ぎたすけ
たけしゃん
弾き語りでの使い勝手をレビューしていくね
本記事ではBOSS RC-30をレビューしていきますが、弾き語りで使うことを前提に解説します。
なので、申し訳ないですがエレキギターで使う人には適した内容ではありません。
逆に弾き語りで使う人は絶対参考になる内容になってます。
ルーパーはギタリストと弾き語りで使い方や注意点が全然違うので、自身の使用目的と一致した人のレビューを読むのが重要です。
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BOSS RC-30の使い方・機能
ルーパーでは定番のBOSS ループステーションシリーズ。
その中堅モデルにあたるのがBOSS RC-30です。
弾き語りなどシンガーソングライターが使用する用途では最も売れているルーパーです。
実際にエド・シーランも初期から有名になり始めたくらいまではRC-30を使っていました。
ブレイクしてルーパーでの演奏スタイルが注目されていくと、もっと複雑なトラックを組むために上位機種に乗り換えてましたね。
まずはBOSS RC-30の詳しい使い方・機能から解説していきます。
仕様は良いからレビューを見たいという方は<BOSS RC-30 レビュー>を参照ください。
なお、ルーパー自体をよくわかってない…という方は先に下記の記事を読んでいただき基本を理解してからレビューを読みましょう。
おすすめのルーパー・エフェクター。アコギ弾き語り用の使い方・選び方を実演動画で解説項目タップで解説に飛びます
最大3時間 99個のフレーズ録音が可能
本体内蔵メモリーに最大3時間、99個のフレーズを記録しておくことが可能です。
旧モデルのRC-20XLは最大16分だったので、一気に容量が増えました。
色んなフレーズを記録させて、プリセットとして活用したい場合に非常に便利です。
練習用にリズムトラックやバッキングトラックを記憶させておくと、日常の練習が楽になります。
同時再生トラック数
同時に再生できるトラック数は2トラックです。
ルーパーはオーバーダビングして1トラックに色んな音を重ねていくのが基本。
しかし、エド・シーランのように場面毎に音色数を変動させる場合は複数トラックが必要です。
RC-30なら2トラックまで組めるので、音数の増減も可能です。
入力・出力端子
- XLR入力 ×1
- LINE入力 ×2(ステレオ)
- LINE出力 ×2(ステレオ)
- AUX入力
入出力はかなり充実しています。
その中でも大きいのはマイクが挿せるXLR入力端子があることです。
しかも、ファンタム電源対応なのでコンデンサーマイクも使えるのは地味にありがたいです。
この充実した入出力端子がユーザー用途の分かれ目でもあります。
ギタリストの方はマイク端子は必要ない人が大半ですが、逆に弾き語りだとマイク端子あると何かと便利。
むしろ、マイク端子が欲しいという理由だけでBOSS RC-1からBOSS RC-30にグレード上げる人は多いです。
※BOSS RC-1
なお、OUTPUT L端子(LINE出力)が電源スイッチを兼ねています。
OUTPUT L端子にケーブルを接続すると自動で電源が入り、抜くと電源が落ちます。
個別の電源スイッチはありません。
フットスイッチは2つ
RC-30のフットスイッチは左右に2つとなっています。
下位モデルのRC-1は1つだったわけですが、2つになると劇的な変化があります。
それは、「2度踏みする必要が減る」ということです。
RC-1はペダルが1つしかないので、1度踏み・2度踏みで機能を分けてるんですよね。
この2度踏みがステージ上でリアルタイムにトラックを作る場合、事故のもとで超危険。
RC-30になると、1トラックでの録音・再生・停止は2度踏みがなくなるのでグッと使いやすくなります。
使い方としては下記の流れです。
実際にやっている流れを見たい方は、この後の<BOSS RC-30 レビュー>の章で実演動画と解説をつけているので、参考にしてください。
音量調整ツマミ
本体上部にマイク・リズムトラック音量、各トラックの音量フェーダーのコントローラーがあります。
右側にリズムトラックとマイク入力端子用の音量調節ツマミがあります。
