こんばんは!たけしゃん(@_tkshan)です。
最近ではiTunesなどの音楽配信が主流になってきた音楽市場。
しかし、アマチュアやインディーズのミュージシャンからすると未だにCD文化です。
ライブ会場ではCDの手売り販売が盛んに行われ、曲によってはYoutubeで見れるものの、ダウンロード販売に対応しているアマチュア&インディーズミュージシャンはまだまだ少ない。
また、ボカロなどの市場では同人販売会などで音源を売るのが主流ですが、そこでもやっぱりCD販売。
音楽配信はプロはともかく、アマチュアやインディーズには現在も敷居が高いというのが実情です。
そんな中、新しい風を起こしてくれそうな便利なサービスが登場。
それが、クリプトン社が開始したSONOCAというサービスです。
下記の記事ではCDと音楽配信を比較しています。
自主制作CDを作ることは効果的なのか?音楽配信と比較しながら考える今回はこの記事の内容も踏まえて、利便性やコスト面などCD・音楽配信・SONOCAを比較して考えます。
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1. SONOCAとは
スマホ用音楽カード『SONOCA(ソノカ)』
SONOCAと書いてソノカと読みます。
カード表面には任意のデザイン。カード裏面に楽曲ダウンロードのURLとQRコード、シリアルコードを記載。
カード1枚ずつに異なるシリアルコードが記載されており、シリアルコード1つにつき、1回のダウンロードができる仕様になっています。
つまり、SONOCAを利用すればライブ会場でCDではなくカードを販売をすることになるわけです。
そして、リスナーはカードを購入して、QRコードから楽曲ダウンロードするという流れです。
CDだとスマホに音楽を取り込むためにPCでのリッピング作業が必要になります。
今はまだPCを持っている家庭が大半を占めますが、近い未来にスマホやタブレットが主流になりPCを持たない家庭が増えてくるでしょう。いや、1人暮らしの人ではPCを持っていない人が既に多いはず。
今でも、PCを持たない人向けにリッピングするためのスマホ用CDドライブが販売されていますが、そもそもCDという媒体が既に時代遅れです。
SONOCAを使えば、スマホだけで音楽を聴くことができるのでリスナーの利便性が向上します。
より時代に合った新サービスと言えるでしょう。
2. SONOCAの強み
それではSONOCAの活用方法や強みを考えていきます。
もちろん、楽曲をダウンロードしてスマホだけで完結できるという点が最大の強みですが、それ以外も強みがあるんです。
2-1. 専用アプリによる歌詞表示
SONOCAは専用アプリ「SONOCA Player」を使って音源を聴くことができます。
もちろん、このアプリ内でiTunes等の外部ソフトのライブラリも聴くことができるので、「SONOCA Player」だけで完結することができます。
このアプリの優れているところは歌詞表示ができるところです。
プチリリという歌詞投稿サイトと連携しており、歌詞投稿されている楽曲については自動で歌詞を表示してくれます。
プチリリ – 歌詞投稿コミュニティ
また、自分の楽曲であればSONOCAにデータ入稿する際に歌詞を入力すればアプリ内で歌詞表示されるようになります。
これもね、地味ですが大きいんですよね。
マイナーなアーティストって大手の歌詞掲載サイトに載っていないので歌詞検索しても出てこない。歌詞表示してくれるのは非常にありがたい。
2-2. 持ち運びが楽
CD販売って地味に大変なんですよね。
例えばCDを50枚、ライブ会場に持っていく。経験者はわかると思いますが、これってかなり大変なんですよ。
演奏機材にプラスしてケースに入ったCDを50枚ですからね。
CDってのは思いのほか嵩むわけです。
これがカード50枚なら持ち運びが凄く楽。
100枚持って行っても大したことはないから、とりあえず余裕をみて持っていけばライブ会場で在庫切れになる心配もなし。
CDだとかさばるので、余裕をみて持っていくのは大変なんですよね。
運搬時にケースにヒビが入ったりすると売れなくなっちゃうし。カードなら運搬も楽なので心配ないです。
そしてお客さん側にもメリットが。
