力強い高音で歌うために有効な練習方法 4点を語る

たけしゃん(@_tkshan)です。

ボーカルの永遠の悩みと言えば高音を安定して力強く出すこと。

だから、ミックスボイスなど魔法のように高音を楽に出せる手法が物凄く需要があり、調べる人も多い。

そして、先日書いた下記の記事でJ-POPを歌いこなすにはどれくらいの高音が必要なのか?を書きました。

力強い高音で歌うために有効な練習方法 4点を語る

この記事を読んでもらうとわかりますが、昨今のJ-POPをキー調整せずに自由に歌うためには結構な高音が必要なんですよね。

だけど、初めから高音が力強く安定して出せる人なんてのはそうそういない。

今日は高音を力強く安定して出すためにどういったことをしたらよいかをご紹介していきます。

■音の解説

音域についてはアルファベット表記で解説していきます。

  • C=ド
  • D=レ
  • E=ミ
  • F=ファ
  • G=ソ
  • A=ラ
  • B=シ

という感じなっています。G♯と言われたら「ソ♯」ということになります。

アルファベットの前にlow、mid1、mid2、Hiという文字がついていますが、これは音域を指します。

mid1 Cとmid2 Cは1オクターブ違う音になり、mid2の方が高いです。mid2を更に1オクターブ高くするとHiになるわけです。Hi AあたりがJ-POPで良く出てくる高音になります。

音域の表記の始まりはAからです。low Aから始まりlow Gまで音が上がると次はmid1 Aという風に文字が変わります。

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

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プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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1. 音域って練習すれば上がるのか?

まずはそもそもの疑問から。
自分の歌声の音域って練習すれば上がるものなのか?ってところ。

結論からいきますが、練習すれば全然上がります。ちなみに下も少しは広がります。

低音域については結構限度があって、広げられる幅は少ないけれど高音域はそこそこ広げることができます。

僕の例で言うと、高校生の時はmid2 Gまでは安定して出せてmid2 G♯やHi Aが出たり出なかったり…と言う感じでした。

そんで、今はというとHi Bまでは安定して大丈夫です。Hi Cは音符の種類や発声する言葉によってきついって感じ。

こんくらいは練習で広げられるってことです。

Hi Aくらいまでであれば、地声が低い人以外は大抵いけるのではないかと思います。

といっても地声が低い人は頑張っても厳しいものは厳しいってのは感じます。歌上手くて発生も凄くしっかりしていても高音域でない人はいますからね。

誰でも楽に確実に高音が出せるようになる…ってのは宣伝で誰でもってわけではないです。

あれはダイエットや副業とかの広告と一緒で釣るための謳い文句です。

といっても、地声が低い人は低い人にしか出せない魅力があるので勝負するところが高音域でないってだけの話ではあります。

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2. 音域の広げ方

それでは音域の広げ方について。
音域の広げ方については本当に色んな本が出ているので、そういった本で学んだ知識も入っています。

ですが、基本的には自分で色々やってみて広がった要因って何だろう?って考えた体験談です。

2-1. たくさん歌う

ただ、たくさん歌っても意味がないって主張する人はたくさんいるのですが、全然意味なくないです。

むしろ、音域広げるためには必須事項と言えます。

スピッツの草野正宗さんがラジオで「スピッツの歌を歌いたいけど高い」って話をリスナーから振られた際に「ずっと歌っていると馴染んで普通に歌えるようになる」とコメントされてました。

まあ、さすがにスピッツは高いので中々馴染んでこないけど、これは本当に感じます。

僕も何か特別なことをやった…というより高い歌を歌い続けてきて、音域が徐々に拡がったって印象が強いですね。

ただ、この手法は本当に根気がいるというか徐々に…と言う感じで急に見違えるようになるわけではないので継続性が要ります。

そして、たくさん歌っているだけじゃ意味がないって主張も一理あります。

それは、たくさん歌うことに意味は絶対あるけれど、ただ歌っているだけより色々と考えて試したほうが確実に上達が早いからです。

たくさん歌うってのは音域を広げるためにも上達するためにも必須事項ですが、色々考えて試すとより良いです。

2-2. 音の出し方を試す

音の出し方って色んな出し方があって試すことが大事です。

僕も今でも高音のロングトーンだったり、ヴィブラートをかけながらの高音とかは出し方を色々試してます。

特にHi Bくらいのロングトーンになってくると、ただ一瞬出すだけなら比較的楽ですがヴィブラートかけたり何かしら加工みたいな事をするためには声の出し方を探って試したりします。

例えば、「う」とか「い」って高音出し辛いです。
でも、「う」を「うぁ」って感じで出すと高音が出たりします。これはこれで歌や歌詞に合うのか?ってところはありますがプロの歌手でも、こうやって出している方は見かけます。