リズムトラックはRC-30本体の機能で、任意の音色を選んでリズム音を鳴らすことができるので、その音量調節ツマミです。
マイクの音量ツマミはシンプルにXLR入力端子の音量調節です。
LINE用の音量調節はないので、エレアコを繋ぐ時はピックアップ側の音量ツマミで調整しましょう。
続いて、各トラックの音量フェーダーです。
トラック1とトラック2、それぞれ分かれて用意されています。
複数トラック扱う時に音量調整するのに使います。
例えば、トラック1にアコギを入れて、トラック2にコーラスやシンセサイザーの音を入れると入力音がばらつくので調整するわけですね。
エフェクト機能
RC-30は録音済みのトラックにエフェクトをかけることが可能です。
かけ録りはできません。
エフェクトの種類は5パターンで、本体TYPEボタンを押下して選択します。
RC-30 エフェクト | 効果 |
BEND DOWN | 音程が急降下する |
STEP PHASER | ステップ上に変化するフェイザー |
SWEEP FILTER | 周波数がテンポに同期して変化 |
TEMPO DELAY | テンポに同期してディレイがかかる |
Lo-Fi | 音質を独特な雰囲気に変化させる |
テンポが絡むエフェクトが多いですが、事前にトラックのテンポを設定する必要があります。
テンポ設定は本体右側のリズムコントロールで行います。
BPMを設定するのではなく、手動で押した間隔がテンポになります。
足の方がいい方は右のフットスイッチを踏むことでも設定可能です。
アダプタ・電池の両方で駆動
RC-30は単三電池 6個で駆動します。
また、ACアダプタ(別売り)でも駆動します。
電池でも十分ですが、ライブ中に電池切れを起こすと怖いのでACアダプタを使うと安全ですね。
電池の場合はアルカリ電池が推奨されてますが、電池切れのリスクを考えると充電電池で充電状態を管理して使うのがよいです。
別売りACアダプタ
RC-30
BOSS RC-30をレビュー
それでは、BOSS RC-30を細かくレビューしていきます。
まず、総評すると「弾き語り用ルーパーとしては標準的。凝りたい方はRC-300へ」です。
シンガーソングライターが使いたいであろう用途は一通りできます。
逆にRC-1だと弾き語りで使用するには何かと足りないので、RC-30まで頑張ったほうが良いです。
一方でエド・シーランレベルにまで凝ったトラックを作りたい人はRC-30では厳しいです。
重たくて高いですが、RC-300まで頑張りましょう。
項目タップで解説に飛びます
ルーパーでやりたいことは大抵できる
そこそこの大きさに機能がギュッと詰め込まれてるので、大抵のことはできます。
参考までに僕がRC-30を使って演奏している、星野源さんのさらしものを聴いていただきましょう。
大抵の方はこんな感じのことやりたくてルーパー買いますよね。
RC-30ならこれくらいは簡単です。コツを掴めば誰でもパッと作れちゃいます。
レビューから少しそれますが、上記動画でやってることを分解して解説してみましょう。
手順1で2小節分の音を録って、3小節の1拍目でペダルを踏むと、後は延々と手順1の音がループされるので音を重ねていくだけです。
手順4まで入れ終わったら左ペダルを再度踏むとダビングモードがOFFになって、音だけが延々とループされます。
右ペダルを踏むとループ再生が停止されます。
ちなみにRC-1がしんどいのはループ再生の停止が2度踏みであることです。
ギター演奏しながらの二度踏みでジャストにピタッと止めるのは相当しんどいです。
RC-30ならマイクも使えますし、1トラックなら基本操作で2度踏みはないので大抵のことは問題なくできます。
マイクが使えるのは大きい
RC-30はXLR入力端子があるので、マイクを使用することができます。
弾き語りにおけるルーパー活用ではコーラスとボイパが加わると、一気に自由度が上がります。
ガッツリ、ルーパーをライブ演奏に活用したい人は絶対マイクは使えたほうが良いです。
また、アコギの打音録りでもマイクを使えると便利です。
ピックアップで拾うボディの打音って、ちゃんと対策しないと酷いもんなんですよね…。
ソロギタリストの方々で打音使う人はコンタクト&マグネットタイプの凝ったピックアップ付けますからね。