カードならばCDと違って財布の中やポケットに入るサイズなので手ぶらで来ている場合や逆に荷物が多い場合も簡単に買って帰れます。
持ち運びが楽っていうのは双方にメリットがあります。
2-3. 用途が多彩
SONOCAは1枚で700MBまで収録できます。ちょうどCDで同じ容量。
1曲でもいいですし、アルバムのように10曲収録してもOK。
今後、ハイレゾ音源にも対応するそうです。ハイレゾ音源を配信したい人には非常に助かります。
これまでの活用事例を見ると、CDの初回特典としてSONOCAで音源を追加提供したり、書籍やパンフレットの付録としてつけたりしているようです。
収録内容も音源が主流ですが、特別なメッセージ動画など活用範囲が広いです。
先に法人向けとしてリリースされましたが、ライブ会場でSONOCAを販売し、購入者が後日ライブ音源をダウンロードできる…といったサービスも展開しています。
また、法人向けにカードのデザインを最大20種類同時に印刷もできます。
1000枚であれば、50枚×20種類といった感じです。アイドルグループでは相当有効に活用できそう。熱心なファンが全種類買いそうだよ。なんと危険なサービス…。
なかなか、個人で活用する際に特典でつけるのはコストの観点で難しいですが、活用できる幅は広いためアイディア一つでCDよりも多彩なサービスを提供できる可能性があります。
3. CDや配信とのコスト差
一番気になるところでコストはどれくらいなのか?という点です。
もちろん、音源のレコーディング費用などはCDも配信もSONOCAも共通費用。
音源を作った後の費用差がどれくらいあるのかは大変気になる。
3-1. SONOCAの費用
現在はキャンペーン中で100枚で9,800円(税込み)。
キャンペーン終了後は100枚で14,800円(税込み)。
ふむ、安い!…というほどではない。キャンペーンが終われば1枚当たり148円か。
CDと一緒で多くの枚数を発注するほど安くなる。
大体使いそうな金額は下記の通り。
枚数 | 価格 |
---|---|
100枚 | 9,800円 |
200枚 | 18,800円 |
300枚 | 27,800円 |
500枚 | 43,800円 |
1000枚 | 81,800円 |
※価格はキャンペーン価格。通常価格は100枚 14,800円。後は不明
CDの価格はこの後に記載しますが、所感的に枚数が少ない場合はCDより、かなり安いです。
1000枚になると安いですが、大差ありません。
この他にもCDならばかかるものがジャケット、歌詞カード、ケースのお金です。
SONOCAであればジャケットのデザイン費はかかりますが、紙やケースのお金は発生しません。
オプションでカード台紙をつけることができ、台紙を付けると追加料金は100枚で5,000円です。
個包装用OPP袋付きなので、特典などでなく音源販売に使うのであれば台紙付きにするとよいでしょう。
ちなみに商品を個包装用OPP袋に初めから入れてもらう場合は更にオプションで包装サービスを付ける必要があります。
これまた、追加料金は100枚で5,000円。アマチュアであればお金がないでしょうから自分で包装しましょう。
比較として500枚作製を想定しますが、台紙を付けると下記の通り。
カード代 43,800円 + 台紙代 25,000円 = 68,800円(税込み)
3-2. CD製作の費用
ここでは共通費用の音源製作費は除き、CDプレス費用を記載します。
参考にするのは下記のテックトランス。もっと安いところもありますが、ある程度紹介されているところを選択しました。
CDプレス・DVDプレスのテックトランス
さて価格表だけみると、海外プレスで一般的なアルバム用セットを選択。
歌詞カード、ジャケット、ケース代込みです。
枚数 | 価格 |
---|---|
100枚 | 61,992円 |
200枚 | 70,308円 |
300枚 | – |
500枚 | 80,460円 |
1000枚 | 95,040円 |
ふむ。やっぱり、枚数が少ないと高いですね。
そもそも、CDプレスだと500枚以下は受け付けない会社が多いです。
枚数が少ないときは圧倒的にSONOCAが安いですが、1,000枚で比較するとSONOCA(台紙付き)より安いです。
