「派遣社員って優秀でも残れないのは何でだろう?」
ミュージシャンやっていると、非常に働きやすい形態。
それが派遣社員。
しかも、ミュージシャンや役者、声優といった夢を追いかけている人って仕事できる人も多いんですよね。
「こないだの会社、長く努めようと思ったけど期間終了で終わっちゃったよ」
…とそんなことははたまに聞く話。
成績良くても会社に残れない時は残れない。
その理由を解説しつつ、ミュージシャンと働き方について考えます。
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派遣社員という働き方
まずは派遣社員について。
派遣社員とは人材派遣会社に雇用され、特定の企業に派遣され働く雇用形態のこと。
代表的な人材派遣会社というと「パソナ」「リクルートスタッフィング」「アデコ」「テンプスタッフ」あたりでしょうか。
こういった会社と契約し、特定の企業に派遣されて働くわけです。
雇用契約は人材派遣会社と契約します。
それでは派遣社員という働き方のメリット・デメリットを解説していきます。
派遣社員のメリット
派遣社員のメリットはザっとこんなところ。
- 時給が契約社員より高いことがある
- 交渉事は人材派遣会社がしてくれる
- 業務範囲が限定されている
と書きましたが、一般論であり結局は会社によります。
派遣社員は働く期間が短期だったりするので、時給が契約社員より高いことは結構あります。
ただし、派遣社員は交通費が支給されないので交通費含めると逆に安くなることも…。
また、交渉事を人材派遣会社がしてくれるところは楽でしょう。
不満であったり、待遇の改善などは人材派遣会社のコーディネーターに依頼すればかけあってくれます。
こうやってみると働きやすい気もしますね。
派遣社員のデメリット
続いて派遣社員のデメリット。
- 交通費は支給されないことが多い
- 安定した雇用は望めない
上記の2点。
基本的には派遣社員は交通費が別途支給されません。
近場であれば良いですが、遠いと交通費込みで考えると時給がかなり低くなるので注意しましょう。
そして、派遣社員の一番のデメリットは「安定した雇用は望めない」ことです。
普通は長期就業者を求める時はどの企業も直接雇用で採用を行います。
派遣社員を採用するということは期間限定で人材が欲しいということです。
よって、長期で働くことは基本的に難しいのが派遣社員。
その代わり、派遣契約が終了した場合は人材派遣会社は別の仕事を紹介してくれるので次が見つけやすくはあります。
ただ、次も派遣社員なので長期では働けないことがほとんどです。
特に2015年から始まった改正派遣法の関係で3年以上同じ職場では働けなくなったので、ますます同じ職場に長期で勤務するのは厳しくなりました。
優秀でも残れない理由
続いて、優秀な派遣社員が会社に残れない理由について。
前述の通りですが、基本的に派遣で採用する場合は期間限定のお仕事であることが前提です。
派遣社員が長期で働くには直接雇用に切り替えてもらう必要がでてきます。
そこらにいるダメ社員より優秀な派遣社員が残って当然。
そう考えるのはわからなくもないですが、そんな簡単なお話でもありません。
直接雇用者で枠がいっぱい
優秀だろうとなんだろうと採用枠がなければ人は雇えません。
直接雇用者で枠がいっぱいで優秀でも残せないって話はよくあることです。
普通に考えたら、使えない直接雇用者を契約終了して優秀な派遣社員を直接雇用化すればよいと考えます。
ところが、契約社員を契約終了にするのって相当難しいことなのです。
何回か契約更新が反復されており、次回も契約更新されるであろうと推測される状況で契約終了をしようとしても解雇権濫用法理を類推適用される場合があります。
こうなると仕事ができないくらいでは合理的な理由として認めらず、不当な雇止めとして無効化されてしまいます。
なので反復更新されている状態だと、そもそも企業側も簡単に契約終了を通知したりしません。
だから、「何であんなできない社員が残るんだよ!」と思っても法的に仕方がない事なのです。
人材紹介料は高い
派遣社員を直接雇用に切り替えるためには派遣先企業は「人材紹介料」を人材派遣会社に支払う必要があります。
この料金は大体、派遣社員の年収の3割が相場。
時給1,500円の場合で考えると…。
1,500円 × 160時間 × 12か月 × 30% = 864,000 円
派遣先企業の担当者は社内稟議を通すために約90万円の費用を負担して採用するだけの合理性のある説明が必要です。
