評価:4.5
ぎたすけ
たけしゃん
※マイクはaudio technica AT4040
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audio technica AT8700J
2021年7月に発売されたaudio technicaのマイクアーム AT8700J。
マイクメーカーとして有名なaudio technicaが作っているだけあって、品質が良いことはもちろん実用面でも使いやすい工夫が施されています。
本記事では、僕もずっと使っている低価格のベストセラー製品 ROYCELマイクアームと比較していきます。
価格帯としては、ROYCELが3,000円程度でAT8700Jが8,000円程度なので差はかなりあります。
一方で部品の質もかなり差があります。持った時点で「あ、これは格が違うわ…」となるくらいの差はあります。
後半のレビューではユーザー層別でどっちの製品を選ぶべきかについても解説していきます。
まずはAT8700Jの製品仕様から細かく解説します。
仕様説明を飛ばして、レビューを見たい方は<AT8700Jをレビュー>を参照ください。
AT8700J 製品仕様目次
50mm厚の机に取り付け可能
AT8700Jは取り付け部分がネジで可動するため、50mm厚の机まで取り付け可能です。
まあ、普通の机なら余裕ですね。僕の机も大分余裕ありました。
取付方法も非常に簡単です。
机に取り付けするテーブルクランプとマイクアーム部分が接続できるのでテーブルクランプを机に取り付けてからマイクアーム部分を接続するだけです。
工具も何もいりません。1分で取付完了します。
ネジ部分の接触も良く、安定性も非常に良いですね。
可動域
※取扱説明書より引用
耐荷重 | 2kg |
可動距離 | 680mm |
取付ねじ寸法 | 5/8インチねじ |
回転角度 | アーム取付部:360° マイク取付部:270° 上部アーム部:180° 下部アーム部:135° |
外形寸法 | 430mm×398mm |
質量 | 本体:1030g テーブルクランプ:172g |
可動範囲はマイクアームの中では標準~やや広め程度です。
ROYCELのマイクアームよりは若干長く、可動範囲も若干広めです。
マイク取付部分は270°稼働するので、自由自在にマイキングできます。
僕のデスクは160cm天板とかなり大きい机ですが、端に取り付けしてても余裕で届くので困る人はほぼいないでしょう。
本体重量は1030gと結構重めです。ROYCELは340gなので3倍ですね。
まあ、重くて困ることはありません。むしろ重いのでマイクを載せても安定感があります。
また、マイク取付部のネジは5/8インチねじになってます。
コンデンサーマイク付属のマイクアダプタは大半の製品が5/8ネジ(メス)ですが、最初から3/8変換ネジがはめ込まれてます。
下の写真はaudio technica AT4040付属のマイクアダプタで、最初からはめ込まれていた3/8変換ネジを取り外したものです。
このようにはめ込まれた3/8変換ネジを取り外して、5/8ネジ(メス)にしてAT8700Jに取り付けしましょう。
また、あまりないですが3/8ネジにしか対応していない製品であれば、5/8→3/8変換ネジを別途購入してAT8700側に取り付けましょう。
耐荷重2kg
AT8700Jは耐荷重2kgとなっており、かなり重めのマイクでも安定して支えられます。
この耐荷重がAT8700Jの素晴らしいところなんですよね。
耐荷重2kgのマイクアーム自体は結構あるんですが、任意の位置で1kg以上のマイクを支えられる製品は非常に少ないんですよね。
僕が以前使っていたRODE NT-2Aがマイク本体だけで860gもある重たいマイクだったので、耐荷重2kgのマイクアームはいくつも使ってるんですよ。
ですが、どれも任意の位置で固定できなかったんですよね。
アームが重さに耐えられずにズルズル下がっていき、下がり切ったところで固定されるといった感じ。
たけしゃん
しかし、AT8700Jは2kgでも任意の位置で固定ができます!!すごい!
実験で重さ2kgのリフレクションフィルターを付けてみましたが、余裕で安定してます。
これなら、マイクアダプタも含めて1kgを超えるような重たいマイクでも余裕ですね。
耐荷重2kgと書いてある製品で、実用レベルで2kgまでいけるマイクアームは初めてだったので感動しました(笑)。
さすがオーディオテクニカです!