ちなみに比較対象の500枚だと80,460円(税込み)ですね。
3-3. 音楽配信の費用
続いて音楽配信の費用。ここではメジャーなTuneCore JapanでiTunes配信した場合の費用で考える。
TuneCore Japan
音楽配信する場合の費用については下記の通り。
- シングル配信(10分以内の曲を1曲)は1,523円(税込み)/年
- アルバム配信(10分以内の曲を2曲以上)は5,130円(税込み)/年
さすが。
データファイルだけで完結するので安いですね。
アルバム配信すると仮定して料金は5,130円。ダントツで安い
3-4. 各サービスの比較
それでは各サービスの比較。
コスト面だけでいくと下記の順番。
- 音楽配信 5,130円(1年契約)
- SONOCA 68,800円(台紙付き)
- CDプレス 80,460円(ジャケット、歌詞カード、ケース付き)
順番は予想通りだったけど、SONOCAとCDプレスの価格差が思ったよりなかった。
それでは各サービスを考察した内容を書いていきます。
◆音楽配信
最もコストが安いのが音楽配信。ダントツでしたね。しかも、一番時代にあっていて便利。
なんだけど…、ライブ活動がメインのミュージシャンで一番売れないのも音楽配信。
ライブで直売する際に「検索⇒購入」って過程がハードル高すぎる。
ライブが良かった~って盛り上がって、その勢いで物販でCDなどを買うわけです。
その際に目の前に「物」があるかないかはあまりに大きい。
物販でCDなりカードを買う人でも、スマホで検索して購入はしないって層は結構多いだろう。
逆にyoutubeやニコニコ動画といった動画投稿サイトが主な集客ツールであるミュージシャンは音楽配信が一番相性がいい。
でも、ボカロPの主な収入源は同人販売会でのCD手売りらしいんだよね。なんでだろ。
◆SONOCA
音楽配信とCDのちょうど、中間に位置するのがSONOCA。
前述の通り、スマホで使いやすい。今の時代にCDよりは合っている。
ただ、大量に作成しようと考えた場合は今のところ、CDを作ったほうが安い。
時代に合っているものの、1,000枚以上作るとなると現状はCDに勝てる要素がほとんど見つからない。CDショップなどのお店で置いてくれないのも痛い。
逆に100枚~300枚程度の規模で手売り用として作るのであればCDよりもコストが割安で使い勝手がよい。
レコーディングスタジオで音源を録るのではなく、例えばライブ音源だったり、DTMで制作した音源を収録してデモ音源的な売り方をするのであれば、SONOCAは本当に便利。
また、集客がある程度できているのであればCDの初回特典だったり、ライブ音源の販売だったりと活用方法が大きく広がる。
◆CDプレス
昔ながらだけど、やっぱり強いCDプレス。
1,000枚くらい作らないと、相当割高。全国流通だったり、CDショップに置いてもらったりできる。
少ない枚数を作るのであれば、SONOCAのほうが絶対有利。
未だに音楽業界ではCDが名刺代わりになるので、高いけど一度は作ってみるとよい。
4. まとめ
- SONOCAは音源販売以外もCDの初回特典などアイディア一つで用途が多彩
- 100枚~300枚といった少ない枚数の発注であれば、最強のサービス
- 1,000枚など大量発注する場合は割高になってしまい、CDプレスしたほうがよい
中々に面白く、画期的なサービス。
今のところ、アニソン、ボカロ、アイドルの利用が多いようです。
もちろん、J-POPでも活用できます。
CDはさすがに古いので、もう何年かしたらSONOCAみたいなサービスが主流になると思うんですけどね。
誰か好きなアーティストが使ってくれたら、試しに買ってみたい。
1枚のカードで1回しかダウンロードできないってのが若干気になるところ。1回にしないと、みんなで回されちゃうから仕方ないところなんだけどねぇ。
価格も気になる。どんくらいの価格で販売するんだろ。
アマチュアだと1枚500円って感じがするけど、3曲入り500円とかだったら手軽に買えて良いですね。
今後も色んなサービスが登場しそうですが、SONOCAが普及するか注目です。
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