アコースティックギターのサイズと大きさ・形による違いを解説

D-28とDJRとリトルマーチン

ぎたすけ

アコギのボディサイズって本当に色んな種類があって、何選んでいいかわからないよな

たけしゃん

昔に比べて、かなり多種多様になった気がするよ。一通りのサイズを紹介していくね
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
プロフィール詳細お問い合わせ

アコギの一般的なサイズ

YAMAHA FGX5のボディ

アコースティックギターのサイズは、ボディシェイプ名称で示すのが一般的です。

もっとも一般的なボディシェイプは、ギターメーカーのMartinが用いる「ドレッドノート」になります。

アコースティックギターのドレッドノート、ドレッドノートジュニア、ミニギターを並べた写真
DJR…ドレッドノートジュニア

アコースティックギターのケースも、Martinのボディシェイプを基に作られているものが多いです。

ボディシェイプ特徴
ドレッドノートアコギの一般的なサイズ
万能に使えるシェイプ
OOO(トリプルオー)ウエストが細いシェイプ
テクニカルプレイ向き
ドレッドノート
ジュニア
ドレッドノートの15/16サイズ
小ぶりだが、鳴りは本格的
ミニギタードレッドノートの3/4サイズ
鳴りは控えめ

たけしゃん

楽器店員さんとの会話も、Martinのボディシェイプで行うことが一般的です

なお、全メーカー共通で使えるアコギのサイズ名称はありません。

各メーカーで、オリジナルのボディシェイプを採用しており、名称が異なります。

Martin DX1とYAMAHA FGX3
MartinとYAMAHAだが、微妙に形が違う

ただ、それだと何かと不便なので、Martinのボディシェイプを基準に話すのが一般的になっているわけです。

加えて、最近だとTaylorの独自シェイプが浸透しています。

Taylor 814ce
Taylorのグランド・オーディトリアム

本記事でも、MartinとTaylorのボディシェイプを中心にアコギのサイズ感を解説していきます。

インチによるサイズ表記について

アコースティックギターにおけるインチとmmの表記について解説した図解

アコースティックギターのサイズは、ボディシェイプで表記するのが一般的。

ですが、Amazonなどで販売されている海外メーカーでは、全長のインチだけ書いているケースが散見されます。

アコースティックギターのサイズをインチ表記で表す際は全長を記載する
ドレッド
ノート
DJrリトル
マーチン
全長約1,022mm
(約40.2″)
約950mm
(約37.4″)
約865mm
(約34″)

よく見るのは、41インチ、38インチの2種類。以下のような認識で捉えるとよいでしょう。

  • 41インチ…通常サイズ(ドレッドノート)
  • 38インチ…少し小ぶりなサイズ(DJr)
  • 35インチ以下…小さいミニギター

アコースティックギターのサイズは全長だけでなく、ボディ幅も重要です。

アコースティックギターの寸法名称
ボディ幅は抱え心地に大きく影響する

そのため、有名メーカーでは全長だけ表記するようなことは基本ありません。

全長のインチだけ書かれている商品も、商品詳細欄などにボディシェイプが書かれているので、あわせて確認しましょう。

ドレッドノート

Martin DX1の写真
Martin DX1
ドレッドノートの寸法
  • 全長…約1,023mm(40.2インチ)
  • スケール…約648mm(25.4インチ)
  • ボディ幅…約398mm(15.6インチ)

まずは、アコースティックギターの代表的な形状 ドレッドノートです。

MartinのDから始まる型番のギターで採用されているボディシェイプですね。

全長で約1,023mm(約40.2インチ)、ボディ幅は約398mm(約15.6インチ)となっており、かなり大きいです。

Martin DX1の全長とボディ幅
寸法は実測なので「約」です

生楽器としての音量も十分で、低音もしっかり出るため音に迫力があります。

どのジャンルでも万能に使える、アコースティックギターの定番シェイプです。

なお、Gibson J-45はラウンドショルダーというGibsonの独自シェイプを採用しています。

寸法は実測なので「約」です

ドレッドノートと比べると、ボディのくびれ感がやや異なり、全長・ボディ幅もほんの少しだけ大きいです。

また、YAMAHAはドレッドノートを日本人体型に合わせたトラッドウェスタンという独自シェイプを採用しています。

YAMAHA FGX5の全長とボディ幅

ドレッドノートと比べると、くびれ方が異なり、全長・ボディ幅は少しだけ大きくなっていますね。

このように、各メーカーで少しだけサイズ感に違いはあります。

ただ、ユーザー間で話すときは全部まとめてドレッドノートタイプと呼ぶことが多いと思います。

たけしゃん

ギターケース選びではちゃんと区別しましょう。ドレッドノート対応となっていてもJ-45は入らないのもあります…

グランド・オーディトリアム(GA)

Taylor 814ce
グランド・オーディトリアムの寸法
  • 全長…約1,040mm(41インチ)
  • スケール…約648mm(25.4インチ)
  • ボディ幅…約407mm(16インチ)

