ぎたすけ
たけしゃん
ボーカルのお仕事といえば、初めに思いつくのが「仮歌」。
アイドルやボーカルユニットが非常に多い、昨今では仮歌の需要は非常に高い。
そして、ココナラ・ランサーズなどクラウドワークの環境も整ったことで、作家さんもボーカルを探しやすくなりました。
今後も副業として需要が増えるであろう「仮歌」について下記の点を解説していきます。
- 仮歌の仕事内容
- 仕事の探し方
- 仮歌の流れ
- 仮歌をやることについて
ボーカルを仕事にしたいと考えている人はしっかりチェックしましょう。
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仮歌の仕事内容
ぎたすけ
たけしゃん
仮歌といっても、大きく2種類に分けられます。
- コンペ用の仮歌
- お手本としての仮歌
需要は圧倒的に①のほうが多いです。
②は地下アイドルなど増えてきたので、以前よりは需要があるかもしれませんね。
どちらにしろ、対象はアイドルが多いので女性ボーカルのほうが需要があります。
それでは、それぞれを解説していきます。
コンペ用の仮歌
楽曲コンペに応募するために作家さんが自作した曲の歌唱をボーカルにお願いするパターン。
楽曲コンペとは主にJ-POPでシングル・アルバムを発売する際に開催されるコンペティションのこと。
AKBともなると何百曲もの応募があって、その中から1曲選ばれるわけです。
その何百曲1つ1つに歌が入っているわけですから、仮歌の仕事が増えることも納得ですね。
一般的に楽曲コンペに応募するものはピアノメロディやボカロは不可なことが多く、人が歌う必要があります。
作家さんも歌がうまい人は少数ですから、大変なのです。
お手本としての仮歌
正式に採用された楽曲に対して、お手本のボーカルを入れるパターン。
以前、テレビでAKBの見本ボーカルをやられている方の特集があった関係で仮歌というと「お手本」という印象が強かったりします。
ただ、コンペ用の仮歌とお手本としての仮歌が同一の場合が多いです。
本採用された楽曲にアーティストイメージと合わせ、新たに仮歌を入れなおすのはコストがかかりますからねぇ。
よって、お手本としての仮歌はそもそも件数が少なく、依頼される人もプロのボーカリストが多いです。
仕事の探し方
ぎたすけ
たけしゃん
数年前までは仮歌の依頼というと、ミュージシャン同士の紹介がほとんどでした。
今は働き方が多様化しており、選択肢が一気に増えました。
- 知人の紹介
- アルバイト
- クラウドソーシング
それぞれの探し方にメリット・デメリットがあります。
1つずつご紹介していきましょう。
知人の紹介
音楽関連の知人を通して、仮歌の仕事を紹介してもらうパターンです。
僕が仮歌の仕事を受けていたときは、このパターンしかありませんでした。
クラウドソーシング登場した今でも、ミュージシャン界隈での知人紹介は多いです。
メリット
- サイト登録などの手間が不要
- 報酬を中抜きされない
- 報酬をお金以外でもらえる
アルバイト、クラウドソーシングと違ってサービス登録の手間が不要。
直接やりとりなので報酬は中抜きされずにそのままもらえる点が魅力です。
また、報酬をお金ではなく「編曲」「楽器演奏サポート」といった形で受けられることもあります。
仮歌を依頼する作家さんはお金がない人が多いので、現金より技術で対価を支払うことを望む場合が多いです。
普通は編曲や楽器演奏サポートを頼むと、一般的な仮歌料金の数倍かかりますので相当お得です。
デメリット
- 契約内容が曖昧
- トラブル発生時は自分で対応
- 依頼者が少ない
知人の紹介で最も面倒なのが契約内容が曖昧なこと。
はじめに聞いていない、修正や追加依頼が出てきます。
他にも報酬がもらえない…といったトラブル発生時も個人間でのやり取りなので自分で対応する必要があります。
仮歌の仕事をたくさん受けるなら、揉めないようにテンプレートを作って依頼を受ける際の前提条件を決めることをおすすめします。
また、知人の紹介なので依頼者が少ないです。
仮歌の仕事をたくさんやりたいなら、後述のクラウドソーシングを活用しましょう。
アルバイト
特定の会社と契約して、アルバイトとして仮歌業務をおこなうパターン。
