心の方は、44mm前後のギターを試してみると良いでしょう。
ネックの厚みや加工処理も弾きやすさに関係する

ギターの押さえやすさは、ナット幅以外にネックの厚みや加工も関係してきます。
最近よくある初心者向けに特化したギターは、ネックが薄めになっていたり、滑らかな加工が施されていたりします。
例えば、YAMAHA STORIAは細めのナット幅に滑らかなネックエッジにして、押さえやすくしています。


また、Fender CC-60Sはフィンガーボード・エッジに滑らかなロールオフ加工を施した「Easy to Playネック」を採用しています。

このように、最近ではネックを加工して握りやすくしたギターが増えてきています。
逆に、ナット幅が狭めでも、ネックが丸太のように厚いギターもあったりします。
Gibsonのビンテージギターなどが代表的です。

そのため、スペック表だけで判断できず、現物を握ってみないとわからないことも多いです。
最近のギターでネックが分厚いものはほとんどないですが、ナット幅だけで判断するとリスクがあることも覚えておきましょう。
ナローネック

ナローネックとは、ナット幅が狭いギターを指します。
代表的なナローネックギターは、1965年~1969年に作られた一部のGibsonギターです。
上記時期に作られたGibsonのギターは、ナット幅が39mm~40mmとかなり細くなっています。

実際に握ってみると、ものすごく細く感じますね。
有名アーティストだと、秦基博さんが使用している1967年製のGibson J-45が39mmのナローネック仕様です。
そのため、秦基博さんは親指で6弦を押さえることが非常に多いです。
44.5mmのギターでは、同じようにプレイするのは厳しいですね。
ちなみに、Gibsonは定期的に1960年代の復刻版ギターを製造・販売しています。

この時代のGibsonは、音がジャキジャキしていて特徴的なこともあり、好きな人が多いです。
そういったところもあって、定期的に復刻版が販売されるのでしょう。
アコギのナット幅 まとめ

- ナット幅はネック幅の指標となる数値
- ギターボーカルは狭め、フィンガーピッカーは広めを好む傾向にある
- 最近はネックを加工して押さえやすくしたギターがある
ぎたすけ
たけしゃん
アコギのナット幅についての解説でした!
目安的なものですが、下記を参考にギターを選ぶといいかと思います。
プレイスタイル | おすすめのナット幅 |
ストローク中心 | 43mm前後 |
フィンガー中心 | 44mm前後 |
どちらとも言えない | 43mm前後 |
ギターボーカルの方であれば、まずは43mm前後のギターを選択するのが良いかなと感じます。
また、弾きやすさはナット幅だけでなく、弦高なども大きく影響します。
現在のギターが弾きにくいと感じる場合は、弦高のセッティングなども見直しましょう。





よく読まれている記事
初心者が覚えるべき ギターコード 10個を練習用の譜例付きで解説
男性の音域を平均・低め・高めの3種類で解説。音域チェックできる音源付き
コンデンサーマイク おすすめ17選【2025年】。ボーカルレコーディングで定番の製品を徹底比較。
初心者向けアコースティックギター おすすめ6選。購入するギターの選び方を107名のアンケート調査付きで解説
ギターのストロークパターンを練習しよう。弾き語りでよく使う譜例 10パターンで解説
ギターのカポタストでキー変更するための上げ方、下げ方を役立つ早見表と合わせて解説
女性の音域を平均・低め・高めの3種類で解説。参考アーティストも合わせて紹介
ギター初心者も弾ける簡単な曲 おすすめ50選。練習時のポイント解説付き
アコギ メーカー11社を解説。ブランドごとの特徴やおすすめのギターを紹介
SYNCROOM(シンクルーム)の使い方、設定、遅延対策を解説。無料で自宅セッションを楽しもう!