audio technica ATH-M50xSTSをレビュー。プロクオリティの配信向けヘッドセット

audio technica ATH-M50xSTS-USB 右斜め

評価:4.5

ぎたすけ

ヘッドセットというよりは本格的なモニターヘッドホンにマイク付けた感じの見た目だな

たけしゃん

そうだね。スタジオで定番のATH-M50xにコンデンサーマイクを一体化させた製品だね
補足

メーカー様よりデモ機をお借りました。本記事ではXLR・USBタイプの両方を解説します

ATH-M50xSTSの評価
音質
 (5)
付け心地
 (4.5)
コスパ(26,400円程度)
 (4.5)
総合評価
 (4.5)
補足

USBタイプのATH-M50xSTS-USBは29,700円程度です

メリット
デメリット
  • フラットで音の解像度が非常に高い
  • マイクの音がかなり良い
  • 遮音性もバッチリ
  • とくになし

ATH-M50xSTS

iPhone付属のイヤホンマイク

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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audio technica ATH-M50xSTS

audio technica ATH-M50xSTS-USB 右斜めでマイクを立てた
ヘッドホン型式密閉ダイナミック型
ドライバー径φ45mm
インピーダンス38Ω
マイク型式バックエレクトレット
コンデンサー型
指向性単一指向性
重量330g
公式サイト

ヘッドホンとマイクが一体化したヘッドセット ATH-M50xSTS

世界的に有名なモニターヘッドホン ATH-M50xとAT20シリーズの技術で作られたコンデンサーマイクを合体させた製品です。

やはり、安価なヘッドセットやイヤホンマイクとは明らかに音質に差があります。

audio technica ATH-M50xSTS-USB 両耳のイヤーカップを90度回転

audio technicaだからこそ作れる、すごい製品ですね。

ATH-M50xSTSはXLRタイプとUSBタイプ(ATH-M50xSTS-USB)があります。

audio technica ATH-M50xSTS XLRと6.3mm端子
XLRタイプ
audio technica ATH-M50xSTS-USB USB端子部分
USBタイプ

今回は両方ともお借りしました。

ちなみにXLRとUSBで若干、本体の仕様が異なるため、そのあたりも解説します。

まずは製品仕様から解説していきます。

仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<ATH-M50xSTSをレビュー>を参照ください。

製品仕様の目次

φ45mmCCAWボイスコイルドライバー

audio technica ATH-M50xSTS-USB 左斜め近め

ATH-M50xSTSは大口径の強磁力φ45mmCCAWボイスコイルドライバーが使用されています。

低音に深みがあり、迫力あるサウンドです。

それでいて、音場が広く、各帯域のバランスも良いので、フラットで正確にモニターできます。

密閉ダイナミック型

audio technica ATH-M50xSTS 左斜め下

ATH-M50xSTSは遮音性の高い密閉ダイナミック型のヘッドホンです。

音漏れもなく、周りの音も遮断されるため、サウンドに没入できます。

なお、イヤーパッドは2種類用意されています。

デフォルトで装着されているのは通気性・快適性重視のHP-M50xSTSです。

audio technica ATH-M50xSTS イヤーパッド

従来のATH-M50xで採用されているHP-M50xと比べると開放感があって、付け心地が良いです。

HP-M50xも付属しているため、従来のパッドが良い人は交換しましょう。

audio technica ATH-M50xSTS 交換用イヤーパッド
HP-M50xは音質・遮音性重視

どちらも試した感じは長時間なら、最初から付いているHP-M50xSTSが楽ですね。

通気性が良いので、長時間付けていても蒸れにくいです。

また、イヤーカップは90度反転できるようになっています。

audio technica ATH-M50xSTS 片方のイヤーカップを90度回転させた
audio technica ATH-M50xSTS-USB 片耳のイヤーカップを反転

折り畳むこともできます。

audio technica ATH-M50xSTS 折り畳んだ

使用していないときは折り畳んでおくと、場所を取りません。

接続端子

audio technica ATH-M50xSTS XLRと6.3mm端子

本製品はXLRタイプのATH-M50xSTSとUSBタイプのATH-M50xSTS-USBがあります。

ATH-M50xSTSはマイクの接続がXLR、ヘッドホン接続が3.5mmもしくは6.3mmステレオプラグとなっています。

audio technica ATH-M50xSTS XLRと6.3mm端子
左がXLR、右が6.3mmステレオプラグ

ちなみに6.3mmステレオプラグは取外しできるようになっており、外すと3.5mmステレオミニプラグになります。

XLRなので、PCやスマホとの接続にはオーディオインターフェイスが別途必要です。

Universal Audio Volt 276
Volt 276

使用できるOSは接続するオーディオインターフェイスに準拠します。

なので、iOS対応のオーディオインターフェイスを使えば、iOSでも使えます。

USBタイプであるATH-M50xSTS-USBはUSB Type-AもしくはType-Cでの接続となります。

audio technica ATH-M50xSTS-USBのUSB端子はAとCで変えられる
USB Type-Cの変換アダプタが付属

ATH-M50xSTS-USBはPC、スマホなどと直接接続可能になっています。

補足

iOSでも普通に使えましたが、公式記載の対応OSはWindowsとMacのみです

なお、XLR・USBともにケーブルの着脱はできません。

サイドトーン機能(USBタイプのみ)