例えば、下記の企業でアルバイトを募集しています。
参考 歌のバイトをしようalpha-enterprise自身でボーカル録音する環境がなかったり、仮歌の仕事をやったことがないライト層にオススメな選択肢ですね。
メリット
- 間に会社が挟まるのでトラブルが少ない
- ボーカル録音する環境を用意してくれる
アルバイトでやる最大のメリットはトラブルが少ない事。
依頼主と直接やり取りするのは勤務先の会社なので、報酬や条件も設定されており楽。
自分で営業交渉するのが面倒な人はアルバイトがおすすめ。
また、録音環境も会社が用意してくれることが多いので環境がなくても仕事ができます。
仮歌録りの手順やノウハウも会社の人が教えてくれるので、初めてやる人にとっては有難いでしょう。
デメリット
- 報酬が中抜きされる
- 外出しなければいけない
- たまに怪しい勧誘がある
アルバイトのデメリットは報酬が中抜きされること。
1回の仕事で2,000円~となっていますが、個人でやれば1.5倍~倍は稼げます。
また、アルバイトの場合は歌録りで指定されたスタジオに行く必要があります。
自宅に録音環境がある人からすれば移動時間と交通費が無駄なので非効率です。
そして、アルバイトで一番気を付けたいのが怪しい勧誘です。
仮歌の求人に応募して面接に行ったら、高額なスクールやレッスンに勧誘された…という話を聞きます。
変だな?と思ったら、ちゃんと断りましょう。
クラウドソーシング
ココナラやランサーズといったネット上のプラットフォームを使ってやりとりをして業務を受ける形態。
最近では仮歌の仕事はクラウドソーシングがメインと言っていいほど普及してきました。
「知人の紹介」と「アルバイト」の中間といった位置付けです。
利用者が多いのは「ココナラ」です。
メリット
- 報酬のやり取りが楽
- 自宅で作業できる
- 顧客が多い
メリットも知人紹介とアルバイトの中間といったところです。
報酬のやり取りがプラットフォームを介するので、知人紹介のように直接回収する必要がありません。
そして、作業場所も問わないため自宅で請け負うところから報酬受取りまで全て完結できます。
また、知人の紹介だと依頼者が限られますがクラウドソーシングなら顧客がたくさんいます。
仮歌をたくさんやっていきたい人はクラウドソーシングを積極的に活用しましょう。
デメリット
- 報酬が中抜きされる
- 顧客を選べない
クラウドソーシングもプラットフォームの利用料として報酬の一部を徴収されます。
報酬額の2~3割程度だそうですが、仮歌は少額なので痛いです。
そして、クラウドソーシングは顧客が多いのがメリットですが、色んな人がいます。
クレーマーだったり、無茶な注文をする人だったり…。
自身で交渉して、無茶な依頼はきっぱり断る対応が必要となります。
仮歌の流れ
ぎたすけ
たけしゃん
続いて、仮歌の流れから。依頼を受けるところから解説していきます。
自分で依頼を受ける場合の流れはこんな感じ。
アルバイトの場合はSTEP2とSTEP3(録音だけ)をやって、お仕事終了となります。
僕の場合はSTEP1~4までを大体、1~2日の期間でこなすことが多かったです。
それでは、それぞれ解説していきます。
条件決め
依頼を受ける前に請け負う条件を決める作業です。
決めておく項目は下記のあたりですね。
- 作業内容
- 録音サイズ
- 〆切
- 報酬
これだけ書いても、ピンとこないと思うので掘り下げて解説していきます。
作業内容
請け負う作業を決めます。
仮歌だから歌だけでしょ?と思っていると思わぬ内容まで依頼されますので注意しましょう。
- 仮歌詞…メロディに仮の歌詞を付ける
- ハモリ・コーラス…主メロディに対してハモリやコーラスを入れる
- 補正…自分の仮歌音源をソフトを使ってピッチ・リズム修正する
- ダブリング…重ね用トラックとしてボーカル音源を1つ多く提出する
ボーカルに厚みを加えるために全く同じフレーズを別々に録音したボーカルトラックを重ねる事。同じトラックをコピーして重ねるのはダメ。ダブルと呼ぶことが多い
依頼されるのは、こんなもんでしょうか。
ハモリ・コーラスは何も考えず受けると、「入れる内容を考えて」と言われることがあるので事前にどちらが考えるのか決めましょう。