最近では、使用者が非常に多くなったシェイプ、グランド・オーディトリアムです。

Taylorの共同創始者ボブ・テイラーが考案したTaylorオリジナルシェイプです。

Taylorがアメリカギター市場でシェア率No.1になったので、爆発的に浸透しました。

全長1,040mm(約41インチ)、ボディ幅407mm(約16インチ)と大きいですが、ボディのウエストが細くなっています。

Taylor 814ce 全長とボディ幅
寸法は実測なので「約」です

そのため、音のレスポンスがよく、女性でも抱えやすいサイズ感になっています。

音量は、ドレッドノートにも負けないレベルで、低音はドレッドノートほど強調はされない絶妙なバランスです。

また、このカッタウェイ仕様のグランドオーディトリアムはルックスが良いため、テレビや映画でもよく使われていますね。

Taylor 814ce

ちなみにMartinのOOO(トリプルオー)と比べると、ボディ幅がやや大きくなっています。

ドレッドノートとOOOの中間くらいのサイズ感ですね。

OOO(トリプルオー)

OOOの寸法
  • 全長…約1,000mm(39.75インチ)
  • スケール…約630mm(24.9インチ)
  • ボディ幅…約380mm(15.2インチ)

ドレッドノートと並んで、昔から定番のシェイプであるOOO(トリプルオー)。

MartinのギターでOOOで始まる型番のギターに採用されています。

ドレッドノートと比べるとウエストが細く、ボディ幅は約380mm(約15インチ)と細くなっています。

YAMAHA FSX3の全長とボディ幅
000の写真がないので近いサイズのYAMAHA FSX3

ドレッドノートと比べると、音のレスポンスが速く、低音もスッキリしています。

テクニカルなプレイに適しており、エリック・クラプトンなどギターの名手で使用者が多いです。

また、小柄な女性でも抱えやすいサイズ感になっており、女性アーティストの使用者も多いですね。

YAMAHA FSX3のボディ

ちなみにYAMAHAのOOOに近いシェイプはフォークタイプという名称になっています。

多くのメーカーは同じギターシリーズで、ドレッドノートとOOOに近いサイズバリエーションを用意していますね。

YAMAHA FGX3とFSX3を並べた写真
YAMAHA FGはトラッドウェスタンとフォークがある

なお、MartinにはOOOのほかにOO(ダブルオー)とO(シングルオー)があり、どんどん小さくなります。

ドレッドノートジュニア

ドレッドノートジュニアの寸法
  • 全長…約950mm(37.4インチ)
  • スケール…約630mm(24.9インチ)
  • ボディ幅…約360mm(14.2インチ)

続いては、割と最近シェア率を伸ばしている通常のギターとミニギター中間的なサイズです。

このサイズ感は浸透している共通名称がないので、Martinを例に説明します。

Martinはドレッドノートを15/16サイズ(93%程度)にしたドレッドノートジュニアというサイズを用意しています。

D-28とDJRとリトルマーチン
左からドレッドノート、ドレッドノートJr、ミニギター
ドレッド
ノート
DJrリトル
マーチン
全長約1,022mm約950mm約865mm
スケール約645mm約630mm約584mm
ボディ幅約396mm約360mm約319mm

スケールの長さを約630mmと短くして、ボディ幅も約360mm程度とドレッドノートより一回り小さくなっています。

ミニギターと比べると音量が大きく、低音も鳴るのでドレッドノート寄りのサウンドです。

小さいギターが欲しいもののミニギターだと音が軽くて困る…という人にうってつけですね。

ちなみにこのサイズ感に近いものだと、Taylor GS MINIも有名です。

GS MINIはグランド・シンフォニーというシェイプを小型化したギターとなっています。

GS MINIもドレッドノートジュニアもサウンド・サイズ感ともにちょうど良いので人気があります。

ミニギター

Martin LXM
ミニギターの寸法
  • 全長…約865mm(34インチ)
  • スケール…約584mm(23インチ)
  • ボディ幅…約319mm(12.5インチ)

最後は携帯性に優れたミニギターです。

全長865mm(約34インチ)、ボディ幅319mm(約12.5インチ)と、通常のギターの3/4程度のサイズ感になっています。

Martin LXMとGibson J-45の寸法

通常サイズのギターと並べて見ると、大分小さいのがわかりますね。

下図はドレッドノート、ドレッドノートジュニア、ミニギターを並べた画像です。

D-28とDJRとリトルマーチン
左からドレッドノート、ドレッドノートJr、ミニギター
ドレッド
ノート
DJrリトル
マーチン
全長約1022mm約950mm約865mm
スケール約645mm約609mm約584mm
ボディ幅約396mm約360mm約319mm

ドレッドノートジュニアはそこまで小さく感じないですが、ミニギターは一気に小さく感じます。

リトルマーチンでYouTube動画のレコーディングしているところ

その分、音量も小さめで低音は薄く、シャカシャカしたサウンドです。

また、スケールが短いため、チューニングが狂いやすく、通常サイズのギターと比べるとやや扱い辛いです。

とはいえ、エド・シーランのようにミニギターを使って活躍しているアーティストもいます。

Martin LXM 正面

ミニギターは本格的な活動から、お出かけ用、自宅での作業用など様々な用途で使えるのが人気です。

関連記事

アコースティックギターの種類アコースティックギターの種類と特徴をわかりやすく解説 色違いのアコースティックギター3本初心者向けアコースティックギター おすすめ6選。購入するギターの選び方を107名のアンケート調査付きで解説 色んなギターケースが飾ってある写真【アコギ】ギターケース おすすめ6選。失敗しない選び方を徹底解説! Martin LXMとGibson J-45の寸法【2025年】ミニギター おすすめランキング ベスト10。選び方や大きさの違いを比較画像付きで解説 アコースティックギターを椅子に立てかけている写真アコギ中級者におすすめのギター6選。選び方、予算などをアンケート調査の結果を踏まえて解説