audio technica ATH-M50xSTS-USB 右斜め上

ATH-M50xSTS-USBにはサイドトーン機能が搭載されています。

PCなどを介さずに自分の声をヘッドホンに返すことができます。

左のイヤーカップにサイドトーン用のVolumeスイッチがついています。

audio technica ATH-M50xSTS-USB ボリュームツマミ

左右で音量調整、PUSHでサイドトーンをON/OFFできるようになっています。

サイドトーンを使うことで、通話やチャット時に自分の声をモニターしながら自然に会話できます。

なお、XLRのATH-M50xSTSにはサイドトーン機能はありません。

といっても、オーディオインターフェイスのダイレクトモニタリングが同等の機能です。

YAMAHA AG03MK2 ブラックの下部
AG03MK2だとMIX MINUSが同等の機能

大半のオーディオインターフェイスはダイレクトモニタリング対応なので、XLRタイプでも同じことができます。

単一指向性のコンデンサーマイク

audio technica ATH-M50xSTS-USB マイク部分

ATH-M50xSTSのマイクは単一指向性のコンデンサーマイクが採用されています。

単一指向性の図解
単一指向性は正面の音を拾うタイプ

AT20シリーズのマイクロホン技術を取り入れて作られており、ヘッドセットではトップレベルの音質です。

コンデンサーマイクなので、XLR接続で使う際はファンタム電源が必要です。

接続するオーディオインターフェイスやミキサーはファンタム電源対応の物を使いましょう。

YAMAHA AG03MK2 ブラックの上部
AG03MK2。+48Vがファンタム電源のスイッチ

ATH-M50xSTS-USBはUSBでファンタム電源を供給するため、接続するだけで使えます。

マイク部分はブームアームとグースネックで細かく角度調整できます。

audio technica ATH-M50xSTS-USB マイクミュート部分
ブームアーム
audio technica ATH-M50xSTS-USB マイク部分。グースネックを曲げた
グースネックの動きも良い

なお、ブームアーム部分を上に上げると自動でミュートされる仕様になっています。

audio technica ATH-M50xSTS 右斜め
この状態だとミュートONになる

ヘッドセットを付けた状態ならマイクを口元に持ってくれば、自動でミュート解除されます。

地味に便利な機能ですね。

また、ATH-M50xSTS-USBのビットレートは96kHz/24bitまで対応しています。

XLRタイプのATH-M50xSTSはビットレートも使用するオーディオインターフェイスに準拠します。

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audio technica ATH-M50xSTSをレビュー

audio technica ATH-M50xSTS 両方のイヤーカップを90度回転させた
ATH-M50xSTSの評価
音質
 (5)
付け心地
 (4.5)
コスパ(26,400円程度)
 (4.5)
総合評価
 (4.5)
補足

USBタイプのATH-M50xSTS-USBは29,700円程度です

それでは、ATH-M50xSTSを細かくレビューしていきます。

メリット・デメリットを箇条書きすると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • フラットで音の解像度が非常に高い
  • マイクの音がかなり良い
  • 遮音性もバッチリ
  • とくになし