ケーブル留め用面ファスナー付属
マイクケーブルを固定するためのファスナーが2つ付属しています。
机回りでマイクケーブルがブラブラすると邪魔なので、助かりますね。付けるとこんな感じ。
また、途中にケーブル入れられる溝も用意されているので、キレイに収納できるようになってます。
ルックスも高級感ある感じなので、机回りの見栄えが良いのも嬉しいですね。
このあたりも低価格帯とは質感が違うので、ライブ配信やYouTubeの動画撮影でマイクアームが映る場合はAT8700Jにすると大分見た目が本格的になりますね。
audio technica AT8700Jをレビュー
それでは、具体的にAT8700Jをレビューしていきます。
はじめに箇条書きでザックリまとめると以下の通り。
- 安定性抜群。重たいマイクも余裕
- アーム可動部分は固めでラフに使うにはやや不便
- 耐久性も低価格帯と比べて明らかに高そう
- ルックスが良いので撮影スペースに向いてる
価格帯は8,000円と高めですが、それだけのことはある品質です。
一方で低価格マイクを使ってる人は別にROYCELで十分かなとも思います。
なので、それなりに高価格のマイクを取り扱う人やマイクアームにもルックスを求める人向けのハイエンドモデルといった感じです。
レビューの目次
安定性抜群。重いマイクも余裕
AT8700Jの最大の魅力は何と言っても安定性ですね。
2,000~3,000円のマイクアームとは格が違うレベルで安定します。
1kg近い重たいマイクでも大分余裕があります。
また稼働させる部分がねじ回しで調整するタイプではないので、途中でねじが緩んでアームが落ちてくることもありません。
AT8700J
ROYCEL
ねじ回して調整できるタイプは結構強く締めても、マイクが重いと徐々に落ちてきちゃうんですよね。
AT8700Jは裏側に六角レンチで回せそうなところはありますが、基本はユーザー側で調整する仕様ではありません。
レコーディング中やライブ配信中にマイクが落ちてくると困るので、このあたりはオーディオテクニカらしくカッチリと作られてます。
耐荷重2kgと言いつつ実用面では1kgでも厳しいマイクアームが多いなか、しっかり2kg支えられる安定性はさすがオーディオテクニカです!
アーム可動部分が固い
AT8700Jはアーム可動部分が大分固めです。
取説にも書いてありますが、固いのでしっかり持って調整しないと動きません。
なので、マイク位置を頻繁に動かすようなラフな使い方には不向きです。
また、通常のマイクアームと違ってアーム可動部分にねじ回しがついていないため固さ調整もできないです。
一方でねじ回しがないのってデメリットばかりでもないんですよね。
マイクアームをずっと使ってる人ならわかると思いますが、マイクアームの故障ってほぼ可動域のネジ回りなんですよ。
ねじ回しで日々調整していると周辺部分がガバガバになって固定できなくなります。
そのため、AT8700Jのようにユーザーがネジ調整しない仕様にすると耐久性が格段にアップすると思うんですよね。
この仕様だったら、相当長く使えそうな気がします。
なので、マイクアームを気軽に動かすようなラフな使い方はしづらいですが、RECやライブ配信といった安定性が求められる用途で長期的に使うならAT8700Jの仕様はむしろ安心できそうです。
ルックスが良いので撮影向き
AT8700Jはねじが見えないようになっており、シックでおしゃれなデザインになっています。
安いマイクアームはネジとかバネがむき出しなので、野暮ったいんですよね。
ライブ配信や演奏動画の撮影時にマイクアームも映す場合は見栄えって結構大事ですからね。
AT8700Jのほうが高級感あって本格的な印象は感じますね。
AT8700JとROYCEL どっちを買うべきか
- 3万円以上のマイクや重たいマイク買う人…AT8700J
- ライブ配信や撮影でマイクアーム映す人…AT8700J
- それ以外の人…ROYCEL
僕は上記のパターン分けをおすすめします。
まず、3万未満の低価格帯マイクならほとんどの製品が軽いのでROYCELで十分です。僕もROYCELでほぼ困ってません。
ただ、3万円以上のマイクからはどこのメーカーもマイク本体がやや重くなり、付属するショックマウントもプラスチックから金属製に変わって重くなるんですよね。
AT2035のショックマウント
AT4040のショックマウント
大体はROYCELでも大丈夫ですが、やや重ためのマイクだとネジが緩むと徐々に位置が落ちてきたりはします。
また、1kg近い重たいマイクだと安いマイクアームは2年くらいでヘタることが多いです(僕の経験談)。
なので、マイクの選択に自由度持たせたいならAT8700Jにしといたほうが無難です。
また、ルックス面も結構大きいですね。
安いマイクアームってバネとかネジがむき出しになるんですが、数年使ってると気を付けないサビつくんですよね。
撮影で映すとなると、サビついてるマイクアームは嫌じゃないですか。
だから、バネやネジが全部隠れてスマートになってるマイクアームはやっぱりいいです。清掃も楽ですし。
以前からRODEなどがスマートなルックスのマイクアーム出してましたが、1.3万円くらいするので8,000円で買えるAT8700Jはちょうど頑張れる範囲の価格帯なのも良いですよね。
改めて結論としては。AT8700Jはマイクアームに高い安定性とルックスを求める方向けの製品です。
ライトに趣味で使う人はROYCELで十分ですが、毎日ライブ配信やる人や仕事で使う人はAT8700Jをおすすめします。
audio technica AT8700J まとめ
- AT8700Jは耐荷重2kgで高級感あるルックスのマイクアーム
- 2kgの重さでも任意の位置で固定できるマイクアームの中でもトップレベルの安定度
- ライトに使う人よりはガッツリ使う人向けの製品
ぎたすけ
たけしゃん
AT8700Jのレビューでした!
やっぱり、リフレクションフィルター支えられたのは感動でしたね…(笑)。
今の時代は自宅のデスクでレコーディングもライブも全部完結できるので、自宅の環境って大事ですからね。
マイクアームはほんとに良く使うアイテムなので、予算作って安定性の高いものを選びたいですね。
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