他にも高音をどこに響かせて出すか…胸なのか頭なのか鼻なのか。

口の開き方をどうやって出すか…など。試してみることは色々あるのです。

ボイトレ行ったり、本を読むと良い響かせ方だったり、口の開き方…など書いてあります。

…が僕的に思うのは人それぞれで正解って中々ないように感じています。そして、本に書いてある通りにやっても良いか悪いか判断できないです。

だから、一通り自分で試してみて比べてみて、その上で本だったりボイトレの先生の話を参考にするとよいです。

スポーツで一般的に正解と言われているフォームと異なるフォームで素晴らしい成績を残す選手がいるように歌も自身の体の使い方が一番のポイントですから自分の体の使い方を知ることが重要です。

2-3. プロを真似る

定番っちゃ定番ですが、これも凄く有効な手法です。

プロミュージシャンの発声方法を真似てみましょう。もう、モノマネってレベルになるくらいに良く聞いて発声方法から癖まで真似てみると発声や歌い方で勉強になることが多く、非常に良いです。

プロの方でも発声方法は人によって全然違います。
男性歌手で言うと秦基博さんとコブクロの黒田さんでは同じ音域歌っていても出し方が全然違います。

好きなミュージシャンを中心に何人もの方を真似てみましょう。この時に真似る人を1人にせず複数人とすることがポイントです。

1人にすると、その人の癖だけ綺麗に移ってしまってオリジナル曲歌っていても「似てる」って延々と言われる羽目になりますし、凄く似てしまうと個性が消えて結構辛いです。

できれば、10人くらい真似るとよいです。
色んな人の癖が入ってきて混ざりあうことで、逆に個性となるので対象はある程度増やして、かつPOPSとロックとR&Bなどジャンルが違う人を混ぜたほうがよいです。

そして、真似るくらいまで良く聞き込んで歌い込むと自然とその方のキーは出るようになります。

僕の場合は秦基博さんやMr.children、久保田利伸さんあたりを真似ていましたが、今ではその方々の歌っているキーは出るようになっているわけで<<2-1. たくさん歌う>>で記載した草野正宗さんがおっしゃる通りで歌っているうちに馴染んできた感が強いです。

2-4. 自分の歌を聴く

最後は自分の歌を聴くことです。
音域を広げる以外でも上達に必須な事ですが、音域を広げるためにも重要なのです。

発声している時に聴こえてくる音と後で録音して聴くのでは、随分と印象が違います。

発声時は伸びやかに出ているように感じても録音して聴いてみると苦しそうで聴き辛い…となることはよくあることです。

あくまで歌は人に聴いてもらうものなので、自分が気持ちよく出せていても出ている音が気持ちよくなければ意味がありません。

そして、客観的に自分の出している音を聴いてみて出し方を変えて、また聴いて…と繰り返していくと大体良い方向に進んでいけるので定期的にやったほうがよいです。

また、<<2-3. プロを真似る>>を実行するにしても、ちゃんと真似ができているか確認するのに自分の歌を聴くことは必要です。

今はスマホのお陰で簡単に自分の歌が録音出来て、すぐ聴ける環境なので録音&聴く癖をつけるとよいでしょう。

3. まとめ

  • 高音域は訓練することで広げることができる
  • 音域を広げるためには歌をたくさん歌い、発声方法をいっぱい試すことが重要
  • 発声方法をたくさん試すためには色んなプロミュージシャンの歌い方を真似てみるのが良い

こんなところ。
結局、音域を広げるためにも地道な練習が大事です。

よく、高音を楽に強く出すためにミックスボイスを覚えるのがよいって言いますが、ミックスボイスってやつも体の使い方をしっかり覚えないと出せません。

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しかも、覚えたところで安定させるためには結局、体に使い方を覚えさせるために歌い込みが必要です。

だから、日ごろの歌い込みと試行錯誤が大事ってこと。

結局、楽して上手くはなれないし、ボイトレ業界でも宣伝に「あっと言う間に」「誰でも」「楽して」みたいな謳い文句が蔓延るのを見ると、ダイエットや副業とかと全く一緒でどの世界も一緒だなぁと感じます。

プロミュージシャンを真似てみると想像以上に試行錯誤して色んなことをやっていることがわかります。

そうやって、プロに近づくことで凄さがより見えてきます。
「模倣は想像の母である」という言葉がありますが、本当にその通りですよね。

モノマネ芸人みなさんが凄く歌が上手い人ばかりですが、それだけプロをしっかり聴いて歌い込んで模倣することは成長につながることなんですよね。

憧れの力強い高音を出すために色んなミュージシャンを聴き込んで、たくさん歌ってみましょう。

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