シンガーソングライターが良く使うピエゾやデュアルタイプだと弦の叩く音はいけても、ボディの打音は汚くなりがち。
参考に先ほどの「さらしもの」の最初のフレーズをピエゾ、デュアルピックアップ、外付けマイクの3種類で録ってみたので聞き比べてみましょう。
外付けマイク
ピエゾ
デュアル
段違いに外付けマイクですよね(苦笑)。
ピエゾは打音全然拾ってないので、論外として…。
デュアルはマイク取付け位置を変えれば改善はしそうですが、現状はボディの振動がノイズになっちゃってます。
こんな感じでピックアップで打音を綺麗に拾うのは、それなりに打音対策が必要です。
ライトに弾き語りで使うなら、外付けマイクで拾っちゃったほうが楽なのでXLR入力端子は欲しいところです。
RC-30はXLR入力があって、ファンタム電源付きでコンデンサーマイクも使えます。
やっぱり、弾き語りで活用するならRC-30以上にしておくべきですね。
フットスイッチの遊びは普通
スイッチの遊びとはフットスイッチを押し込んだときに押したと判定されるまでの余白みたいなもの。
エフェクターメーカーによってスイッチの遊びって、結構違うもんなんですよね。
BOSSは普通で可もなく不可もなし。
ルーパーは押すタイミングが少しでもズレるとリズムがよれます。
前述のピックアップの参考音源でもデュアルはスイッチ押すタイミングが微妙にズレてます…。
合わせるのは結構難しいのです。
なので、もしも好みのエフェクターメーカーがあるなら好みのメーカーの物を買ったほうが良いです。
逆に特になければBOSSが安定です。標準的ですからね。
2トラックを使うのは厳しい
BOSS RC-30は2トラックまで同時再生できます。
これは強みなのですが、実際に使おうと思うと録音トラックの指定や再生トラックの指定、全トラック停止が2度踏み…など。
正直、ステージで使うのは事故率が上がりすぎて危険すぎます。
追加でフットペダルを買うと録音トラックや再生トラックの指定は楽になりますが、全トラック停止が2度踏みなのは変わりません。
なので、2トラック使うなら事前に録音するなり、楽曲のエンドはルーパーだけにするなど操作の負荷を最小限にとどめるのが現実的です。
エド・シーランのようにリアルタイムでトラックをあれこれ切り替えるなら、絶対RC-300にすべきですね。
実際にエド・シーランもトラックを複数活用するようになってからは、RC-30ではなくなってますしね。
ループステーションの機種比較
RC-1とRC-3は別売りの追加フットペダルを買えば、操作性は何とかなるもののXLR入力がないのがネックですね。
逆にRC-300は機能面や操作面では抜群ですが、重さが3.9kgと持ち歩くにはしんどい上に価格も5万円を超えています。
なので、持ち運びや機能面を考えるとほとんどの方がRC-30を買うのが現実的です。
RC-300まで行く人は相当ルーパーにこだわって使いこなす人だけですね。
僕自身もRC-30を割と長い間使ってますけど、RC-300まで買おうとは思わないですしね。
効率は悪いかもしれませんが、RC-30を買って長年使ってみてRC-300に買い替えるか検討するのが現実的です。
おそらく、RC-300を買い替えようと思う人は100人いて数人いるかどうかというレベルです。
BOSS RC-30 まとめ
- エド・シーランも使っていた弾き語りには定番のルーパー
- マイクが使えるXLR端子があって、フットペダル2つなので使い勝手が良い
- RC-300まで必要な人は稀で、まずはRC-30を買うのが現実的
ぎたすけ
たけしゃん
RC-1だと後悔する人が多いと思う
BOSS RC-30のレビューでした。
弾き語りで使うなら、RC-30から…というのが僕の結論ですね。
RC-1にフットペダルを追加で1つ買えば、足りるっちゃ足りるんですけどね。
まあ、でもコーラス入れられるかどうかって、すごく大きいですからねぇ。
後から、ルーパーでコーラスも入れてみようかな…と思ってもRC-1だと買替するしかないですし。
RC-30なら使い方も多様なので、ルーパーを弾き語りに組み込みたいならお金を出しても買う価値ありますよ。
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