調べてみると、「仮歌詞・ハモリ・コーラス」はオプションで別料金。「補正・ダブリング」は基本料金に込みという方が多いですかね。
録音サイズ
- ワンコーラス…1番だけ
- ワンハーフ…1番+大サビもしくは2番まで
- フルコーラス…全部
大体はこの3種から選択。下にいくほど金額を高く設定している人が多い。
僕の経験では大半がワンコーラスでした。
〆切
提出時期がいつまでかを決定します。
コンペ用の仮歌は〆切がタイトなことが多いです。
クラウドソーシングの募集を見ていると、当日中提出の場合は追加料金を設定している人が多いですね。
報酬
作業内容に応じて報酬を取り決めします。
毎回協議しているのは時間の無駄です。たくさん、仕事を受ける人は料金表を作りましょう。
ワンコーラスで3,000円程度の設定をされている人が多いイメージ。
歌を覚える
依頼者からデータで音源をもらったら、歌を覚えましょう。
大体、もらえるデータは下記のとおり。
- 音源(ガイドメロ+伴奏と伴奏のみの2ファイル)
- テンポ
- 歌詞カード(歌詞がある場合)
歌詞がある場合はガイドメロに合わせて歌詞を入れ込んでいくことになります。
言葉の入れ方やアクセントに迷う場合は依頼主に確認しましょう。
全部終わった後に修正依頼がくると大変なので、面倒でも初めに確認することをおすすめします。
レコーディング
歌を覚えたら、レコーディングします。
作業内容にピッチ・リズム修正がある場合は編集作業も発生します。
仮歌の仕事をたくさんこなすにはスピードと正確性が重要です。
ピッチやリズムは極力直す必要がないように気を付けましょう。
納品
レコーディングが終了したら、ボーカルトラックだけを書き出して納品。
ファイル形式やビットレートなどは最初に決めておきましょう。
納品後に修正依頼があった場合は最初に決めた条件設定に合わせて対応しましょう。
修正○回以降は別料金…としている方もいますので検討しましょう。
仮歌をやることについて
ぎたすけ
たけしゃん
最後は仮歌をやることについて。
「歌の仕事」という魔法がかかっているので、やりたい人が多い。
でも、その一方で無理なスケジュールで依頼されることも多いのが正直なところです。
仕事を受けるスタンスはちゃんと決めておいたほうがよいでしょう。
必要な機材
自前の環境で仮歌を対応していくなら、下記の機材は必要です。
- DAW
- DAWを動かす端末
- コンデンサーマイク
- ポップガード
- マイクスタンド(卓上でも可)
- オーディオインターフェース
上記の機材は普通に弾き語りで活動していても、あったほうがよいので購入検討してみる価値はあり。
ピッチ修正ソフトなどは自分がどこまで請け負うか、普段使うかを加味して購入するか考えましょう。
下記製品は仮歌やるのに必要な道具が一通りそろってます。iPadやiPhoneにも接続可能。
歌の練習になる
仮歌をやると、いろんな楽曲をクライアントの要望に合わせて歌うので練習になります。
ピッチやリズムにも気を付けなければいけないので、自分だけで音源を作っている時とは違う緊張感もあります。
ボーカルのトレーニングとしては良いところがたくさんあります。
無理な依頼を受けて消耗しないこと
歌の仕事だから、何とかやりたい!と考える気持ちはわかります。
ですが、仮歌は結構無茶な仕事も多いので無理しすぎないように気を付けましょう。
歌の練習にもなりますが、ほかの活動とバランスをとることが重要です。
単価が安い案件や締切がタイトな案件は断る勇気も重要です。
終わりに
ぎたすけ
たけしゃん
ということで、本日は仮歌の解説でした。
ワンコーラスで3,000円くらいが相場かなと思うけど、完了するまでに3時間かかっちゃったら時給1000円。
やっぱり、安いよなぁ。
1~1.5時間で対応できれば、時給換算しても悪くはないんですけどね。
やっぱり、お小遣い稼ぎの副業って域からは出ない感じですね。
副業として頑張る人は極力、余計なやり取りをしなくていいようにテンプレート化することが重要ですね。
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