優秀と一言で言うのは簡単ですが、それだけじゃ社内の決裁はおりません。
僕も直接採用に切り替える社内稟議通したこと、何回かありますけど対費用効果の説明とか、そこそこハードル高いんですよね。
ミュージシャンに適した働き方を考える
そんなわけで、バッサリ言っちゃうと派遣社員という働き方で長期で働きたいと考えること自体が不合理。
そもそも、派遣社員は期間限定で働く人向けの雇用形態。
といっても、現代社会だと派遣社員じゃなきゃ仕事が見つからないというジレンマはあったりしますが…。
まあそれはそれとして、ミュージシャンのみなさんには自分の求めるスタイルに応じて仕事の探し方を変えることをお勧めします。
- 派遣社員
- 契約社員
- 正社員
この3つの雇用形態で音楽やりながら働くバランスについて掘り下げていきましょう。
派遣社員
派遣社員は期間限定で働く人向けの雇用形態。
なので、下記のような方が向いています。
派遣社員が向いている人
- 音楽のスケジュールが不定期に入って長く働けない
- 短期間で高時給で働きたい
- 仕事は割り切って決められた事だけやりたい
派遣社員ってミュージシャンとは相性良い働き方ではあります。
特に派遣社員ってあんまり残業ないので、音楽活動とのメリハリはつけやすい。
仕事も長期雇用前提じゃないことが多いのもあって、そんなに色んな事を頼まれない場合も多い。
決められた事をキッチリこなして、定時で帰って音楽活動に頭を使うといった働き方はミュージシャンとして理想的ではある。
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契約社員
続いて契約社員。
契約社員は就業先企業と直接契約するけど、期間限定の有期雇用となる雇用形態。
こちらも派遣社員と近くて、業務範囲はある程度決められていることが多い。
けど、仕事の成果によって昇格や正社員雇用などもあるため、頑張る人には道が用意されていることが多いです。
僕もそうですがミュージシャンやりながら、契約社員やってて正社員になったというパターンは多いです。
というわけで向いている方はこんな方。
契約社員が向いている人
- 同じところで長く働きたい
- でも、正社員ほど仕事に埋め尽くされたくない
- 将来的に音楽で食べていけない場合に正社員などの道も考えておきたい
ちなみに音楽で食べていけない場合のことは考えておくべきです。
よく、「音楽で食べていけなかった時の事を考えるやつが成功できるか!」って言う人いるじゃないですか。
でも、「音楽で食べていくしかない」と自分を追い込むためには「音楽で食べていけない場合のこと」を一生懸命見つめる客観性が必要です。
だから、契約社員として働いて将来の事を考えて自分を追い込むのは有効だと実体験からも感じます。
正社員
最後は正社員。
僕は個人的には正社員で働きながらプロミュージシャン目指す人を応援しています。
今の音楽業界で求められる「セルフプロデュース能力」や「マーケティング能力」を身に着けるには正社員として働くのが一番早いと思うんですよね。
なので、正社員が向いている人はこんな人。
正社員が向いている人
- 仕事を通して音楽に活かせるスキルを身に着けたい
- 安定した収入と仕事を求めている
- 他人の顔色を窺わずにメリハリつけて定時帰りや有休を使う覚悟がある
正社員は収入面も比較的安定する。
そして、色々と音楽活動にも有益な経験や知識を習得できる。
ただ、気を付けないと残業や休日出勤で音楽やる時間を根こそぎ奪われます。
正社員やりながら音楽活動するのはオススメだけど、人の顔色窺わずに自分のやりたいことを突き通す意思は必要ですね。
まとめ
- 派遣社員は長期で働きたい人には不向き
- いくら優秀でも派遣だと長期で残るのは難しい
- 自分の求める働き方で探す仕事の雇用形態は考えたほうが良い
こんなところ。
さすがに正社員はなろうと思っても、簡単にはなれない。
でも、契約社員と派遣社員は仕事につくための難易度は大差ないと思うんですよね。
派遣のほうが勝手に求人上がってくるんで楽なのはありますが、長期雇用を希望しているなら契約社員の仕事を探したほうが良い。
まあ、でも音楽活動を考えると派遣社員って働き方はほんと相性は良い。
自分の求める働き方を考えて、どれを選ぶか考えましょう。
働く場所で音楽活動の成否が決まったりします。ちゃんと考えて探しましょう!
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