これはすごいですね。

ヘッドセットでここまで音質が良い製品はなかなかないです。

26,400円と価格もそれなりにしますが、品質を考えると安いです。

同じ品質のマイクとヘッドホンを普通に揃えたら3万円超えますからね。

レビューの目次

マイクの音質はかなり良い

audio technica ATH-M50xSTS-USB マイク部分

ATH-M50xSTSの強みはマイクの音質です。

ATH-M50xSTSのマイクはAT20シリーズの技術を基に作られており、かなり高音質ですね。

iPhone付属のイヤホンマイク、ATH-M50xBT2内蔵マイクと比較した音源を聞いてみましょう。

ATH-M50xSTS

audio technica ATH-M50xSTS 右斜め

iPhone付属のイヤホンマイク

ATH-M50xBT2

audio technica ATH-M50xBT2 左斜め

ノイズの混入量や音質が明らかに違いますね。

ATH-M50xSTSはヘッドホン内蔵マイクや安価なヘッドセットマイクとはレベルが違います。

一方でAT2020USB-Xなどと比べると、さすがにそれなりの差は感じます。

AT2020USB-X

audio technica AT2020USB-X 通常時

ATH-M50xSTS

audio technica ATH-M50xSTS 右斜め

音の鮮明さや解像度で、AT2020USB-Xのほうがワンランク上ですね。

ATH-M50xSTSはややコンプレッションがかかったような音でダイナミックマイクに近い感じです。

AT2020USB-Xと比べてしまうと、やや分が悪いですが、ヘッドセットの中では間違いなくトップレベルの音質です。

周囲の音が入りにくい

audio technica ATH-M50xSTS マイクのグースネック部分を曲げた

マイクが音を拾う範囲についてもテストしてみました。

空気清浄機をMAXにして、キーボードをタイピングしながら録った音声です。

タイピング音は少し入っていますが、通常のコンデンサーマイクよりは大分入りにくいです。

ヘッドセットだとマイク距離を意識する必要がないので、ゲームや作業しながら使いやすい点も良いですね。

ヘッドホンの音質も素晴らしい

audio technica ATH-M50xSTS-USB 左斜め近め

ATH-M50xSTSのヘッドホンはATH-M50xが基になっているため、言うことないです。

フラットでバランスの取れたモニターに最適な音です。

重低音もしっかり出ており、深みと迫力があります。

audio technica ATH-M50xSTS 右斜め下

音場も広く、色んな音が渋滞していても、ちゃんと聴き分けられます。

音楽はもちろん、FPSなどのゲームのモニターとしても非常に使いやすいヘッドホンですね。

また、USBタイプで使用されているA/Dコンバーターの質が良いです。

audio technica ATH-M50xSTS-USB 右斜めでマイクを立てた

ATH-M50xSTS-USBは数万円のオーディオインターフェイスと変わらないレベルです。

新しいイヤーパッドで付け心地も良好

audio technica ATH-M50xSTS-USB 片耳のイヤーカップを反転

ATH-M50xSTSは従来のATH-M50xとは異なるイヤーパッドのHP-M50xSTSが付いています。

このHP-M50xSTSの付け心地がなかなか良いです。

従来のイヤーパッドであるHP-M50xは音は良いですが、やや蒸れやすかったんですよね。

audio technica ATH-M50xSTS 交換用イヤーパッド
HP-M50xも付属しているため、付け替え可能

HP-M50xSTSはメッシュ素材で通気性がよくなっているため、長時間の利用でも快適です。

レザー製のイヤーパッドに比べると、耳に当たる感触もソフトですね。

プロユースのモニターヘッドホンは長時間の配信だと密閉度が高すぎて辛かったりしますが、ATH-M50xSTSはその点も解消されています。

XLRとUSBタイプどっちが良いか?

audio technica ATH-M50xSTS XLRと6.3mm端子

最後はXLRタイプのATH-M50xSTSとUSBタイプのATH-M50xSTS-USBのどちらが良いかについてです。

この2製品における一番の違いはオーディオインターフェイスが必要かどうかです。

YAMAHA AG06MK2
AG06MK2

XLRタイプはPCなどに接続するためにはオーディオインターフェイスが必要です。

USBタイプはPCに直接接続できますが、オーディオインターフェイスに接続はできません。

オーディオインターフェイスを挟むメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 音質をより良くできる
  • エフェクトやループバックを使える
  • 手元で音量など調整できる
  • 安い機種でも1万円程度する
  • 設置場所が必要

一般的にはUSBタイプよりXLRタイプを選ぶ理由として、音質が良く挙げられます。

良質なアナログパーツを使ったオーディオインターフェイスを介することで音質向上が期待できるからです。

Babyface Pro FSの入出力端子
RME Babyface Pro FS

ただ、ATH-M50xSTS-USBの場合はA/Dコンバーターなどの質も良いため、音質面を理由にXLRにするメリットはあまりないかなと感じました。

audio technica ATH-M50xSTS-USB 右斜め

数万円のオーディオインターフェイスだとほとんど変わらないので、プロユースの製品を買わないと差は実感できないです。

なので、XLRタイプを選ぶ理由としてはオーディオインターフェイスの機能面になります。

AG03MK2などのオーディオインターフェイスはエフェクトやループバックなど非常に多機能です。

YAMAHA AG03MK2 ブラック

また、本体のフェーダーやツマミで音量調整も細かくできる点も大きいです。

ATH-M50xSTS-USBはサイドトーンの音量ツマミしかないため、マイクやヘッドホンの音量調整はPCのサウンド設定を開く必要があります。

ATH-M50xSTS-USBのサウンドプロパティ(Windows)
Windowsのサウンド設定

ワンオペ配信だと、配信中にPC設定を触るのは辛いので、オーディオインターフェイスがあると大分楽です。

YAMAHA AG03MK2 ブラックの下部
フェーダーで直感的に音量調整ができる

なので、シンプルな配信や動画制作で使うだけならUSBタイプ。

凝った配信や色んな用途で使う予定ならXLRタイプをおすすめします。

audio technica ATH-M50xSTS まとめ

audio technica ATH-M50xSTS 外箱
  • 世界的に有名なモニターヘッドホンに高音質なコンデンサーマイクを付けた製品
  • ヘッドセットの中ではマイクの音質も非常に良い
  • USBタイプは手軽で使いやすい。XLRタイプは拡張性が高い

ぎたすけ

ヘッドセットでも、これだけ高音質だと使い勝手良さそうだな

たけしゃん

この製品はすごく良いと思うよ。配信や動画のナレーション入れとか色んな面で使えそう

ATH-M50xSTSのレビューでした。

ヘッドセットでも、ここまで高音質な製品が登場するとはすごいですね…。

オーディオインターフェイスでも使えるXLRタイプがあるのも良いです。

配信や動画制作向けにハイエンドなヘッドセットが欲しい人にとても良い製品です。

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